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2023年03月28日

法科大学院の神尾将紀准教授が1章寄稿した書籍『多様化するアメリカと合衆国最高裁判所―ロバーツ・コートの軌跡と課題』が出版されました

法科大学院の神尾将紀准教授が、書籍『多様化するアメリカと合衆国最高裁判所―ロバーツ・コートの軌跡と課題』に、「ロバーツ・コートと団体の信教の自由」と題する章を執筆されました。

本書は、早稲田大学を拠点とするアメリカ法研究会を通じて、14名の憲法・英米法研究者が各自の専門領域から、保守派とリベラル派の二極対立が深刻化するアメリカ社会での憲法問題(表現の自由、宗教の自由、中絶の自由のほか、人種的マイノリティ、性的マイノリティの平等など)に関する、ロバーツ・コート(ロバーツ裁判官が長官に就任した2005年以降の連邦最高裁判所)の判例法理を論評したものです。

今回、神尾准教授が寄稿した章では、とくに、信教の自由と政教分離原則とが相俟って、宗教団体の自律権(宗教団体が、裁判所を含む公権力から干渉されずに、その信仰や教義はもちろん、その構成員や統治形態などの内部事項について、自律的に決定する権利)が保障される、と判示したロバーツ・コートの判例を取り上げ、単なる「個人」の信教の自由には還元できない「宗教団体」の信教の自由の独自性を明らかにしています。

神尾准教授は、「現在、アメリカ憲法を比較の対象として、信教の自由・政教分離原則の研究に取り組んでいます。これにより、信教の自由(および、それを確実に保障するための政教分離原則)の意義を追究していきたいです。また、このたび、科研費(基盤研究(C))に研究代表者として単独で応募していた、ロバーツ・コートにおける信教の自由・政教分離原則の判例法理に関する研究課題が採択されました。これを励みに、これまでの研究成果を単著図書として発刊することを目指したいと思います。」と語りました。

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ページ公開日:2023年03月28日