「⼤学と地域の脱炭素化に向けて」をテーマに、第4回SDGs対話・ネットワーキング会合を開催 ― 大学生と実務家・専門家との対話の場を高校生にも拡大

SDGsを推進する本学では、2024年12月15日(日)、「⼤学と地域の脱炭素化に向けて」とのテーマのもと、本学キャンパスに、環境、気候変動、持続可能なビジネスなどの分野でSDGs達成に向けて取り組む実践者10名(ビジネスの実務者、専門家、研究者等)を招き、第4回目となる「SDGs達成に向けた実践者と学生・教員の対話・ネットワーキング会合」を開催しました。

本企画は、本学学生のSDGsに関する活動や研究に対して、学外の実践者からフィードバックをいただくなど分野を超えた対話を行い、人的ネットワークを広げるとともに研究や活動の充実に繋げることを目的にしています。今回は、2050年に向けた本学と地域の脱炭素化を目指して取り組む研究や活動の発表が中心となりました。また、今回、本学の高大連携協定校の一つである郁文館グローバル高校から、初めて高校生と教員のオブザーバー参加があり、高校生を含めたより多様なステークホルダーとともに脱炭素化に向けた連帯を深める場となりました。

開会式では、本学を代表して、玉井秀樹副学長が参加者全員を歓迎しつつ、本学が2021年から実施している中長期計画グランドデザインの戦略の1つに含まれる「SDGs」の意義を説明し、本企画が「グランドデザイン」に位置付けられた重要な活動であることを述べました。また、昨今の分断と危機の時代にこそ、本学が掲げている「価値創造を実践する世界市民」の輩出が求められることを強調し、参加学生のさらなる学びと成長に期待を寄せました。

続いて、本企画を中心的に担当する掛川三千代教授(経済学部)から参加者紹介および概要説明があり、本会合での成果や学生の活動は、結果的には、八王子市、東京都、日本政府をはじめとする2050年カーボンニュートラルの目標達成に貢献していくものであることを強調しました。その後、下記の3つの研究グループに分かれ、学生による発表と実践者を交えてのディスカッションを行い、活動の改善を目指した活発な意見交換を行いました。
 ・【1G】学生団体が作製するTシャツを環境に配慮したTシャツに
 ・【2G】創価大学内での規格外野菜販売
 ・【3G】八王子市におけるバス利用に影響を与える要因の検証


午後セッションの冒頭では、2つの特別講演が行われました。まず、The Inoue Brothers設立者の井上聡氏が「ファッションで社会を変える:環境と地域の人に優しいソーシャルビジネスの実践」と題し、持続可能なビジネス、一緒に働く人やパートナーを大切にするビジネスの実践を根本にした「ソーシャルビジネスデザイナー」としてのこれまでの歩みを紹介。いま私たちが直面している社会の不平等、格差、気候変動、戦争という課題に対して、特に若者世代が中心となり、皆で社会変革を起こしていくことの重要性などについて語りました。続いて、本学の井田旬一SDGs推進センター長(理工学部教授)が、「創価大学のカーボンニュートラル実現に向けた現状と、今後の展望:SCOPE3の排出量削減対策」と題して、本学での温室効果ガス排出量の現状を共有しつつ、2050年のカーボンニュートラルに向けたSCOPE1、2、3における今後の取組等について発表があり、特にSCOPE3の大学から出る廃棄物の削減については、学生と教職員が一体となって資源循環の仕組を作り、実施していく必要性を述べました。


その後、学生は、再度、テーマごとのグループに分かれ、午前セッションとは異なる専門家と共にさらなる意見交換を行い、課題解決に向けて活発にディスカッションしました。参加者全員での交流会も行われ、本学学生と専門家間での対話のみならず、初めて来学した高校生たちも、本学学生、専門家、教員等と活発に意見交換をしたり、高校生からの質問に対してアドバイスをしたりする本学の学生等もおり、活発で和やかな交流が行われました。学生たちが、専門家に将来のキャリアを相談し、専門家からは社会が求める人材像などを学生に助言する場面もありました。


閉会式では、専門家全員からフィードバックをいただき、「学生の皆さんが自ら社会課題の解決策を提案し、社会を変えていこうとしている真剣さに感銘を受けました。また、そのためのネットワークを構築していることが素晴らしい」、「学生たちの新鮮なアイデアを聞き、仕事でサステナビリティを推進するうえで、多くの刺激をもらった」、「世界を変えるのは専門家ではなく若者だと確信しているので、今後も自信を持って取り組みを続けていただきたい」などのコメントがありました。


対話会合を担当した掛川教授は、「今回は、初めて高校生の参加があり、グループごとのセッションでも、高校生を含めてより活発な意見交換となりました。授業で学んだことを活かしながら、まずは自分たちのキャンパスと地域でカーボンニュートラルを達成できるよう、皆で一体となって頑張っていきます。また、専門家の方々からは貴重な助言を多く頂きましたので、学生の活動や研究に、より磨きがかかり、確実に社会実装していけるよう、今後も頑張ってまいります」と語りました。

参加した学生からは次のような声が寄せられました。
 ・この一日で多様なバックグラウンドを持つ方々とお話することでき、多角的な視点からカーボンニュートラルの理解を深めることができました。
 ・学生の視点にはない専門家ならではのアドバイスは、大変貴重で、ありがたいです。今後の研究や活動に向けて、大きく背中を押していただけたと感じました。
 ・参加者の皆さんが、高校生の私にも気さくに話かけてくだるとともに、色々な質問にも丁寧に答えていただき、心温まる充実した一日となりました。

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