創価大学ユネスコスクール支援委員会

創価大学ユネスコスクール支援委員会委員長挨拶

 創価大学教育学部・教職大学院は2018年7月、新たに「ユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)」に加盟させていただきました。今後、これまで支援活動を展開してこられた大学と連携協力し、主に東京都多摩地域北西部を中心に、小中学校のユネスコスクール加盟を支援する活動を展開して参ります。
国連が進める「持続可能な開発のための教育(ESD)」、さらにそれに続く「持続可能な開発目標(SDGs)」は、今や世界中の大学で取り組まれる共通課題となっています。国内外の1万を超える学校が結び合い、世界中でESDを推進するユネスコスクールのネットワークに加わらせていただいたことは、本学にとっても大きな喜びであり、本学が持つ特色を大いに発揮するチャンスととらえていきたいと思います。
創価教育の創始者である教育者・牧口常三郎は、「価値といひ得べき唯一の価値は生命であり、爾余の価値は何等かの生命を交渉する限りに於てのみ成立する」と述べ、生命を価値の究極に位置づけました。また主著である『人生地理学』の冒頭において自然環境が人間形成に及ぼす影響の重要性を訴え、自然とのコミュニケーション不足が人間のさまざまな美徳を破壊してしまうと指摘しています。また本学の創立者である池田大作は、2019年の平和提言において、SDGsに対する本学の取り組みを紹介したあと「世界のより多くの大学がSDGsの推進のためにさらに力を注ぎ、誰も置き去りにしない地球社会を築くための行動の連帯を強めていくべきではないでしょうか」と主張しています。
こうした理念に基づいて人間教育、平和教育を進める創価大学では、多くの教職員、学生が、明日のよりよい世界を創造することを目指して学び、これまでもゼミやクラブ活動等でさまざまな行動を展開してきました。そうした取り組みが評価され、2019年のTHE大学インパクト・ランキングにおいて創価大学は、日本の大学の中では4位に相当する101-200位にランクインしました。
このように、本学のマインドはユネスコスクールの理念と極めて強く調和・共鳴するものであり、これからのユネスコスクール支援活動においても、大きな力を発揮できると感じます。支援活動はまだ開始したばかりですが、今後の日本におけるユネスコスクール運動を支える存在になれるよう、関係教員一同、力を合わせて取り組んで参ります。

創価大学副学長

関田 一彦

関田 一彦 副学長

ASPUnivNet加盟の経緯

国連による「持続可能な開発のための教育(ESD)」を推進する学校として、ユネスコスクール加盟校が広がりを見せており、そのネットワークは世界182カ国で約11,500校に上ると言われています。日本では公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)がユネスコスクール事務局として2008年以来ユネスコスクール加盟の支援をしてきており、2018年4月現在で1,033校の幼稚園、小・中・高等学校、教員養成大学が加盟しています。本学も2022年4月にユネスコスクール・キャンディデート校として承認されました。
また、2008年12月にユネスコスクール支援大学間ネットワーク(ASPUnivNet)が発足し、文部科学省とも連携を取りながら、ユネスコスクールに加盟しようとする全国の学校への支援活動を行っています。こうした動きに合わせ、本学でも2018年5月の拡大学長室会議を受けてASPUnivNetに加盟申請を提出し、2018年7月1日の定例連絡協議会にて本学の加盟が正式に了承されました。

《本学の組織》
(1)名称:創価大学ユネスコスクール支援委員会
(2)構成メンバー
 委員長      関田 一彦   副学長
 副委員長       吉川 成司   通信教育部長
 メンバー      宮崎 猛    教職大学院教授
          久保田 秀明  教育学部教授
          山内 俊久   教育学部准教授
          三津村 正和  教職大学院准教授
                             津山 直樹        教育学部講師
      オブザーバー    山﨑 めぐみ     学士課程教育機構准教授
          島田 健太郎  教育学部講師            
  事務担当    吉村 隆幸        教育学部事務室副課長

ユネスコスクール支援内容

(本学西浦ゼミ生のSDGsの取り組みをユネスコスクールチャレンジ校生徒に説明)

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ユネスコスクールについては、現在審査が修了した加盟予定校が216校、さらに申請中が16校、申請準備中(チャレンジ期間中)が61校あるとのことです(2018年8月現在)。こうした学校について、申請及び加盟後の活動について支援するのがASPUnivNet加盟大学の役割です。東京都多摩地域では、本学は玉川大学に続く2校目の加盟大学となっています。
本学の活動については以下のようになります。

(1)支援範囲

当面は東京都23区外の以下の16市町村及び2県(加盟大学の推移により変動あり)
八王子市、立川市、あきる野市、昭島市、小平市、青梅市、日野市、東大和市、東村山市、武蔵村山市、福生市、羽村市、奥多摩町、日の出町、瑞穂町、檜原村、埼玉県、群馬県
これらの地域の学校に対し、本学がサポート校になります。

(2)支援学校数

現在の申請状況から見て、年間5~10校を担当することになると思われます。

(3)支援内容

以下のような対応が求められます。
・UnivNet及びサポート校からの連絡・コンタクトを受けて、担当校訪問もしくは担当校から来学
・チャレンジ期間の計画や書類作成に関するアドバイス
・申請書類の事前チェックおよび推薦文作成
・ユネスコスクール認定後のフォローアップ

(4)その他の活動

  • ユネスコスクール、ESD、SDGs等に関する学習会・シンポジウムの開催及び担当者養成
  • 他団体・組織とのESD活動に関連した連携
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ESD活動紹介(報告)

1.2018年11月23日に、創価大学教育学部・教職大学院がユネスコスクール支援プロジェクトを開始したことを記念し、ESD(持続可能な開発のための教育)活動支援センター、ユネスコスクール支援大学ネットワークの後援のもと、近隣市町村の小中学校や教育関係者向けの講演会「ESDとユネスコスクール」を開催しました。

講演会では馬場善久学長の挨拶の後、鈴木克徳氏(ESD活動支援センター副センター長)が講演し、ESDの歴史や最新の動向などを踏まえ、持続可能な社会の構築に向けた本学のリーダーシップに期待が寄せられました。その後、本学学生によるESD活動に関する発表と、鈴木将史教育学部長による本支援プロジェクトの主旨説明がありました。

講演の採録は、広く学外の皆様にもご覧いただけるように学士課程教育機構研究誌第8号に掲載されます。

鈴木克徳氏(ESD活動支援センター副センター長)

2.ユネスコスクール支援プロジェクト「学校におけるESDのすすめ方」勉強会を開催しました。

創価大学ユネスコスクール・プロジェクト(SUSP)が主催したESD(Education for Sustainable Development :持続可能な開発のための教育)勉強会が、2019年6月26日(水)に本学教育学部棟で行われました。講師に日本ESD学会の手島利夫副会長を招き、「学校におけるESDのすすめ方」とのテーマのもと、本学の教職員・学生の他、八王子市内の小中学校の校長や教諭ら約50名が参加しました。

講師の手島副会長は、2007~2018年まで内閣府ESD円卓会議委員等の役職を務め、ESDの普及に精力的に活動されています。2017年、東京都江東区立八名川小学校の校長在職中には、第1回ジャパンSDGsアワード特別賞を受賞されました。また、2018年には、ユネスコスクール/ESD推進功労賞・日本ユネスコ国内委員会会長賞を個人で受賞されています。

勉強会では、冒頭、鈴木将史教授(副学長補・教育学部長)が挨拶に立ち、本学のユネスコスクール支援の取り組みについて紹介があり、続いて、手島副会長が登壇しました。講演では、日本や世界がどのように変化してきたか参加者と共に確認し、より良い社会を実現するために学校教育のあり方を議論しました。学習指導要領を読み解き、持続可能な開発を実現する教育について、これまでの現場での実践例を紹介しつつ、「持続可能な開発の教育は、子どもたちの『学びに火をつける』ことが重要です。そのためには、環境教育、多文化理解、人権教育といった視点を持って、従来の分断的な教科の発想から飛躍し、横断的に繋いで、深い学びを創ることです。そして、伝え合う場を通じて、子どもたちが自ら学びの楽しさに気が付けるようにすることです」と語りました。質疑応答の後、吉川成司教職大学院研究科長が謝辞を述べました。

参加者からは次のような声が寄せられました。
まだ現場に出たことはありませんが、本日学んだESDカレンダー等を参考にカリキュラムマネジメントや総合的な学習の時間等について勉強していきます。(本学教職大学院生)
ESDの考え方が具体的によくわかりました。「児童の学びに火をつける」―まさに児童の主体的な学習活動を展開していたことは、今、求められている教員のあり方だと思いました。(小学校教諭)
ESDをどのように行えば良いのか、形式で考えていくのではなく、まず、自分にできるところからやってみるという事が大切なのだと思いました。持続可能な社会を生きていく子どもたちに少しでも種をまいていけるよう頑張ります。(中学校教諭)

日本ESD学会副会長 手島利夫先生

3.ミネソタ大学ファーコ先生によるサービスラーニングに関するセミナーを開催しました。

2019年7月29日(月)教育学部棟B404教室にて、ミネソタ大学のアンドリュー・ファーコ博士 (Dr. Andrew Furco)を講師に招き、本年2回目の教職大学院FDセミナーを開催いたしました。SDGs自体を我が事として取り組む世界市民性を育む教育方法として、サービスラーニングは注目されています。また、SDGs17番目の目標であるパートナーシップの推進に向け、コミュニティの様々な組織や団体と協働して学ぶサービスラーニングの普及は重要です。教職大学院は教育学部と共に、ESDを担う教員養成に取り組んでいます。このセミナーにも定期試験の最中にも関わらず教育学部生・教職大学院生が何人も参加していました。そうした学生たちからは、「社会に貢献する中で自分自身を見つめ、どのように生きていくかを考えるサービスラーニングの手法は、とても新鮮で、学ぶことがたくさんありました。」など、積極的な感想が聞かれました。

ミネソタ大学ファーコ先生

4.9/21(土)教職大学院・教育学部合同フォーラム「SDGsを支える教育を考える―ユネスコスクール支援における大学の役割―」を開催

2019年9月21日(土)「第5回教職大学院・教育学部合同フォーラム」が教育学部棟にて開催され、約100名の参加者が集いました。 午前中の分科会では4つのテーマでディスカッションを行い、「教師教育と国際交流」の分科会では、中国・台湾から7名の現職教員が参加し、中国・台湾と日本の教師教育等について議論しました。

午後は本学田中副学長からの挨拶の後、文科省国際統括官付国際戦略企画官の大杉住子氏が「新しい学習指導要領とESD:持続可能な社会の創り手を育てる教育を考える」と題して講演、新学習指導要領前文に新たに加えられた「持続可能な社会の創り手」という言葉が示す、テストだけでは捉えられない資質・能力に対して、ESDやSDGsが果たす役割について語られました。 続いて宮城教育大学市瀬智紀教授より「ユネスコスクールとしての大学の取組:宮城教育大学の実践から」と題する講演が行われ、長年にわたるユネスコスクール活動を通して、ESDが小中高等学校教育に対して持つ利点、さらに推進する大学にとっての意義について強調されました。本学副学長補・鈴木将史教授より本学のユネスコスクール支援大学間ネットワークでの取り組みについて紹介された後、本学教職大学院吉川成司研究科長より閉会の挨拶がありました。

参加者の声を紹介します。
「教育的視点からSDGsを深める機会はあまり無かったので、自身の視野を広げる意味でもとても良かったです。分科会では海外の教員も日本と同じく心血を注いでいる姿を見て感動しました。」(創価大学1年生) 「ユネスコスクールの存在意義がよく理解できました。私の所属校でも推進拠点校になれるよう校長に具申したいと思います。」(東京都小学校副校長)

文科省国際統括官付国際戦略企画官大杉住子氏基調講演
宮城教育大学市瀬智紀教授講演
分科会「教師教育と国際交流」

5.2020年6月24日(水)オンラインを活用した「ユネスコスクール推進ミニフォーラム」を開催しました。

日本ESD学会手島利夫副会長をお招きし、本学教育学部・教職大学院主催でオンラインを活用した「ユネスコスクール推進ミニフォーラム」を開催し、近畿圏、九州圏のユネスコスクール関係者も含め約80名が参加しました。

今回のフォーラムは第一部として基調講演、第二部として3つの分科会、という2部形式で行われました。基調講演には日本ESD学会副会長の手島利夫氏を講師に迎え「コロナ禍を超えた先のESD」と題する基調講演が行われました。30分ほどの講演でしたが「新しい学習指導要領にESDのことが入り、いよいよ新しい教育が始まると思った矢先にコロナを経験し、教育現場はその対応で大混乱になりました。その中でESD、SDGsを進めるのは大変な状況ですが、力を合わせていきましょう」と参加者に力強いエールを送りました。

その後の第二部では、分科会1『ESDを進めるカリキュラム・マネジメント』(話題提供は手島利夫講師)、分科会2『ユネスコスクールとしての創価大学の取組』(取組報告は吉川成司教職大学院研究科長)、分科会3『ユネスコスクールとしての関西創価高校の取組』(活動報告は中西均創価教育センター副センター長)が同時並行で行われました。第1分科会に参加した学生(教育学部4年)からは「手島先生が話された『コロナ禍=持続不可能な世界の入り口である』との言葉が大変印象的でした。新型コロナウイルスをどう捉えるか、またコロナ禍における子どもたちへの教育・学習方法の在り方について、自分自身としての考えを深めるきっかけとなりました」と感想が寄せられました。

日本ESD学会副会長 手島利夫先生

6.創価大学創立50周年を記念する「価値創造×SDGs」ウィークの一環として、2020年12月12日(土)に教育学部教職大学院合同ESDフォーラムをオンラインで開催しました。(参加者約120名)

冒頭、堀江未来先生(立命館大学教授で立命館小学校・中学校・高等学校 代表校長)から、「国際理解・SDGsを取り入れた教育の考え方と実践」との演題で基調講演が行われました。そこでは、「国際教育」(異文化体験からの学び)の実践を通して身につく力、自文化中心主義を乗り越える重要性、その過程で発達する異文化感受性の各発達段階における学びのねらいについて、ご自身の体験や具体的な教育活動をふまえて具体的に述べられました。今後一層グローバル化が進む世界のあり方を展望した内容で、参加者は教育のあり方について視野を広げ新たにする機会となりました。

その後、ユネスコスクールチャレンジ校による分科会行われました。高校の分科会では創価高校、埼玉県立春日部女子高等学校の2校が、小学校の分科会では久喜市立久喜小学校、幸手市立八代小学校が、それぞれ事例報告を行いました。高校の分科会の講評は堀江教授が、小学校の分科会では本学教職大学院渡辺准教授がそれぞれ担当しました。両分科会とも、ESDの優れた実践事例の報告が行われ、有意義な交流の場となりました。
最後に、本学関田副学長(教育学部長)より挨拶があり、正午に終了しました

記念講演:立命館大学 堀江未来教授
分科会:高校事例発表「創価高校」
分科会:高校事例発表「春日部女子高等学校」
分科会:小学校事例発表「久喜市立久喜小学校」
分科会:小学校事例発表「幸手市立八代小学校」

7.2021年2月19日(金)ユネスコスクールオンライン交流会を開催しました。

本学が支援を担当しているユネスコスクールチャレンジ校とのオンライン交流会を開催しました。
交流会には八王子市の中学校1校、小学校1校、埼玉県の高校2校、小学校2校、東京23区内の高校1校、小学校1校が参加し、各校の取り組み等を発表し、意見交換を行いました。

8.2021年6月6日(日)13時より創立50周年を迎えた本学の記念事業の一環として「価値創造×SDGs」創価教育と世界市民教育【ユネスコスクール推進フォーラム】をオンラインで開催し、約160名の方が参加しました。

関田一彦副学長・教育学部長による挨拶の後、本学教育学部牛田伸一教授による基調講演 「牧口常三郎『教授の統合中心としての郷土科研究』を読む」が行われました。休憩を挟んで、杉並区立西田小学校鈴木朝代校長、神近 正浩副校長、佐々木哲弥研究主任による実践報告「ユネスコスクール『NISHITAの挑戦』」が行われ、ユネスコスクールであり、ハッピースクールでもある西田小学校の取り組みと、児童が成長していく様子が紹介されました。参加者からも講演中から多くの質問が寄せられ、啓発的で示唆に富んだ内容になりました。
その後、自由学園最高学部(大学部)成田喜一郎特任教授による総評が行われ、最後に本学教職大学院吉川成司研究科長の挨拶で終了しました。

終了後、以下のような感想が寄せられました。
「牛田教授の講演はとても面白くて、分かりやすかったです。もっと勉強したいなと思いました。ありがとうございました。」
「西田小の子供の幸福を第一に考えた教育の姿、感銘しました。」
「西田小の熱意に感化されました!教育に対しての考えが素晴らしいと思います。」
「学校サイドで、これだけ取り組んでいるのに、社会全体で評価されないのは、如何なものか?大人社会全体にも、もっと強制力を持たせて、取り組みをさせて欲しいと思いました」
「素晴らしい取り組みです。本校の学校経営に生かしていきたいです。」
「総評された成田先生の熱意に感化されました!教育に対しての考えが素晴らしいと思います。」

本学教育学部 牛田伸一教授
西田小学校 佐々木哲弥研究主任
自由学園最高学部(大学部)成田喜一郎特任教授

9.第2回ユネスコスクール推進フォーラムを2021年12月17日(金)に創価大学教育学部棟にてハイフレックス方式で開催し、本学教職員及び学外者等約50名がオンラインまたは会場で参加しました。

最初に関田一彦教育学部長があいさつ。都立飛鳥高校の志波昌明校長、埼玉・久喜市立久喜小学校の太田我矩教諭が実践報告を行いました。
その後、福岡・大牟田市前教育長の安田昌則氏(日本ユネスコ協会連盟理事)が基調講演を行いました。

かつて炭鉱の町だった大牟田市が炭鉱閉山し人口も最盛期から半減する中、「石炭の火は消えても、教育の火は赤々と燃えている」をモットーに持続可能な社会づくりに取り組むことになったと、地域の背景が紹介されました。

講演は、2012年1月に大牟田市の全小中・特別支援学校が一斉にユネスコスクールに加盟して以来、持続可能な開発のための教育(ESD)を推進してきた経緯から始まりました。
きっかけは、大牟田市の目指すまちづくりと、文科省から聞いたユネスコスクール・ESDの理念が一致していることを知ったこと。そこから市を挙げてのESDの推進が開始されたことでした。

市教育委員会では、ESD推進のために、全国初のユネスコスクール支援センターを設置し教職員の研修体制を整えました。大牟田市としても「大牟田市ESD推進本部」を設置し、市長が本部長、教育長が副本部長となり、各部局がESDの視点を取り入れて事業を展開。また、市民によるESDの推進組織として、「大牟田市ESD推進協議会」が設立され、「ユネスコスクール・ESDのまち おおむた」宣言も行われました。さらに、現在各学校で取り組んでいる教育実践が紹介されました。ESDは自ら課題を見いだしできることから始める力を育てることができ、「主体的に行動する」子どもたちを育む方途などについても語られ、その説得力と可能性に感銘を深くする講演となりました。

最後に創大教職大学院の吉川成司研究科長が、謝辞を述べました。

前大牟田市教育長 安田昌則氏
埼玉県久喜市立久喜小学校 太田 我矩(おおた がく) 先生

10. 2022年6月17日に開催された『価値創造×SDGs~GlobalもLocalも』の地域連携企画としてユネスコスクール支援委員会吉川副委員長の活動内容紹介とキャンディデート校の別所中学が実践報告を行いました。

オンラインで約350名、会場には約200名が参加したこのイベントにおいて、ユネスコスクール支援委員会副委員長である吉川成司教授(教職大学院研究科長/通教部長)より、本学のSDGsの推進ならびにユネスコスクール支援委員会の取り組みについて紹介がありました。それに続き、ユネスコスクールキャンディデート校である八王子市立別所中学校の生徒会の皆さんから、募金活動やエシカル消費などの取り組みについてオンラインで発表がありました。

生徒主導でSDGsに向けてさまざま取り組む姿に、特別ゲストとして参加した木村祐一氏も大いに感心された様子で、ユーモアを込めて質問と励ましを送ってくださり、生徒の皆さんにとって貴重な経験になったことでしょう。

ユネスコスクール支援委員会吉川副委員長
八王子市立別所中学校生徒会の皆さん

11. 2024年1月12日(金)16時半よりユネスコスクール支援委員会主催のフォーラム「持続可能なユネスコスクールの実践と特別支援学校からのチャレンジ」をハイブリッド形式で開催し、オンラインと会場に約70名の方が参加しました。

本学教職大学院吉川成司研究科長による挨拶の後、群馬県立渡良瀬特別支援学校、大牟田市立大牟田特別支援学校の2校の特別支援学校よりユネスコスクール実践報告が行われ、両校の取り組みと、児童が成長していく様子が紹介されました。参加者からも講演中から多くの質問が寄せられ、啓発的で示唆に富んだ内容になりました。

その後、都立多摩桜の丘学園統括校長である丹野哲也先生による助言があり、最後に関田一彦副学長・教育学部長の挨拶で終了しました。

終了後、以下のような感想が寄せられました。
「とても有益な会に参加でき、登壇の先生方、運営の皆様に感謝いたします。子どもたちに当事者意識をもたせつつ、何よりも教師一人一人が平和を願うユネスコ教育の当事者としての意識をもって教育活動にあたらなければと強く思いました。担当者だけが頑張る取り組みでは持続可能な社会を作る前に必ず教員がつぶれると思います。学校への研修はもちろん、逆輸入的に、地域からの働きかけがもらえるような仕組みづくりなどを行政としてもやっていかないといけないと感じました。」(教職大学院生)
「渡良瀬特別支援学校の取り組みは、試行錯誤の中で実践され、特に素晴らしいと思いました。地域に根ざし持続可能な取り組みにするためには、地域のNPOとの連携は有効です。菜種油しぼりやオーガニックコットンでのマスコット製品作りは、自分たちが蒔いた種を育て、その後、加工して人の役に立つ貢献に結びつけられ素晴らしいと思いました。」(学校教職員)
「素晴らしい実践を教えて頂きありがとうございました。また、ユネスコスクール申請や実践の課題点も教えて頂きありがとうございます。学びの多い報告会でしたので、もっと多くの方にも参加して頂きたいと思いました。次回以降は私も管理職や教職員へ知らせるように致します。本日学んだことを、自分の立場で出来ることから生徒と挑戦して参ります。」(学校教職員)
「それぞれ地域の特色を生かした取り組みをされていたのが印象的でした。丹野先生のお話で、ユネスコスクールという一つの世界基準へ視野を向けられたことはとても私にとって有意義でした。ありがとうございました。」(学校教職員)

渡良瀬特別支援学校
大牟田特別支援学校 吉田雅史 校長
多摩桜の丘学園 丹野哲也 統括校長

12. 2024年6月21日(金)16:40より創価大学教育学部棟B103教室でユネスコスクール先進校である奈良教育大学ESD・SDGs推進センター長である中澤静男教授をお招きし、ユネスコスクールチャレンジ校等応援企画「SDGs推進と教員の役割」を開催します。

zoomでのオンライン参加も可能ですので、参加を希望される方は以下のURLからお申込み下さい。

ユネスコスクールチャレンジ校等応援企画「SDGs推進と教員の役割」

第1回ユネスコスクール関東ブロック大会「SDGs達成に向けた包括的なユネスコスクールと地域の連携」

【日時】2019(令和元)年10月5日(日) 10時00分~17時00分
【場所】玉川大学 大学教育棟
★分科会(創価大学担当)13時30分~15時30分 大学教育棟502教室
テーマ:平和・人権教育
趣旨:「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」このユネスコ憲章前文にある平和の精神を、いかにして学校教育において具現していくのか。いじめ防止の取り組み事例から、具体的にこの問いに迫る機会の提供が本分科会の目的である。
概要:「いじめは小さな戦争である」と例えられるが、そのいじめ防止の鍵を握るのが、「沈黙する傍観者」であるとされる。その傍観者を「行動する仲介者」へと変革する内発的な力の開発・育成が教育的課題となっている。本分科会では、傍観者の変容を意図して講師が開発中の、演劇的手法を取り入れた「いじめ防止教材」を取り上げる。参加者は教材の一部を使った活動を体験し、その可能性や応用性について考える。参加者一人一人の思いを交流し合い、ユネスコ憲章の精神を日々の教育実践に生かす方途をともに探っていきたい。

第2回ユネスコスクール関東ブロック大会「SDGsの広がり」

【日時】2021(令和3)年8月7日(土) 10時00分~17時00分
【場所】成蹊大学(各会場を結んだオンライン)
★分科会(創価大学担当)10時00分~12時00分
高校生によるSDGsソーシャルビジネスプロジェクト
高大連携国際プログラムSAGEを事例として(創価大学)

第3回ユネスコスクール関東ブロック大会「平和・人権と地球市民教育(GCED)」

【日時】2022(令和4)年7月31日(日) 10時00分~15時30分
【場所】創価大学
★基調後援(ビデオメッセージ)ユネスコ・バンコク事務所長 青柳茂氏 10:15~10:45
★実践校報告(杉並区立西田小学校)10:45~11:30
★ポスターセッション(教育学部棟別館(BA棟)1階ロビー)11:30~13:00
★分科会13時00分~15時30分

当日の模様はこちら
ユネスコ・バンコク事務所青柳所長の基調講演(ビデオメッセージ)は以下の大会HPから視聴可能です。
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ユネスコスクールチャレンジ校等応援企画講演会

ユネスコスクールの現状と課題~世界市民アイデンティティの育成に向けて~

12月10日の「人権デー」を記念し、12月13日(金)16時40分より創価大学教育学部棟1階B103教室において、ユネスコスクールチャレンジ校応援企画講演会「ユネスコスクールの現状と課題~世界市民アイデンティティの育成に向けて~」を開催致します。

本講演会は人権、平和、持続可能な開発の推進を目的とするユネスコの精神を具体的な教育活動に落とし込んで取り組むユネスコスクールの意義を再確認しつつ、ユネスコスクールチャレンジ校の取り組みについて、関心のある教職員、学生、そして現場の先生方とともに学び合う機会にしたいと思っています。基調講演者である小林亮玉川大学教育学部教育学科教授からは、「世界各地で国際対立が尖鋭化している現在、『正義の対立』を超える世界市民アイデンティティの形成に向けたユネスコスクールの可能性と課題を探究します」との抱負を頂いています。

〇日時:2024年12月13日(金)16時40分開始

〇場所:創価大学教育学部棟1階B103教室(zoomでのオンライン視聴も可)

〇参加費用:無料

〇申込方法:以下のURLからグーグルフォームに必要事項を入力の上、お申込み下さい。

創価大学ユネスコクラブの活動

創価大学ユネスコクラブが第5回ユネスコスクール関東ブロック大会で分科会の企画及び、シンポジストとして登壇しました。

 2024年10月5日(土)に第5回ユネスコスクール関東ブロック大会が玉川大学にて開催され、本学ユネスコクラブのメンバーが参加しました。ユネスコスクールの新たな展開にとってカギとなる若者エンパワメントに向けて教師に求められる新たな役割と課題について多角的に検討する大会です。

 午前の部では、次世代の持続可能な社会の担い手である若者への支援と権限付与を効果的に実践できる教師の姿について同志社大学の見原教授による基調講演・シンポジウムが行われました。また、シンポジウムには、創価大学から、ユネスコクラブ (学生団体)の代表・盛島杏莉さん(教育学部3年)と顧問の島田健太郎講師が登壇しました。

 午後の分科会では、関東地域のASPUnivNet加盟大学および次世代ユネスコ国内委員会による分科会にて、さまざまな関連テーマについて議論が行われました。創価大学ユネスコクラブの分科会は、「多様な視点を体験的に学ぶ、異文化シミュレーションBafaBafa」というテーマのもと、他者視点の獲得や自分の行動様式を知ることを目的とした体験的な活動を行いました。

 分科会の企画を行なったメンバーは、山本航大さん(教育学部4年)、籔本朋華さん(教育学部4年)、盛島杏莉さん(教育学部3年)、郁天華さん(教育学部2年)、国松和明さん(法学部1年)です。本学における留学生支援や外国人労働者の将来についての話をしながら、日本の文化や文化交流の意義について議論が深まりました。

 分科会の参加者からは以下のような感想やコメントを頂きました。

 「社会により、価値観やコミュニケーションの仕方が異なることを体感できた。新しい文化を知ることは楽しい。」

 「仲良くしようという気持ちを持って相手と接することは大切だと思った。しかし、全く違う文化を理解するのはとても難しく感じた。」

 参加したユネスコクラブの学生の声を紹介します。

 「分科会で行った異文化シミュレーションBafaBafaでは、高校生を中心に擬似的に異文化間の交流のあり方を考えてもらうことができました。自分自身もファシリテーターとして参加し、学校現場における国際理解教育の実践とその課題について深く考えることができた良い機会となりました。」(女子学生)

 「自分は初めてユネスコスクール関東ブロック大会に参加し、緊張もありましたが、それまでの準備や打ち合わせが身を結んだと思います。参加してくださった方々が異文化理解の難しさを少しでも感じ、その後の生活に通ずるものを感じ取っていただけたら幸いです。」(男子学生)

 「分科会では、異文化シミュレーションBafaBafaのファシリテーターを務めました。参加者の取り組みの声を身近で聞くことができたことが自分の学びにつながったため、とてもうれしく思います。また、他の分科会の様子も最後に聞いて吸収することができ、これからの成長の糧となったと感じました。」(女子学生)

 「午前中にシンポジウムにパネリストとして登壇し、他大学の教授や小・中学校、高校の教員達と一緒に若者エンパワメントについて話し合い、教師の役割や目指すべき姿について学ぶことが出来ました。第2分科会では、参加してくださった学生の方や先生方から、異文化を理解することの難しさや文化を知ろうとすることの大切さを感じたという声や、自分の学校や授業においても実践してみたいとの声をいただくことができました。参加してくださった方にとって充実した時間になったことを実感でき嬉しく思います。」(女子学生)

 「多くの方が分科会に参加していただいて感謝しています。参加者は高校生から現役教員の方などいらっしゃり、そこでも文化が異なっていました。異文化に触れ、慣れる大変さを日常の中で異文化だと感じた際、受容することは大変難しいことだと思います。留学生が徐々に増加していく中で、教員や生徒は異文化をどう受け入れるか、あるいは文化の違いが譲れない際どのように接するかを私自身も常に考えていきたいです。」(男子学生)