GCP不合格が私を夢に近づけた!貧困問題にビジネスから挑む、フランス留学で見えた私の道!

目標も夢も、それ実現しようというバイタリティと希望にも溢れ入学した矢富さん。しかし待っていたのは、予想もしなかった現実。「最初からつまづきました。勉強しようと意気込んでいたにもかかわらず、描いていた大学でのプランが最初の段階で崩れ、絶望でした」。本学のオーナーズプログラムであるGCP(グローバル・シティズンシップ・プログラム)が始まったのは、矢富さんが入学した年。GCPは、“地球市民”を育成するプログラムで、授業は全て英語で行われ、論理的思考力、ディスカッションやプレゼンテーション、データ分析の技能も磨け、全員が海外での短期研修に参加します。矢富さんの将来に直結するかのようなプログラムに、希望に胸をふくらませ、挑んだもののGCPの選考で不合格。経済学部の“英語で経済学を学ぶ”IP(インターナショナル・プログラム)で学ぶことに。GCP生に負けない実力をつけようと、悔しさを原動力に変えて努力を続けた矢富さん。不合格の挫折は、“こんな自分でも夢を実現できる!”ことを証明したいとの心意気となり、IP、クラブ活動、留学、ゼミでの経済学の各種大会、就職にと挑戦し続け、“入学前に描いていた夢に、今が一番近い!”と、笑顔で語る矢富さんに話を聞きました。
IP: 4年間の学部教育の中で、経済学部の知識と国際コミュニケーション能力を持った人材を育成するプログラム。留学を目指す学生、語学力と経済学の知識の両方を向上させたい学生、将来国際的な仕事を目指している学生に最適
さまざまなことに挑戦した創価大学の4年間だったようですね。

自分の可能性を大きく開くことのできた、創価大学の4年間であったと思います。創価大学入学時に、1)国連職員になること、2)英語とフランス語をマスターすること、3)経済学を極めることの3つを目標に掲げました。そして、本当に英語とフランス語をマスターし、経済学部の西浦昭雄ゼミで参加した日経BPインター大会で優勝、社会人基礎力の全国大会で準優勝し、世界157カ国に拠点を持つ世界的なコンサルタント会社に就職を決めるなど、想像もしていませんでした。
入学当時よりも、ずっとずっと夢に近づいたと、嬉しい気持ちでいっぱいです。私は、創価大学が提供するIP(インターナショナル・プログラム)、GLC(グローバル・リーダー・カレッジ)、SPACe、や交換留学など、最高にありがたいプログラムの恩恵を存分に享受した一人だと思います。全ての経験を通して学んだことを社会に還元していくことが、私たち創大生の役目です。創立者の池田大作先生が言われた“大学は大学に行けなかった人のためにある”との言葉を噛み締め、ここで付けた力をさらに磨き続けながら、社会でしっかりと力を発揮していきたいと思います。

この4年間の中で大きな影響力となった出来事というと何になりますか?

一つは、入学時にGCP不合格になったことで、もう一つは、フランス留学です。二つとも私にとってかなりの衝撃だったという点で共通しているかと(笑)。
GCPについては、ちょうどスタートの時でもありましたし、1期生となって、夢に向けて大きく力をつけていくんだと、大変な意気込み具合でしたから、不合格だった時のショックはすさまじかったです。GCPが目指す“地球市民”、そしてその力をつけるためのプログラムの素晴らしさ、短期留学も組み込まれている充実具合、全てが私の夢には欠かせませんでした。大げさに聞こえるかもしれませんが、私にとっては大きな“挫折”でした。GCP生たちの勉強量は、傍から見ていてもすさまじく、その姿は自分にとって大変な刺激となりました。お陰で私も、英語で経済学を学ぶ経済学部のIP(インターナショナル・プログラム)に所属し、1年次は1日10時間と、GCP生に負けない位に勉強をすることができましたし、“GCP生でなくても、夢は叶うよ!”と同じようにGCP生になれなかった後輩たちに言ってあげられるように頑張ろうと奮起しました。
二つ目のフランス留学は?

二つ目のフランス留学はというと、とにかく辛かったんです。私は基本的にとてもポジティブな性格です。それまでの創価大学での生活というのは大変に充実したものでした。IPでとことん勉強して、国連研究会というクラブでは、様々な研究を行ったり、ニューヨークの国連本部を訪れたり、GLCでは、将来グロ-バルリーダーを目指す友人たちと共に、考える力や表現力などを磨き、Global Villageではフランス語を学びと、学ぶ喜びと将来への希望に満ちていたんです。それが、フランスでは、これでもかというほどネガティブに陥りました。フランス語でビジネススクールのプログラムを受講する、ただでさえチャレンジングな環境でしたが、それ以上に辛かったのが文化の違いでした。創価大学で、素晴らしい友人たちに囲まれていた自分が、フランスでは、あいさつをしても返してももらえない。超個人主義のフランスでは、人との距離を縮めることがこんなにも難しいのかと、悲しいやら悔しいやら、味わったことがないほどの悪い感情が噴出しました。
創価大学では、“誰かのために”“社会のために”など、自分以外の誰かのため、より大きな理想のためにと、皆志を持っていましたが、特に自分が通っていた大学はビジネススクールであったため、目指すものは資本主義の王道を行くようなきらびやかな社会での成功でした。私の夢は“世界の貧困を解決する”というものです。彼らと話す中で、“自分のように貧困解決をしたい、困っている人を助けたいなんて人は世界の中でごく少数派なのではないか”と考えるようになりました。ショックでしたし、やるせなかったですが、それと共に夢に対しての自分の力のなさも痛感しました。そうして、ある時、“国際協力ではなく、ビジネスから社会問題を解決する道をとらなくては、本当の解決はできないのでは”という思いに至りました。ビジネスを知ることができ、マネジメント能力を身につけられ、国際的な仕事ができるという様々な点を考慮し、最終的にコンサルタントの道を選びました。フランスに行かなければ、進路は違っていたと思います。

留学先での思わぬ副産物とは?

実は、超個人主義の国だったからこそ、克服できたものがありました。それは、私の心の潔癖でした。私は曲がったことが嫌いで、また、悪い感情を持つ自分も他人も許せないというところがありました。ところがフランスには、これまで自分が縁していた人々とは大きく違う価値観や性格を持つ人たちがたくさんいました。日本では、あまり感情のままに話したり、態度に示したりというのはないと思いますが、彼らは言いたい放題ですし、やりたい放題です。もう最初の頃は、“許せない!”という憤慨で一杯になって、常に自分の中で感情が激しく動き回るような状況でした。
そこで、気づいたんです。“これでは、この国ではやっていられないな”と。自分も我慢しないことに決め、気持ちを言うようにしました。ストレスをためずに、感情を出す。そのうち、“人間いろいろ”だと、どんな人でも大きな気持ちで受け入れられるようになりました。これは、私にとっては非常に大きな変化でした。そういう自分でなければ、グローバル企業で、なおかつコンサルタントとして働くなんてできなかったのだと思います。就職活動の中で、多くの面接を経験しましたが、その中で、一番評価してもらえたのが、コミュニケーション力でした。かなりの荒療治ではありましたが、フランスで身に付けざるをえなかった処世術が活かされたのだと思います(笑)。また、GLC(グローバル・リーダー・カレッジ)でのコミュニケーション力や表現力などの講座も大変に力になりました。

大学が提供するプログラムを存分に活用されたとのことですが、後輩たちに活用のアドバイスをお願いします。

特に1、2年生の時には、IPと語学の勉強で10時間位勉強していました。朝は5時頃起き課題を片付け、8時に大学へ行き英語の勉強をしました。空きコマは全て勉強時間に充て、WLC(ワールド・ランゲージ・センター)のEnglish Forumには週3回通って英会話に励みました。クラブ活動等で忙しいときには帰宅後0時を回っても自分に課した勉強が終わらないこともしばしばありました。眠い目をこすりながら必死にかじりつくようにして英語を勉強した結果、入学当初のTOEFL-ITPは460点でしたが、1年生の終わりには533点まで挙がっていました。また、この英語学習と同時にフランス語も学びました。IPのカリキュラムのハードさから第二言語の学習については教授からの反対もありましたが、フランス語をマスターすることは英語の習得と合わせて私の入学時の目標でしたので、やりました(笑)。週2回Global Villageという留学生からフランス語を教えてもらえるラウンジに足を運び、また夏休みには一人で1ヶ月間フランスに滞在し、体当たりでフランス語を学びました。その結果、パリへの交換留学を勝ち取り、現在はDELF B2というフランス語検定準1級に相当する資格を獲得することもできました。
2年生からは、IPに加え国際連合研究会というクラブでの研究活動に積極的に携わり、ニューヨークの国連本部にも行きました。国連職員の方々の話を直接聞けたことは、自分の将来を考える上で大変に勉強になりました。また、2年執行として部の渉外を担い、他団体やOBOGの方とイベントを企画する中で、コミュニケーション能力を磨くことができました。私の人生を大きく飛躍させてくれたGLC(グローバル・リーダー・カレッジ)で、論理的思考力やプレゼンテーション力などのスキルを磨くことができたことは大変に財産でした。例えば、“結論ファーストでコミュニケーションを取る”“新聞を読む際には事実と意見を分けて読む”など、学んだことはすぐに実践しました。そして何より、このGLCでグローバルリーダーとしての精神を徹底的に打ち込んでいただいたことで、全ての挑戦に負けずに臨めたのだと感じており、感謝の思いでいっぱいです。

最後に一言どうぞ。

私の強みは、モチベーションの源泉がたくさんあることでした。こうして大学で学べるように支えてくれた家族、大学入学時に決めた4年間での達成目標、貧困解決という大きな夢、支えてくれた教授や先輩、同期、後輩。応えたいとの思いが常に前へ前へと自分を進ませてくれました。また夢が大きい分、少しでも早く成長し、多くの人を助けられる力をつけなくてはと成長意欲がすごいです。そういう自分であり続けられたのも、しっかりと夢に近づいたと実感できる力を付けさせてくれたのも、この創価大学が与えてくれた数々のチャンスとプログラムのお陰であったと思います。どうか後輩の皆さんには、またこれから創価大学で学ばれる皆さんには、思う存分活用していただき、大きく自身の可能性と夢を広げていただければと思います!私も社会でしっかりと力を付け、大きな夢に向かって挑戦し続けていきます!
[好きな言葉]
「不可能は臆病者の言い訳である」(ナポレオン)、「君よ、思うように行かぬ一日一日も忍耐で乗り越えよ。そこに勝利者の条件があることを忘れまい」(創立者・池田大作)
[性格]
外交的、好奇心旺盛、負けず嫌い
[趣味]
人と話すこと、旅行、洋画鑑賞
[最近読んだ本]
マーク・トウェイン著『人間とは何か