創価大学学習におけるAI利活用に関する基本方針
近年、AI技術は急速に発展しており、学習におけるAI利活用についても、賛否両論、様々な意見が存在します。しかし、新たなテクノロジーが社会に浸透していくことは時代の必然であり、近い将来、AIの生成物を利活用することが一般的になることが予測されます。
「創造的人間」の育成を目指す本学では、学生の主体的な学びを重視しており、学生によるAIの利活用についても、あくまでも主体的な学びを一層促進する方向での利用が原則です。また、本学全体としては、教育・研究・社会貢献の各分野において、適切な範囲でAIを利活用し、教育の質の向上、研究の推進、社会との連携強化を目指します。
学生の皆さんには、AIを利活用することが不可避となるであろう未来を見据え、その仕組みや使い方を理解し、利用上の注意点を把握することが必要です。生成AIは、学習や研究を強力に支援するツールとなり得る一方で、倫理的な課題も伴います。そこで、本学は、学生が学習活動において生成AIを利用する際に留意すべき事項をガイドラインとして提示します。学生の皆さんは、本ガイドラインを遵守し、責任ある生成AIの利用を心がけてください。特に、授業課題やレポート作成においては、シラバスや授業で担当教員の指示がある場合はそれに従って適切に利用してください。
重要な点として、AIを、自らの考えを発展させるための情報活用ツールとして使うことは構いませんが、取得情報をそのまま自らの学習成果として活用してはいけません。AIはあくまでも情報提供やアイデアの触発を目的としたツールであり、自身の思考力、創造力、批判的思考力を育成することが学習の本質であることを忘れないでください。
創価大学 学習におけるAI利活用ガイドライン
1. 基本原則
- 教員の指示がある場合を除き、試験、小テストでの利用については,取得情報をそのまま活用することは禁止します。レポートでの利用については、取得した情報を利活用し,自らの考えを展開するのであれば利用は可としますが、取得情報をそのまま利用するのは禁止します。
- 他者の著作権を侵害する行為、個人情報や機密情報の入力、生成AIが生成した情報の事実確認を行わずに使用する行為は禁止します。
- 生成AIの利用の可否が不明な場合は教員に相談し、指示に従うようにしてください。
2. 学習ツールとしての利活用
- アイデア出し、構成作成、要約、翻訳、複雑な概念の理解を助ける解説生成、プログラミング学習(デバッグ、基礎知識習得)など、学習ツールとして生成AIを利活用することは可能ですが、利用の可否や明示方法については担当教員の個別の指示に従ってください。
- 生成AIの利用は学習プロセスの一環であり、成果物の評価はあくまでも内容の質に基づいて行われることを理解してください。
- 学生同士の相互評価や教員からのフィードバックを積極的に利活用し、自身の学びが深まるような適切な活用を心がけてください。
3. 情報の正確性・信頼性
- 生成AIが生成する情報は必ずしも正確ではなく、また先入観、認識の歪みや思考の偏り(バイアス)が含まれる可能性があるため、内容を鵜呑みにせず、複数の情報源で事実確認を行ってください。
- 情報の出典を明記し、信頼性の高い情報であることを示してください。
4. 著作権・引用
- 生成AIが生成した文章や画像などを利用する際は著作権に十分注意し、可能な場合は引用・参考文献表示を行うようにしてください。
- 生成AIサービスの利用規約を確認し、著作権に関する条項を遵守してください。
- 生成AIによって生成されたコンテンツをそのまま自身の成果物としないでください。
- レポートなどに生成AIを利用した場合は、利用した旨、レポートにおける利用箇所、利用した生成AIの種類(Gemini、Copilotなど)を必ず明記してください。
5. 個人情報・機密情報
- 個人情報や機密情報を生成AIに入力しないでください。
- 生成AIサービスのプライバシーポリシーを確認し、個人情報保護に配慮してください。
創価大学学長 鈴木 美華