英語教育の世界5大国際会議の1つ(シンガポール)で,本学教育学部の山内豊ゼミの4年生が研究発表
山内豊ゼミの4年生3名が,卒業論文を発展させた内容を応募して審査に合格し,2024年3月11日から13日までシンガポールで開催された英語教育学の国際会議(RELC 2024)で3つの研究発表を行いました。これは,本学・理工学部の木下聖子教授の研究室と連携して共同開発した英語シャドーイング自動評価システムを活用した研究成果に基づいています。
3人とも初めての国際会議にかなり緊張していました。2月に卒論発表会と発表予行練習を実施し,前泊の成田空港近郊ホテルとシンガポールのホテルや会場で予行練習と想定質疑応答を行いました。3名の発表は全員無事に終わり、会場参加者との質疑応答も活発に行われました。
この国際会議は英語教育の世界5大会議の1つで,40カ国以上から千人を越える参加者がありました。発表テーマではChat GPTの活用、Global Englishes(世界諸英語)を扱う発表が多く、現在の世界的な英語教育の潮流を,参加した学生たちは体感できたようです。
学会参加者の大部分は、大学教員か院生か政府の教育行政官で、学部生で発表しているのは私たちだけでした。各々が発表冒頭の自己紹介で、自分は創価大学の学部生で、4月から千葉県の小学校教員(山崎光一君)、都立高校の英語教員(楡井達也君)、米国大学院へ留学予定(アンドレ・ノバーナ君)と話したところ、聴衆の多くが驚いていました。日本から参加した上越教育大学、東京大学、早稲田大学、明治大学、立命館大学、関西学院大学などの教員や院生から、学部でこれだけの内容の発表ができるのはすばらしい、と褒められ、創価大学の名前を国際会議の舞台で大いにアピールすることができ、参加した学生たちの自信にもつながったようです。
参加した学生から以下のような感想が寄せられました。
シンガポールでの国際会議は、一生の財産となる貴重な経験でした。私は、シャドーイングの反復練習によって、文法知識を即座に運用できる能力を高められる可能性を示唆した卒業研究の成果を発表しました。この会議には、様々な国から来られた大学の教授や研究者だけでなく、現地の教員も参加し、意見交換や交流が盛んに行われました。会議に参加して、自分自身の研究分野への理解を深めると同時に、新しい視点を得ることができました。自分の発表を通じて、相手の話を聴く姿勢の重要性を再確認しました。発表中、参加者が柔らかな表情で頷いてくれる姿もあり、安心感と自信を持って発表することができました。春からは千葉県の小学校教諭として働く予定です。まずは、児童たちが自信を持ってコミュニケーションをとり、発表できる環境を整えていきたいと考えています。また、小学校を外国語教育のスタート地点と捉え、積極的に外国語教育を推進し、よりよい教育を目指していきたいと思います。最後に、卒業研究や発表に向けて、山内先生やゼミの仲間2人をはじめ、多くの方々に支えられました。本当にありがとうございました
シンガポールの国際会議では、シャドーイングとリスニングと英語の総合的熟達度に関する相関関係を分析して発表しました。国際化が進む中で、英語の話す力や発音、ネイティブ・スピーカーの英語を聞き取る力は、近年日本の学校教育でより重要性が高まっています。私自身、英語の発音や会話の聞き取りに限界を感じていました。そこで注目度の高いシャドーイングという学習法が、リスニングなどの技能に対して本当に効果が見られるのかを知りたいと思ったのが研究のきっかけです。国際会議では、現職の教員や研究者の深い知見と研究内容について多く聞くことができました。その中でも「学習者は学ぶことに対して責任を持つこと、教師はそのサポートをすること」が共通して強調されていました。教えてもらうという受動的な姿勢ではなく、自主的に学習する姿勢が21世紀の情報社会を生きる上で必要だと痛感しました。私は、この春から都立高校で英語教諭として働きます。会議で学んだ知見を授業に役に立てていきたいです。最後に、2年間、私の研究を支えてくださった山内豊教授とゼミ生に深く感謝しています。ありがとうございました。
シンガポールの国際会議に参加して,多くの貴重な体験ができて,将来の自分の研究に対するモチベーションが向上しました。会議では,言語教育の多様性や可能性や新たな改善法など,さまざまなトピックについて世界中から集まった教員や研究者たちが意見を交わしていました。国際会議の自分の発表準備を通して,自分のアイディアを整理したりプレゼン技術を改善したりしたことは、自分自身の成長につながったと思います。私は,卒業研究の始まりから発表まで、山内教授からいただいたサポートに心から感謝したいと思います。山内ゼミの仲間にも深く感謝しています。この会議に参加して,自身自身の研究をより深めていく方法や、英語コミュニケーション力を高める方法が体得できたと感じています。卒業後,私はアメリカの大学院に留学し,言語学習と心理学の関係を解明する新しい研究に取り組みたいと思っています。