2023年01月05日

プランクトン工学研究所が創価大学 重点研究拠点に認定されました

プランクトン工学研究所が2022年12月から202711月までの5年間、創価大学 重点研究拠点に認定されることになりました。
本拠点設立の目的と本拠点が果たす役割は以下の通りです。

 

【拠点の目的】

限られた資源を効率良く使い、循環的な利用を図ることは持続可能な社会形成の第一歩である。自然界では様々な物質が多様な生物の間を循環して安定な生態系が形作られており、絶えず物質は循環してそこには廃棄物は無い。一方、人間社会では不要物は経済的価値が無いものとして廃棄され、自然の浄化作用に委ねるがままにされてきた。このため、人間活動が巨大化して自然の浄化力が追い付かなくなり環境を大きく圧迫する今日では、自然が浄化できない人工物の問題も重なり、循環技術の開発が様々な分野で急務となっている。プランクトン工学はプランクトンが持つ様々な機能を適切に組み合わせて、廃水や廃棄物から有価物を生産したり、環境問題を解決するための技術開発とそれに関連した基礎研究を行う新しい学問分野である。本拠点では、プランクトンという生物群をキーとし、元来不要とされてきた廃棄物等から有価物を取り出し人間社会へと還元する新たな生産システムを駆動することで、循環型社会の構築に寄与する先駆的・先導的研究に取り組み、国際共同研究事業のさらなる推進を図り、研究活動を通じて国際的視野を有する若手研究人材の持続的育成を行うことを目的とする。

 

【拠点の目指す役割】

  1. プランクトン工学分野の研究推進と発展

 プランクトン工学は新しい学問分野であり、学際的な研究領域である。幅広いテーマの研究者が協働することで、多面的・俯瞰的に研究の方向性を展望し、中長期的な視野の下で当該分野を推進・発展させる場としての役割を目指す。

  1. 国際共同研究事業の推進

本拠点では、プンランクトンの機能を利用した環境問題や食糧問題の解決に資する研究への取り組みを通して新しい循環型社会の構築に寄与することを目指している。そのためには、SATREPS等の事業による技術シーズの実践的な応用展開が不可欠であり、国際共同研究事業の推進を行う。特に、微細藻類や光合成細菌等の有価物生産の鍵となる光合成能を持つプランクトン群の機能が効果的に働く、太陽光が豊富で温暖な“サンベルト地域”での展開を軸に進めていく。

  1. 若手研究人材の持続的育成

 国際共同研究事業へ大学院生や助教等の若手研究者の参画を促し、現地パートナー機関への派遣や相手国若手研究者の受入れ等を積極的に行うことで、国際的視野を有する人材育成を行う。また、現在エチオピアでのSATREPS事業の中で、若手研究者(助教、PD、大学院生を含む)が研究について活発に議論を行う“若手の会”を設けているが、これを本拠点の範囲に拡大し、若手研究者育成の場とする。

ページ公開日:2023年01月05日