「学校研究(小学校)」教職大学院生による授業

教育学部の「学校研究(小学校)」という授業では、教育の現場で求められる多種多様な「実践力」を身に付け、教員として学校で働くことの理解をより深化すること目指しています。
その中で取り入れている「理想の教師像ワーク」では、現職経験のある先生方をお呼びし、テーマに沿って講演いただき、質疑応答を踏まえて学校理解と自身のキャリア設計をより具体化していきます。
今回、5月28日(火)・6月4日(火)の2週にわたり、創価大学教職大学院で学ぶ現職経験豊富なお二方(創価大学OB)をお招きしました。
・阿納剛先生
阿納先生からは、特別支援学校での現場経験を中心にご紹介いただきながら、「チーム学校」というテーマでご講演いただきました。障害の種別を考慮しつつも、子どもたちが持つそれぞれの可能性を引き出す具体的な支援を、教材の活用事例や指導の要点を押さえつつ、具体的に示してくださいました。また、ご自身が学校組織に関わる中で、教員同士の連携や学校としての「マネジメント」の視点についても説明があり、生活面・学習面で子どもたちをサポートしていく上での体制づくりの大切さについて強調されました。質疑応答では、ご担当されてきた子どもたちとの実際のエピソードや、教職大学院で現在学ばれていることを現場に戻った際にどのように生かしていくか、などが話題に挙がり、いずれ迫る職業人としての「選択」について、考える機会となる時間となりました。
・佐藤純先生
佐藤先生からは、ご自身の大学時代の留学経験や大学院(文学部)での哲学の研究などを皮切りに、「教育とは何か」という根源的な問いを持つことの重要性に触れつつ、「学び続ける教員」というテーマでご講演いただきました。大学院修了後、公立小学校に勤務される中での印象的な子どもたちとのやり取りは、子どもたちの成長に直に関わることができる教員の魅力にも迫るものでした。一方、外国語教育の実践事例やアメリカでの教員研修での学びを紹介され、語学を学ぶことで世界が広がることやそれを子どもたちに感じてもらうことの意義など、教育に留まらない学びの大切さを述べられました。質疑応答では、教職大学院で現在研究されていることや、大学生として残りの期間学ぶべきことなど、「研究」に関わる話題が広がりました。大学生として「学問に触れる」ということはどういうことか、再度問い直す機会となりました。

お二人の授業を経て、学んだことや感じたことを、残りの授業でまとめ、議論する予定です。
大学の先輩として、教員の先輩としての姿は、教育の現場に就くことを考える学生にとって、「身近なお手本」です。
学部生・教職大学院生がともに学ぶ機会を、今後も設定できればと思います。