チアリーディングの2つの大会で世界一に。最高峰の舞台で届けた感動と感謝
丹羽義彦(にわよしひこ) 文学部 人間学科4年
柴田丈(しばたたける) 文学部 人間学科4年
竹内碧海(たけうちあおみ) 看護学部 看護学科2年
大谷晏生(おおたにはるき) 経済学部 経済学科2年
西田一花(にしだいちか)文学部 人間学科2年
野村咲翔(のむらさくと) 教育学部 教育学科2年
今年4月、米フロリダ州で行われたダンスの2つの世界大会に本学の学生が日本代表として出場し、「THE DANCE WORLDS 2025」オープン男女混成ヒップホップ部門、「2025 ICU世界チアリーディング選手権大会」ダブルス・ヒップホップ部門で、それぞれ金メダルを獲得しました。世界一の栄冠を手にしたメンバーに、優勝の喜びや学業との両立などについてお話を聞きました。
今回金メダルを獲得した2つの大会は、どのような大会ですか?
丹羽:どちらもチアリーディング・ダンスの世界大会で、THE DANCE WORLDS(以下、WORLDS)はクラブチームの世界一を決める大会、ICU世界チアリーディング選手権(以下、ICU)は国別対抗の世界大会です。WORLDSのオープン男女混成ヒップホップ部門は16~24人の男女混成チーム、ICUのダブルス・ヒップホップ部門は2人一組のペアで、ヒップホップダンスの技術や表現力を競います。今年のWORLDSには僕たちが所属するダンスチーム「WORLD WINGS 2WDC」(以下、2WDC)が出場し、ICUには僕と柴田のペアが2年連続で出場しました。
WORLDSはチームでの演技ですが、大人数でのダンスの難しさ、楽しさはどんなところにありますか?
丹羽:難しかったのは、年齢も体格も技術も異なるメンバーが、同じ目標に向かって練習し続け、動きも心も一つにしていくことです。チーム全体の調和が審査のポイントになるので、それぞれが自分のダンスの個性を抑えて動きを合わせ、フォーメーションがきれいに見えるように10㎝単位で位置を調整していくのは、とにかく大変でした。4つの曲を組み合わせた構成だったので、それぞれの曲調に合わせて表情も統一し、心の調和も追求しました。人数が多いからこその苦労はありますが、全員の思いが本当に一つになった瞬間、観客やジャッジ(審査員)にバーン!とものすごく大きなインパクトを与えることができる。それは、チーム戦にしかない魅力だと思います。
竹内:男女混成チームの中で、特に私は身長が152㎝と小さいので、周りと振りをそろえるために「もうちょっと高く」と言われることもありました。振り付けにはアクロバットが多く、体力的にもしんどかったですね。ただ、ダンスを始めた中学時代から、大きく見せるためにはどう動けばいいのかを自主練習で積み重ねてきたので、その練習を生かして取り組むことができました。

チーム一丸となって金メダルを獲った時の気持ちをお聞かせください。
丹羽:とにかく心の底からうれしかったです。同時に「この1年間練習してきて本当に良かった」と強く感じました。4日間の大会期間中も、毎日のように振り付けや構成に細かな変更があり、その度にメンバー全員で練習を重ねて対応しました。最後の演技では全員が集中して一体感のあるパフォーマンスを披露することができ、「これが世界一の演技だ」と確信を持って言える出来だったと思います。メンバーだけでなく、監督、コーチ、支えてくださった方々のパワーがあったからこそ獲れた金メダルで、全員の努力が報われた瞬間でした。
野村:結果発表は下位から順番に呼ばれていくのですが、最後にイングランドと僕たちの2チームだけが残った時の緊張感は本当にすごくて、みんなと手を繋いで祈っていました。その緊張感が強かった分、「ジャパン!」と呼ばれた瞬間、安堵と喜びでいっぱいでした。チームの練習拠点は大阪で、僕たちは“東京組”としてお互いに意見を言い合いながら支え合って練習してきました。常に隣に切磋琢磨し合える仲間がいる安心感が心の支えになり、大きな力をもらいました。
竹内:本当にうれしいという気持ちと、安心が大きかったですね。私たちのチームはWORLDSの直前にICUにも出場していて、そちらでは銀メダルだったんです。もちろん銀メダルもうれしかったのですが、やっぱり悔しくて……。その思いをすべてWORLDSの演技にぶつけられたと思います。両親や支えてくださった方に、金と銀2つのメダルを見せることができて、とてもうれしかったです。
大谷:自分の今までの頑張りが報われた喜び以上に、さまざまな形でサポートしてくださったみなさんの支えに報いることができて、心の底からよかったなと思いました。チームの一人一人が、誰かと比べるのではなく、自分の限界を超えることを目標としていたからこそ、丹羽さんがおっしゃっていた「思いを届ける力」がほかのチームを上回り、金メダルに繋がったんだと思います。

丹羽さんと柴田さんは、ICUのダブルス・ヒップホップ部門で、昨年の銀メダルに続き今年は金メダルを獲得しました。その時の気持ちをお聞かせください。
柴田:去年金メダルと獲ったタイのペアが今年も出場していたので、お互いに成長した姿を見せ合った上でリベンジできたのはうれしかったですね。結果が発表された瞬間、タイの2人に「Congratulation!」と声を掛けられ、僕たちも同じ言葉を返しました。そういう心の交流をしっかりと持ちながら1位を獲ることができたことに感動しました。
丹羽:初出場だった去年は、緊張で何もできなくて「緊張しか勝たん」という感じだったのですが(笑)、今年は柴田と本当に楽しんで、「ダンスとは本来楽しいものなんだ」という想いをジャッジや観客のみなさんにしっかり伝えることができました。もう一つ去年と違ったのは、2WDCのメンバーや他部門の日本代表選手が、客席で応援してくれたことですね。目の前に創大の後輩たちや大切な仲間がいたことが、僕たちの一番の力になりました。

後輩のみなさんは、2人のダブルスの演技を見ていかがでしたか?
野村:ヨシさん(丹羽)とタケルさん(柴田)は、僕たち3人が高校時代から踊っている姿を見てきた憧れの先輩なんです。今回の演技は、見ている僕も一緒に踊りたくなるワクワクする演技で、本当に2人の個性、2人らしさが200%出ていてかっこよかったです。
竹内:日本での練習している姿も見ていましたが、本番の演技は伝わってくるものが違いました。応援している私たちが、逆に2人に勇気をもらって、頑張ろうという気持ちがわいてくるような演技でした。感動しました。
大谷:僕も観客としてすごく心が躍りました。2人が魂を込めて演技を自分たちのものに仕上げたことが伝わってきて、僕は2人と同じチームに所属していることがすごく誇らしかったです。同時に、僕たちもこういう演技をしなきゃいけないなと再確認しました。
2年生の3人は、大学入学で大きく環境が変わった1年でした。学業と両立しながら世界一になれた原動力は何でしょうか?
大谷:大学では英語力を上げたいと決めていたので、経済学部のインターナショナル・プログラムを受講しています。たくさん課題がありますが、課題は出された当日に必ず終わらせて、土日は練習に集中していました。親元を離れて1人で生活する難しさも感じましたが、自分を信じ続けてくれている家族や仲間を裏切りたくないという思いが支えになりました。
野村:僕が2WDCに入ったのは大学1年の5月で、実は4月までは入団を半分諦めていたので、入学直後にいろいろな学生団体やサークルに入ったんです。でも5月に2WDCに入ることが決まり、勉強・諸活動・ダンスの3つに取り組むことになった時は、さすがに大変でした。ただ「入った以上、手は抜かれへんな」という気持ちが強く、3つとも全力でできたのは、これからの人生に役立ついい経験になったと思います。
竹内:1年時の春は、大学生活も一人暮らしも始まったばかりで、授業も家事も全部しっかりやらなければいけない、という意識で戸惑った時もありました。ただ、チームの合同練習で月2回は大阪に帰っていたので、その時に実家で母の手料理を食べたり、家族と話したりすることがいい気分転換になり、乗り越えることができました。

創価大学をめざす後輩たちにメッセージをお願いします。
大谷:高校でダンスを始めて以来、世界の舞台に立ちたい、自分を支えてくれる方に恩返しがしたいという目標と目的がありました。創大には頑張っていることを応援し合う雰囲気があり、その支え合いや繋がりが、目標に向かう自分の背中を押してくれたと感じています。目標と目的があれば、創大でできないことはないと伝えたいです。
竹内:大学では、勉強や生活の不安を相談できるアドバイザーの先生や、やさしい友人たちに支えられ、自分自身の人間性も磨かれているように思います。今回ダンスで世界一になれたことで「やりたいことを応援してくれるのが創大だ」と身をもって感じることができました。それをぜひ後輩のみなさんにも感じてほしいです。
野村:英語教師を目指して教育学部で学んでいますが、創大は留学生も多く、英語や国際感覚を学ぶ環境が整っていると感じています。大学生活をただ楽しく過ごすだけで終わらせたくない、本気で何かに挑戦したい、自分を人間として成長させたいという人には、創大が向いていると思います。
柴田:2年生の3人が言ってくれたように、何かに挑戦したい、夢や目標に向かって頑張りたいという学生を応援してくれるのが創大の環境です。それだけでなく、夢や目標がなくても、それを見つけられるようサポートしてくれるのが、この大学の素敵なところだと思ってます。4年生になり、「どこまでも人を大切にする」というところが創大の魅力だとあらためて感じています。
丹羽:創大は自由にのびのびと過ごせる大学です。私も友人たちも、勉強、部活動、サークル、課外活動などそれぞれが好きなことに挑戦し、充実した学生生活を送っています。また、多様なバックグラウンドやカルチャーを持つ学生が集まっているところも魅力です。ぜひ創大で異なる価値観を持つ一生の仲間と出会ってほしいです。それから、2WDCにも創大の仲間が増えてくれたらうれしいですね。ダンスに取り組んでいる高校生のみなさん、私たちと一緒に世界一を目指しませんか? みなさんにお会いできる日を楽しみにしています!

<文学部 人間学科>
丹羽義彦
Niwa Yoshihiko
- 【好きな言葉】人と違うことを恐れず、自分のやりたいことを貫くのが本当の強さ
【性格】ESFP(エンターテイナー型)
【趣味】Outfit Ideas、料理、自然
【最近読んだ本】覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰/池田貴将 訳
<文学部 人間学科>
柴田丈
Shibata Takeru
- 【好きな言葉】青春乱舞、勇舞
【性格】ENFJ
【趣味】ダンス、映画鑑賞、バイク
【最近読んだ本】天才はみんな「鈍感」さん ありのままの私を大切にした偉人の話/ライフハックアニメーション
<看護学部 看護学科>
竹内碧海
Aomi Takeuchi
- 【好きな言葉】建設は死闘 破壊は一瞬
【性格】冷静、芯が強い、気まぐれ、効率主義
【趣味】読書、寝ること
【最近読んだ本】ママがもうこの世界にいなくても/遠藤和、ぎょらん/町田そのこ
<経済学部 経済学科>
大谷晏生
Haruki Otani
- 【好きな言葉】誰よりも苦しんだ人は誰よりも人の心がわかる人になる
【性格】冷静でマイペースな負けず嫌い
【趣味】散歩、読書
【最近読んだ本】spring/恩田陸
<文学部 人間学科>
西田一花
Nishida Ichika
- 【好きな言葉】やらない後悔よりやって大成功
【性格】八方美人ズボラ心配性女
【趣味】食べること、部屋を可愛くすること、自分磨き
【最近読んだ本】100年後にはみんな死んでるから気にしないことにした/なおにゃん
<教育学部 教育学科>
野村咲翔
Sakuto Nomura
- 【好きな言葉】苦しみを楽しみに困難を飛躍の力に。
【性格】とにかく元気に明るく!!ポジティブ!!
【趣味】ダンス、音楽を聞くこと
【最近読んだ本】人間標本/湊かなえ