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2024年05月14日

法学部の岡部史信教授のインタビュー記事がスペインの新聞「El Confidencial」に掲載されました

本学法学部の岡部史信教授のインタビュー記事が、スペインの新聞「El Confidencial(2024年5月5日)」に掲載されました。

OECD(経済協力開発機構)は、日本人の平均睡眠時間がOECD加盟国で最も短く、このことが日本人の心身や労働生産性に悪影響を及ぼしている可能性が高いとの報告を公表しました。この報告を踏まえ、スペイン人ジャーナリストであるジョセフ・ソラーノ(Josep Solano)氏から、①日本人の睡眠不足の原因は文化習慣や生活様式に根差しているといえるか、②日本人の意識のなかで本質的な意味での「休息」の取得が過小評価されているのはなぜか、③労働に関する法や政策は労働者の休息権についてどのような意識と方向性を見据えているのか等について、専門家の岡部教授に取材依頼がありました。

これら一連の質問に対して、岡部教授は次のような趣旨で回答しています。
①日本人の生活習慣や行動様式には古くから「眠ることは怠惰である」とする価値観がある。例えば、日本語では「寝ないで働く」という表現は、「なにかの罰を受けている」などの意味ではなく、「勤勉である」という意味やニュアンスで使われている。
➁このような習慣から、日本人は、昔から「寝る」ということは「怠けている」という感覚を持っていて、むしろ「眠らない」ということに「勤勉さ」や「真面目さ」を感じている。
③残念ながら、日本の労働法制度では、本質的な意味で「休息が人権の保障」であるという認識に基づいた仕組みが想定されておらず、労働者の休息を権利とする考え方が極めて希薄な内容となっている。このため、各企業では、業務の都合や景気動向次第で、いつでも労働時間を引きのばす業務命令を出すことができ、かつその命令に従わない労働者を懲戒処分その他不利な待遇を与えることが比較的容易に行えるようになっている。したがって、労働者は、休憩、休日、休暇の取得を手控える行動を取ることが多く、必然的に睡眠時間も短くなっている。
 

※インタビュー記事全文は下記よりご覧いただけます(スペイン語のみ)。

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ページ公開日:2024年05月14日