理工学研究科西山研究室の学生2名が「ICST2024」にてStudent Awardを受賞
理工学研究科 博士前期課程 情報システム工学専攻2年の中村優奈さん、Kang Dowonさんが、17th International Conference on Sensing Technology (ICST2024)にてBest Student Paper Award、Best Student Presentation Awardをそれぞれ受賞しました。
ICST2024は、最新のセンサ技術の研究成果や応用に関する発表と議論の場を提供する国際会議で、本会議は、IEEEによって主催されており、センサ技術における革新的な研究を共有し、国際的な交流を促進することを目的としています。また、提出された論文は厳正な査読を受け、質と独創性を基に採択が決定されています。採択された論文は、会議論文集として出版され、IEEE Xploreでの掲載が予定されています。今年のICSTは、2024年12月10日から13日までの4日間、オーストラリアのシドニーで開催され、学生からは計67件の発表がありました。
Student Paper Awardを受賞した中村さんは、CO2の排出しないエネルギーとして注目されている水素を安全に検知できるセンサの開発について発表をしました。水素センサの濃度検出を行う際に問題となる、ヒステリシスについて、水素感受膜の物性に着目してリアルタイム応答から定量的に示しました。
Title: 「Evaluating Hysteresis and Time-Response in Palladium Nanoparticle-Based Hetero-Core Fiber Optic Hydrogen Sensors」
Student Presentation Awardを受賞したKangさんは、西山研究室で用いられる基本的なヘテロコア光ファイバSPR屈折率センサから酸化グラフェンを用いて感度の上げる構造を提案、従来のヘテロコア光ファイバSPRセンサへの適用し、感度が上げられる可能性を示唆しました。
Title: 「Evaluation of Refractive Index Characteristic of Fiber Optic SPR Sensor Deposited with Graphene Oxide」
受賞した中村さんは、「今回の受賞は、これまで研究室の仲間や教授との議論で培われた力によって得られた結果であると感じています。英語が得意ではない私に対し、国際会議に向けた指導をしてくださった先輩方や教授のご支援に深く感謝しております。学会期間中は、日本だけでなく海外の研究者とも交流する機会を得られ、語学力だけでなく、研究内容に関する知識や見識も大いに向上しました。このような貴重な経験を、研究室の後輩たちに少しでも還元していきたいと考えています。また、これからも自分の研究を続け、微力ながら社会に役立てるよう取り組んでまいります。」
との感想を寄せてくれました。
受賞したKangさんは、「今回の受賞は、有終の美を飾ったと思います。1年半前の初めての国際学会では、緊張して準備したすべてを見せることができませんでした。とても悔しかったです。その後も学会に参加しましたが、オーラル発表の機会はなかなか得られず、一生未練として残るところでした。卒業に向かってる今、再びチャンスが得られ、発表し、受賞できました。約3年間の研究生活で自分の成長が感じられる最高の瞬間でした。しかし、これは私一人で出来たことではなく、研究室のメンバーがいたから得られた結果だと思います。一緒に考察した先輩と同期、基礎的な質問でも遠慮することなく質問してくれた後輩のおかげでより良い研究結果、発表ができました。また、自分が何回も諦めようとする瞬間、隣で励まし、支援してくださった西山道子先生にとても感謝します。」との感想を寄せてくれました。