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  • 東南アジアの気候変動に関する国際シンポジウム(オンライン)に 経済学部の掛川准教授が参加しました

Credit: ISEAS – Yusof Ishak Institute

2023年04月13日

東南アジアの気候変動に関する国際シンポジウム(オンライン)に 経済学部の掛川准教授が参加しました

シンガポール政府の主導で設置された独立研究機関であるユソフ・イシャーク研究所(Yusof Ishak Institute)の東南アジア気候変動プログラムは、2021年10月、政策策定者、実務者、研究者等を対象にワークショップを開催し、気候リスクと都市開発に関係する課題や、都市がどのように気候変動の緩和と適応について対応を進めているかいついて、最近の研究をもとに討議しました。同ワークショップに基づき、気候変動対策を更に進めていく為、政策の参考になりうる研究成果を取りまとめた事例集を発行する運びとなり、その事例のうち、本学経済学部掛川三千代准教授の論文を含めた3本の研究論文が選ばれ、本年3月6日にオンラインでシンポジウムが開催されました。今般、経済学部掛川准教授も招待を受け、研究発表を行いました。

同シンポジウムでは、フィリピン大学(バギオ校)教授(政治学)によるバギオ市の最近の深刻な水不足の問題についての発表、続いてインドネシア環境森林省職員によるジャカルタの都市間ネットワークを使った気候変動への対策の進捗についての発表があり、その後、掛川准教授は、「持続可能な気候変動適応を進める為の政府開発援助(ODA)の役割:ベトナムにおける日本のODAの事例」と題して発表しました。発表の中で、ベトナムにおける日本の気候変動適応の協力は、インフラ建設による適応策と技術協力(研修)を主体としてきたが、コミュニティに焦点を当てた生態系サービスを活用したアプローチ(Nature-based approach)も有効な手段である可能性があることを示唆し、今後、日本及びパートナー国は、生態系サービスを活用したアプローチを、ODAプロジェクトの中に、もっと積極的に取り入れていくことを検討していくのが良いのではないかとの提案を行いました。

本シンポジウム終了後、掛川准教授は、「気候変動の影響により、ODAのあり方や協力の仕方、アプローチが、国際的に変わりつつあります。現地のコミュニティが、容易に且つ迅速に行動を取ることができ、草の根レベルで気候変動に適応していく力をつけ、持続性を保てるプロジェクト、特に生態系サービスを活用したアプローチを積極的に使うプロジェクトを後押しできるよう、研究を進めていきたいと思います」と語りました。
ページ公開日:2023年04月13日