教育学部・山内豊ゼミの学部生4名がプノンペンで開催された国際会議で研究発表しました

         カンボジア工科大学の国際会議場にて
(左から)森河仁成さん,杉浦琉希さん,山内豊教授,新井めぐみさん,松下幸子さん

2月上旬にカンボジアの首都プノンペンで二千人規模の英語教育の国際会議が開催されました。山内豊ゼミの4名の学部生は,生成AIの英語教育における活用をテーマとした各自の卒業研究を発展させた内容を応募し,審査に合格し英語で口頭発表しました。
4名いずれの発表も好評のうちに終了し,質疑応答も充実していました。参加者の大部分が大学教員,研究者,大学院生だったため,学部生がデータに基づく実証的な研究発表したことに驚く参加者も多く,創価大学の学部からの研究レベルの高さ,生成AIをテーマにした先進性が大いに注目され,創価大学の学術的名声を世界の研究者たちにアピールできました。発表した学生からは,次のような感想が寄せられました。


 

杉浦仁成さん(教育学部4年)

Human and AI feedback effects on EFL learners’ fluency, confidence and anxiety in spoken diary training 「音声英語日記トレーニングにおける人間とAIのフィードバックが英語学習者の発話の流暢さと自信と不安に与える影響」

(要旨)英語で音声日記を録音提出する訓練で,生成AIと人間でフィードバックを実施した。プレ調査とポスト調査の比較により,どちらも参加者のスピーキングの発話量と流暢さは向上したが,人間の方がAIよりも学習意欲面を高めることができることを明らかにした。

(感想) 今回の国際会議での発表は,約二年前にアメリカ・ロサンゼルス留学中に始まった研究が形になったものです。当時は時差を越えてゼミをオンラインでつなぎ,仲間や教授と議論を重ねました。研究テーマは,私自身が留学中に実践していた「スマホを使った3分間の音声日記トレーニング」がスピーキング力に与える効果の検証です。実体験から生まれたメソッドを多くの学習者に届けたいという思いが出発点でした。山内豊教授のご指導のもと,経験を研究へと発展させ,AIとの比較という視点も取り入れることができました。カンボジアでは世界中の研究者から質問や提案をいただき、大きな学びと自信を得ました。4月からはインターナショナル・スクールでバイリンガル保育士として働きますが,将来はアメリカ創価大などの大学院への進学も目指し,教育と研究の両面から夢を与えられる教育者へと成長していきたいと考えています。

森河琉希さん(教育学部4年) 

Relationships between self-assessment, metacognitive ability, and overall English proficiency in essay writing: insights from comparisons with generative AI evaluation 「英語エッセイ・ライティングにおける自己評価・メタ認知能力・総合的英語力の関係:生成AI評価との比較からの考察」

(要旨)英語総合力の高い学習者は,メタ認知力が高く,英文エッセイに対する自己評価とAI評価の一致度が高くなった。一方,低い学習者はメタ認知力も低く,自己評価がAI評価より甘くなり一致しない傾向があることが明らかになった。

(感想)この度,カンボジアで開催された国際会議にて研究発表をさせていただきました。研究では,英文ライティングにおける生成AI評価、他者評価、自己評価の観点の相違について調査を行いました。さらに、英語能力と自己評価、メタ認知能力との相関関係の分析結果を発表しました。研究の道のりは,学内活動との両立に悩み,決して平坦なものではありませんでした。しかし,山内先生のご指導のもと,ゼミ生の皆さまから温かい支えをいただきながら研究を積み重ね,国際会議の審査を突破することができました。当日は、他の研究発表を拝聴する中で,世界が注目する英語教育の新たな可能性を強く実感いたしました。今回の研究を通して培った,物事を論理的に分析し、分かりやすく伝える力を今後の歩みに生かしてまいります。最後に,多大なるご支援を賜りました山内先生,ならびにゼミ生の皆さまに,心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

松下幸子さん(教育学部4年)

Can generative AI accurately assess originality in English essays, considering human-AI differences and prompt design revisions?「生成AIは英語エッセイの独創性を正確に評価できるのか ー人間とAIの違い,およびプロンプト設計改善を考慮して」

(要旨)同じ英文エッセイを人間と生成AIが評価するとき,単語・文法という評価基準では一致度が高かった。一方,独創性については,人間と生成AIの評価の隔たりが最も大きかった。独創性を評価する基準表(ルーブリック)を精緻に改善することによって,人間と生成AIの評価の一致度が高まることを明らかにした。

(感想)私の研究テーマは、「英語エッセイにおける独創性の評価を、AIが人間と同じように評価できるようになるための方法の提案」でした。世界中から集まった、たくさんの英語教育専門家の皆さんの前で発表させていただくのは大変緊張しましたが、様々なご意見や激励の言葉をいただきました。この発表に至るまでに、たくさんの方々のお力添えを賜りました。山内先生には、国際会議の発表という想像もできなかった素晴らしい機会をいただきました。お忙しい中でもたくさんの時間を発表準備に割いていただきましたこと、心から感謝申し上げます。そして、調査や発表準備に行き詰まった時、3人のゼミ仲間に何度も救われました。加えて、国際会議での発表は、創価女子短期大学・創価大学で学んだことの集大成だったと感じています。苦労した数々の授業が、私の英語力や発表力を養い、自信を持って発表に臨むことができました。これまで関わってくださった全ての教員の皆様にも重ねて感謝申し上げます。今年の春から東京都で公立中学校の英語科教員として働きます。翻訳機能が発達していく中でも、自分の力で外国語を使うことの楽しさを伝えられる先生を目指します。

新井めぐみさん(教育学部4年)

Effects of strategy-based prompt design on enhancing oral interaction between generative AI and EFL learners with varying proficiency 「学習方略に基づくプロンプト設計が,英語習熟度の異なる学習者と生成AIとの音声対話を向上させる効果」

(要旨)英語学習者が生成AIと音声対話するとき,心理的な支援を促すプロンプトを工夫することによって,学習者の発話量とturn(話者権)が高まることを明らかにし,学習者の英語総合力に応じてプロンプトを工夫する重要性を示した。

(感想)カナダ留学中も含めて2年間,山内先生のご指導のもと,AIとの対話が英語学習者の熟達度別スピーキングにどのような影響を与えるのかを研究してきました。試行錯誤を重ねた研究成果を国際会議という場で発表できたことは,大きな達成感と学びにつながりました。多くの研究者から貴重な意見をいただき,今後の研究への意欲が一層高まりました。このような貴重な機会を得られたことに,心より感謝しています。ありがとうございました。

国際会議終了後、ゼミ旅行として壮大なアンコール遺跡群を巡る機会にも恵まれました。

ゼミ旅行での世界遺産アンコール・ワットめぐり
Share