文学部

理念・目的

文学部人間学科は、本学の建学の精神と文学部の三指針「生命の尊厳の探究者たれ」「人類を結ぶ世界市民たれ」「人間主義の勝利の指導者たれ」を学部教育の理念として、各界・各分野で本格的に活躍できる創造的人間の育成を目的としています。

教育目標

本学部の理念・目的を達成するために、本学部は、言語・人文・社会にわたる人間の広範な文化活動を深く学び研究することをとおして、学生が以下のディプロマ・ポリシーに示すような知識と技能、思考力・判断力・表現力等の汎用的能力、および世界市民としての資質と自律的学修者の態度を十分に身につけることを教育目標としています。
ディプロマ・ポリシー
本学部の理念・目的と教育目標に基づき、以下に示す知識と技能、汎用的能力、および資質と態度の各ラーニング・アウトカムズ(学習成果)を身につけた人に学位を授与します。
 
  1. 人間と社会と文化に関する基礎的教養と専門的学術を修得し、諸事象を精確に理解し、鑑賞し、評価することができる。
  2. 母語および外国語を用いて、的確で豊かな自己表現とコミュニケーションを行うことができる。
  3. 基礎的・専門的学知に基づいて、新しい知識と表現を創造することができる。
  4. 論理的に思考し、適切な方法で情報の取得と処理を行い、物事の的確な判断ができる。
  5. 文化の多様性を尊重しつつ、世界市民として、生命の尊厳と平和を志向する。
  6. 学ぶことの意味を理解し、自律的学修者として、目標をもって自己の成長を図る。
  7. 人間主義の社会に向かって、他者と協力する姿勢やリーダーシップを発揮する。

具体的な学位授与方針としては、上記7項目のうち、当該科目がシラバス上にラーニング・アウトカムズとして明示する項目について、ルーブリック(別に定める評価基準表)評価が一定の評点に達した者で、定められた年限において修得した単位の合計が124以上であり、かつ全修得科目の成績評価の平均(GPA)が2以上の者に卒業を認定し学位を授与します。したがって、上記の条件を満たさない者および在学4年間において修得した単位が40に満たない者は退学を命じます。
カリキュラム・ポリシー
文学部は、ディプロマ・ポリシーに示された知識と技能、思考力・判断力・表現力等の汎用的能力、および世界市民としての資質と自律的学修者の態度を十分に身につけ、一人ひとりが将来の夢を実現できるよう、以下の方針によってカリキュラムを編成しています。
 
  1. 初年次教育の第1として、1年次前期に少人数の演習形式で文学部独自の「基礎ゼミ」(配置は共通科目:必修)を開講し、論理的思考力をはじめとして大学での学修に必要な基礎的なアカデミック・スキルを身につけてもらい、さらに、広く社会に眼を向けて自分のキャリアを展望しながら、本学部でどのように学んでいくのか、自身のための履修コースを自ら設計できるように指導します。具体的には、大学での学びの意味、アカデミック・スキルとは、ノートテーキング、情報収集の方法、リーディングとライティング、プレゼンテーション、ディスカッション、レポートの作法などを身につけるとともに、ポートフォリオを活用しながら自身のキャリア・デザインも進めていきます。初年次教育の第2として、「人間学」(対応する英語トラック科目との選択必修)を開講し、本学科の理念を理解し学んでもらうとともに、言語系・人文系・社会系の3領域にわたる本学科の多様な学問分野を概観しながら、それらが人間研究という共通の幹あるいは根を持つことを理解し、各専門科目の位置づけの明確化と今後の自身の学びの方向づけを促します。初年次教育の第3として、本学部の3領域にわたる学問分野の入門科目(イントロダクトリー)を10科目開講し、今後のより専門的な自身の学びへの導入としてもらいます。
  2. 2年前期に「文学部の学びとライフ・デザイン」(対応する英語トラック科目との選択必修)を開講し、自身の学びの目的をさらに明確にしてもらうとともに、キャリアをはじめとするより具体的なライフ・デザインとその実現のための志向性と知識と技能を修得してもらいます。
  3. 本学部での学びの中で、基礎的な教養とともに、高度の専門的学術を修得できるよう、次の9つのメジャーまたは専修を設けています。①哲学・歴史学メジャー ②表現文化メジャー ③異文化コミュニケーション(英語)メジャー ④異文化コミュニケーション(日本語)メジャー ⑤異文化コミュニケーション(中国語)メジャー ⑥異文化コミュニケーション(ロシア語)メジャー ⑦国際日本学メジャー ⑧社会学メジャー ⑨社会福祉専修。これらの各専門分野の科目を、各メジャー・専修が示す履修モデルを参考に選択・学修し、定められた単位数を修得すれば当該メジャー・専修の修了を認定します。
  4. 在学中を通じてできるだけ体系的な学修ができるよう、各メジャー・専修の専門科目(選択科目)をその専門性の度合いによって「イントロダクトリー」「ベーシック」「アドヴァンスト」の3段階に分けています。そして1年次後期から自分がどのメジャー・専修を専攻するのかを意識しながらその方向づけができるよう、1年次前期の「イントロダクトリー」に加え、「ベーシック」の科目を多く開講していきます。また、2年次以降はこれらに加え、「アドヴァンスト」の科目を順次開講していきます。こうして、全学共通のコアプログラムと合わせて、文学、哲学、思想、歴史、言語、社会、文化などの幅広い分野にわたる基礎的教養とそれらの諸事象を精確に理解し、鑑賞し、評価できる専門的学術を修得できるようにしています。
  5. 本学部のこれまでの言語教育の伝統を活かして、1年次前期から、日本語と英語だけでなく、中国語、ロシア語などの言語系科目を多く開講し、グローバル化に対応できる適切な自己表現と豊かなコミュニケーション力、異文化理解力を修得できるようにしています。
  6. 3年次前期からは、専攻するメジャー・専修に演習(学部必修科目)を開講し、より専門性の深い学修と研究に取り組めるようにしています。学生は演習の履修と同時に、自分の演習が所属するメジャー・専修の登録を行ないます。以後2年間にわたる演習を通じて、適切な方法で情報の取得と処理を行う能力を身につけ、これによって物事の的確な判断ができ、さらにこれまで身につけた基礎的・専門的な知識に基づいて、新しい知識と表現を創造することができる力を養成していきます。
  7. 4年次に卒業論文研究(学部必修科目)を設け、これまでの学修で身につけたアカデミック・スキル、基礎的教養、専門的学術、語学力等を総動員して卒業論文を作成し、この過程でそれらの力をさらに磨いていけるようにしています。
  8. 本学部のカリキュラムは、上級レベルの英語力をもつ学生向けに、HEP(Humanities in English Program)などを開設し、英語による授業科目の履修だけで卒業できるカリキュラム編成(英語トラック)になっています。これによりグローバル化に一層対応できる語学力、コミュニケーション力、異文化理解力を修得できるようにしています。
  9. 本学部では、演習科目はもちろんのこと、講義科目においてもさまざまなアクティブ・ラーニングの手法を多く取り入れています。また、単位の実質化の観点からも、1授業科目について、相当する授業外学習時間を確保してもらうよう学修課題を与えています。これらの学修を通して、自らが学ぶことの意味を理解し、自律的学修者として、目標をもって自己の成長を図ることができようにしています。
  10. 1年次の「基礎ゼミ」「人間学」、2年次の「文学部の学びとライフ・デザイン」さらに「イントロダクトリー」をはじめとするさまざまな開講科目において、学部教育の理念と目的をふまえ、複数の教員によるパネル形式の授業、学外講師による講演、そしてディスカッションなどのアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れた授業展開を行ないます。これによって、履修者が、物事の考え方や文化の多様性を尊重し、世界市民として生命の尊厳と平和を志向する態度を身につけ、さらに人間主義の社会に向かって他者と協力する姿勢やリーダーシップを発揮できるようにしています。
  11. 以上の方針に基づいて設置された学部授業科目の一覧表(カリキュラム・マップ)を別に作成しています。これによって、ディプロマ・ポリシーに示された力を、どの授業科目によってどう身につけることができるのかをわかりやすく示しています。
  12. 本学部の各授業科目における成績評価については、ディプロマ・ポリシーにおいて記したルーブリック(評価基準一覧表)の2以上を獲得した者に各履修科目の単位を認定するものとし、具体的には以下のとおり行ないます。
 
  • 講義科目においては、定期試験の他、レポート試験、毎授業回ごとの予習・復習課題の提出状況とその内容、適宜行なう小テスト、その他の課題提出状況、ディスカッション等への参加状況、その他学習の到達度を測る独自のアンケート等から、担当教員が総合的に判断して評価します。
  • 演習科目においては、毎授業回ごとの予習・復習課題の提出状況とその内容、プレゼンテーションの内容、ディスカッション等への参加状況、レポートの提出状況、その他学習の到達度を測る独自のアンケート等から、担当教員が総合的に判断して評価します。
  • 卒業論文論研究については、専門演習と連動して作成を指導し、別に定める書式と分量を満たしたものを、2人の教員による口頭試問の結果を加味して、その内容に応じて評価します。


なお、成績評価は全学の基準に従ってS(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)、D(50点以上)、E(49点以下)、N(評価基準満たさず)の7段階とし、D以上で単位を認定する。また成績評価には全学の基準に従って相対評価の観点も取り入れ、履修者20人以上においては、S評価とA評価の合計を全体の30%以内とします。

アドミッション・ポリシー
文学部人間学科は、本学の建学の精神と本学部の理念・目的および教育目標に基づいて、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した能力と資質を十分に身につけた人間を養成するため、国内外に広く優秀な入学生を求めます。具体的には、以下のような知識と技能、思考力・判断力・表現力等の能力、そして態度と志向性をもつ人です。

本学部の目的と理念および教育目標を理解し、本学部での学修を希望する人で、
 
  1. 勉学に主体的に取り組むことによって、高等学校段階までに達成するよう求められている基礎的な知識、理解力、思考力、文章力、語学力、数的能力等を身につけた人。
  2. 勉学のほか、資格試験や各種コンクール、クラブ活動やボランティア活動など、学校内外の諸活動に積極的に取り組むチャレンジ精神をもち、一定の成果を上げることのできる目標達成力をもつ人。
  3. 単に知識が豊富な人ではなく、問題解決への目的観をもって、関心あるテーマにじっくり取り組む意欲と主体性、そのための課題設定力と創造力をもつ人。
  4. 生命の尊厳と平和を志向する道徳観・倫理観をもって他者と積極的にコミュニケーションを図り、他者の立場を尊重しながら協力して物事を成し遂げようとする人。
  5. 本学部入学後に、幅広い学問分野と深い専門性を備えた本学部の300科目以上にわたる講義・演習・実習等の授業、および授業外学習等によって、(1)~(4)の能力と資質を、ディプロマ・ポリシーに適うより専門的で高度なものに磨いていける努力の人。

上記の(1)については一般選抜のの大学共通テスト利用入試、全学統一入試、一般入試(以下一般選抜)における各科目の得点、および総合型選抜(PASCAL入試)、学校推薦型選抜(公募推薦入試)の書類審査等において評価します。(2)、(3)、(4)については総合型選抜(PASCAL入試)、学校推薦型選抜(公募推薦入試)の書類審査と面接、加えて総合型選抜(PASCAL入試)のグループ・ディスカッションと小論文の考査によって評価します。(5)については、すべての入試において、書類審査・面接・各科目等試験の得点で総合的に評価します。
アセスメント・ポリシー

文学部アセスメント・ポリシー

 

文学部は、ディプロマ・ポリシーの中にラーニング・アウトカムズとして7項目にわたり明示した能力と態度・志向性を、学生がどの程度身につけることができたかを、以下の方針で評価します。

文学部の各専門科目がラーニング・アウトカムズのどの項目の達成を目指しているのかを明示する一覧表(カリキュラムマップ)を作成し、学生の履修の進度に状況に応じて獲得が期待される学修成果を示し、その達成状況を評価します。具体的には卒業要件達成状況(単位取得状況・GPA)の評価、ルーブリックなどに基づく卒業論文をはじめとした各科目の学修到達目標の達成度の評価、TOIEC等のスコア、中国語等の語学能力試験の成果による言語能力の伸長の測定、加えて就業力判定テストなどを活用した数理的能力やコミュニケーション能力の測定を行います。さらに、各種免許・資格の取得状況からも、学修成果の達成状況を評価します。

 

専門科目アセスメント・プラン

卒業要件達成状況(単位取得状況・GPA)の評価、および以下のアセスメント指標に基づく各項目の評価

アセスメント項目

アセスメント指標

人間と社会と文化に関する基礎的教養と専門的学術を習得し、諸事情を精確に理解し、鑑賞し、評価することができる。

*履修科目の到達度(成績)

*演習等におけるプレゼンテーションの完成度(3年次)

*卒業論文の完成度(4年次)

母語および外国語を用いて、的確で豊かな自己表現とコミュニケーションを行うことができる。

*語学系履修科目の到達度(成績)

*TOIEC等のスコア、中国後等の語学能力試験(各セメスター期末)

基礎的・専門的学知に基づいて、新しい知識と表現を創造することができる。

*履修科目の到達度(成績)

*演習等におけるプレゼンテーションの完成度(3年次)

*卒業論文の完成度(4年次)

論理的に思考し、適切な方法で情報の取得と処理を行い、物事の的確な判断ができる。

*就業力判定テスト(1年次後期、3年次後期、4年次後期)

文化の多様性を尊重しつつ、世界市民として、生命の尊厳と平和を志向する。

*就業力判定テスト(1年次後期、3年次後期、4年次後期)

*留学(ダブル・ディグリー含む)・海外研修参加者へのアンケート(留学・研修終了後、復学次)

学ぶことの意味を理解し、自律的学習者として、目標をもって自己の成長を図る。

*初年次セミナーの到達度(期末レポートの完成度)

*文学部の学びとライフデザインの到達度(アンケート・成績)

人間主義の社会に向かって、他者と協力する姿勢やリーダーシップを発揮する。

*人間学、文学部の学びとライフデザイン、演習等の到達度(成績)

*就業力判定テスト(1年次後期、3年次後期、4年次後期)

 

授業レベルでの取り組み

*メジャー単位を基本とした各科目で、ルーブリックなどの明示的評価基準を設定する


参考資料

なお、授業レベルでの成績評価の際の基準として活用するための、学部としての各アセスメント項目評価のルーブリックは以下のとおりである。各項目とも2以上を合格とし、単位を認定する。

「求める教員像」及び「教員組織の編制方針」
<教員組織の編制方針>
  1. 大学設置基準、大学院設置基準及び専門職大学院設置基準に基づくとともに、教育研究上の専門分野等のバランスを考慮しながら、文学部における教育研究上の目的等を実現するために、必要な教員を配置する。
  2. 教員間の連携体制を確保して組織的な教育研究を行うために、教育課程や大学運営等において適切に教員の役割を分担する。
  3. 広く国内外に人材を求め、年齢・性別構成及び社会実践経験等の有無に配慮する。