人間主義経営の実践を語る 元パナソニック副社長・高見和徳氏による特別講義

5月1日、創価大学経営学部「人間主義経営演習(2年生対象)」の授業にて、元パナソニック代表取締役副社長であり本学卒業生の高見和徳氏を迎え、特別講義が行われました。高見氏は、松下冷機株式会社にて、冷蔵庫事業部の最年少事業部長として赤字事業の再建を主導し、後にパナソニック株式会社アプライアンス社社長として5万人の組織統合を進めたご経験をもとに、「人間主義経営の実践」について語られました。

 

創立者の理念に立ち返り、自ら考え行動する

高見氏は、赤字だった冷蔵庫事業の再建に際し、「創立者ならどうするか」と自問しつつ、消費者ニーズを徹底的に調査し、商品開発を根本から見直しました。また、工場閉鎖に伴って発生した離職者全員に対して再就職支援を実行されたことも紹介されました。社名変更に際し、テレビCMやイメージソング、カタログの刷新など、多様な手段を駆使して変化を社内外に浸透させた経験についても語られました。

 

経営理念と学生へのメッセージ

高見氏は、パナソニック創業者・松下幸之助氏が提唱した「企業は社会の公器」「お客様第一」「日に新た」という経営理念を紹介し、「管理職は“偉くなる”ことではなく、責任を負うこと」と強調。また、学生に向けては、読書や議論の習慣、留学や人脈づくりなど、社会人になる前に身につけてほしい素養について語られました。

質疑応答では、「目標は常に見直しが必要。すんなり達成できるものではない」「いい上司は部下を鍛える人、いい部下は正直でごまかさない人」など、具体的で温かみのある回答をいただきました。また、「新しい人を信用するには、徹底的にコミュニケーションし、相手の良さを見つけ、何度も対話を重ねることが大切」と述べられ、信頼関係構築の姿勢が示されました。

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