本学文学研究科・博士後期課程の学生の論文が哲学分野の代表的な学術誌である『哲学』に掲載されました
文学研究科人文学専修哲学・歴史学専攻博士後期課程の清田俊介さんの論文「クワイン真理論はデフレ主義か―性質インフレ主義としてのクワイン真理論」が哲学分野の代表的な学術誌である『哲学』(日本哲学会の研究誌)に掲載されました。
「真理とは何か」という問いは西洋哲学において常に重要な課題として様々に議論されてきました。その中で近年伝統的に真理概念が果たすと思われてきた理論的な役割を極小化することを試みる「デフレ主義」と呼ばれる考えが提示され、このデフレ主義的な真理の理解を巡って、様々に議論がなされています。
20世紀を代表するアメリカの哲学者W.O.クワインはしばしばこのデフレ主義の代表者としてみなされてきましたが、清田さんはクワイン原典の精読と現代の精緻な真理分析の知見を丁寧に突き合わせることによって、実はクワインはある重要な面においてデフレ主義者とは見なせないとの新たな解釈を本論文で提示しています。清田さんの論文は、クワイン解釈だけにとどまらない、新たな真理論構築への可能性をも示唆する内容になっています。
清田さんは、「本論分の執筆にあたり、本学の蝶名林亮先生、藏田伸雄先生から貴重なコメントをいただいたことで、非常に大きな励みになると同時に、論文をより良いものにすることができました。また、昨年学内の哲学関係の大学院生や教員を中心にして開催されたwork in progress seminarにおいても参加者の皆様と有意義なディスカッションをすることができ、本論文のブラッシュアップに繋がりました。こうした関係者の皆様と、いつも支えてくれている家族に心から感謝をいたします。今後も真摯に研究に取り組んでまいります。」と述べました。