GCP概要
GCP理念
21世紀の価値観変化に対応し、創価大学は「創造的人間」を育成します。
GCP理念
21世紀の価値観変化に対応し、創価大学は「創造的人間」を育成します。
「創造的な人間」とミッションステートメント
21世紀に入り、これまでの価値観や既存の枠組みが世界的規模で加速度的に変化を遂げています。こうした時代にあって、創価大学はどういう人材を輩出すればいいのか。大学での教育がこれまでのように特定の専門知識の伝授にとどまってはなりません。私たちは日々思索を続ける中でひとつの結論を得ました。それは、今求められるのは、刻々と変化する厳しい現実に挑戦し、知識を生かしながら、問題を解決するために自在に智慧を発揮していく人間です。そうした人間を「創造的人間」であると考えます。
「創造的人間」とは第3回入学式(1973年)で、創立者池田大作先生が創大生が目指すべき姿として示された指針です。建学の精神を具体的に表現した「創価大学ミッションステートメント」では、本学が輩出するその人材像を下記のように表明しました。
創価大学では「人間教育」を目指し、豊かな人間性を基盤として、人類が直面する個々の問題に真摯に取り組み、智慧を発揮していく創造的人間を育成します。求められるべきは、真の「教養」をそなえた地球市民としての創造的人間にほかなりません。
地球市民とは、智慧と勇気と慈悲の人といえるでしょう。人種や民族や文化の差異を尊重し、理解し、成長の糧とする勇気。遠いところで苦しんでいる人々にも同苦し、連帯していく慈悲。その勇気と慈悲の心から、智慧は限りなく湧いてきます。創価大学は、地球市民すなわち創造的人間の連帯をもとに新たなる地球文化建設の揺籃たることを目指します。
「創価大学ミッションステートメント」より抜粋
創価大学ミッションステートメントで謳われている、智慧、勇気、慈悲の3つの要件を有した地球市民(Global Citizenship)とは、言い換えれば、スピリット(Spirit/精神性)・スキル(Skill/技術・方法)・サービス(Service/奉仕・貢献)の3つ(3S)を高いレベルで有している人材であると、私たちは考えています。
この3Sは単独では決して存在し得ません。スピリット(Spirit/精神性)とは、世界を志向し、世界の平和と人々の幸福を願う心です。そのためにはさまざまなスキル(Skill/技術・方法)を身につけることが必要不可欠になります。自身の夢や目標を実現する高いレベルのスキルを身につけて欲しいと願っています。そしてサービス(Service/奉仕・貢献)です。決して自己の利益にとどまることなく、獲得したスキルを智慧に変え、世界平和のため、人々の幸福のために貢献する勇気と行動、リーダーシップがあってこそ、スピリットもスキルも現実社会の中で大きく生きてくるのです。
GCPが求める人材像
GCPは、これらの要件を満たした地球市民の輩出を目指しています。そのために本プログラムでは、後述する5つの取り組みを通して皆さんの成長をサポートします。
将来、国際社会(国際的企業、国際協力機関など)を舞台に活躍したい、海外大学院に進学したい、国家公務員や国内企業を目指したい—そうした強い志をもつ学生を全力で応援するのがこのプログラムです。
したがって、GCPで学ぶ学生には、通常の各学部の教育課程で学ぶよりも、より強い学問探究への意欲と主体性が求められます。実際に通常の学生よりも多く科目履修を課しますし、コミュニケーションツールのひとつである語学力(英語)にも力点を置いています。
さらにこうした人材は、教員と学生、学生同士の深いつながりの中から生まれてくると考えていますので、教員や学生同士の真剣な人間的な錬磨、そして学問面での切磋琢磨を期待しています。
私たちはGCPに創価大学が有する優れた教育資源を提供し、建学の精神を具現化する地球市民を育成しゆくプログラムとしていきたいと考えています。
GCPの特徴
GCPは、いくつかの単位振替はあるものの、将来国際社会などでの活躍を目指す学生に、既存の教育課程とはまったく異なる科目を提供するものです。
GCPの特徴
GCPは、いくつかの単位振替はあるものの、将来国際社会などでの活躍を目指す学生に、既存の教育課程とはまったく異なる科目を提供するものです。
5大特徴
- それぞれの学部に所属したまま参加できる学部横断型プログラム
- 徹底した英語教育で世界に通用する英語力を養成
海外研修には奨学金給付(返還不要)により全員が参加 - 社会システムを読み解く力・数理能力をトレーニング
- 独自ゼミでグローバルに活躍する人材を育成
- 4年間にわたる少人数制によるきめ細かい指導と「建学の精神」の深化
1.それぞれの学部に所属したまま参加できる学部横断型プログラム
GCPは創価大学の一部の学部に所属する学生のみが対象ではなく、経済・経営・法・文・教育・理工学部の6学部を対象に学生を選抜します。定員は約30名と、決して多くはありませんが、入学したそれぞれの学部に所属したままの参加となります。従って、本学の一組織や一部の教員だけがGCPに関わるのではなく、創価大学全体で皆さんをサポートします。また、それぞれの学部の学生が集まることで、多様性が育まれることを期待しています。
英語や数理能力、課題発見・解決能力などを養成する科目をはじめ、世界水準の教養を目指す土台作りとして、最初の2年間で集中的にどの分野にも共通する学問の基礎(教養)を学びます。本プログラム全体で32単位を修得します。
これらの科目(32単位)は各学部のカリキュラムとは別に提供しますので、各学部の卒業要件単位数に上乗せが必要です。
2.徹底した英語教育で世界に通用する英語力を養成
海外研修には奨学金給付(返還不要)により全員が参加
GCPでは独自の集中英語講座で海外大学院留学レベルの英語力と国内外一流企業や国際機関に就職する際に求められる高度な英語コミュニケーション能力の修得を目指します。入学後、最初の2年間で集中的に週4回(2科目×週2回)の授業を履修し、徹底的に英語脳を鍛え、英語圏の大学院進学時に求められるレベルの読解力・ライティング能力・論理的思考力・ディスカッションやプレゼンテーションの技能などを総合的に磨きます。
GCPの英語授業はすべて英語で行われます。授業外でも英語教員との会話はすべて英語で行われるため、日常的に英語を使うことにより、コミュニケーション能力を飛躍的に伸ばすことができます。少人数による参加型の授業では、積極的に発言し貢献する姿勢が求められます。また、4年間という短い期間で、国際標準の語学力を身につけるためには、効果的な自己学習が欠かせません。地道な努力をいとわず学習を進める意欲と、モチベーションを維持することが必要です。
さらに、GCP受講者全員に、海外研修費用として返還不要の奨学金が給付され、全員が海外短期研修に参加します。GCPの海外研修では、開発途上国を訪問し、政治・経済・環境・教育など、開発途上国がかかえるさまざまな問題についての講義を英語で受け、貧困地域の学校・施設を訪問し、開発・環境・教育問題の現状について理解を深めていきます。
GCP海外短期研修は、例年フィリピンで行っています。フィリピンでは英語が第二公用語であり、街のあちらこちらで英語が使われ、大学の授業も英語で行われているため、生きた英語を体験することができます。また、フィリピンは比較的日本からも近く、豊かな自然と多文化・多民族の共生、開発途上国の現状を実際に自分の目で見て学べるため、国際貢献を志す創大生の短期留学先の中でも最も人気がある国のひとつです。アジア開発銀行(マニラに本部を置く国際機関)を訪問し、開発援助に関する特別講義を受講するなど、非常に充実した内容となっています。
3.社会システムを読み解く力 数理能力をトレーニング
国際社会や一流企業で活躍するためには、日々蓄積される膨大かつ多種多様なデータを効率的に活用し、集計や検索、高度な分析などを、スピーディーに処理できる能力が不可欠です。数学的な発想から現実の社会を眺めてみると、今まで気付かなかったことが見えてきます。
問題解決の第一歩は、現状の把握です。「社会システム・ソリューションI」では、社会の現状を把握し、意思決定を行うために必要なデータ分析能力を修得します。データを扱うための学問は統計学ですので、グラフ作成スキルをはじめとして、確率・統計の知識を身につけながら、社会現象を読み解くトレーニングを行います。データ分析能力は、例えば、ビジネス戦略や行政施策を立案・検討する際に、大きな効果を発揮します。ここで学んだ知識は、現状把握だけでなく、プランの妥当性のチェックにも応用していけるからです。
また、「社会システム・ソリューションII」では、日々激しく変化する社会システム、経営システム、情報システムなどに立ち向かうため、種々の問題発見とその解決方法に関する数理学的基礎知識を身につけます。一般的に、問題発見学または問題解決学といわれているオペレーションズ・リサーチの主要な技法を学び、数学的な観点から理論的に系統立てた考え方を、具体的な諸問題に適用します。さらに、複雑な現象の把握や予測、方策の検討、意思決定などを戦略的かつ効果的に実行するための抽象化(モデル化)の技法も学びます。
4.独自ゼミでグローバルに活躍する人材を育成
GCPは、グローバル化時代に要請される人材を育成することを目的としています。そのために、充実した内容の「プログラムゼミ」が設けられています。ゼミでは、グローバルな視野とローカルな視点を併せ持ちながら、現代社会が直面するさまざまな課題を発見し、問題の解決策を自ら提案していくことのできる地球市民としての資質を養っていきます。
セメスターごとにそれぞれ独自のゼミが設けられ、2年間で4つのゼミを学びます。スタートプログラムである「キャリア&リーダーシップ」(1セメスター)では、リーダーに求められる自己理解力や、ビジョン形成力、マネジメント能力、コミュニケーション能力などの基礎を主にグループ学習によって体験的に修得していきます。「ベーシック・リサーチ」(2セメスター)では、課題を発見する能力、資料を収集し分析するスキル、さらには、論文の作成とプレゼンテーションの方法など、アカデミック・スキルの基礎を学びます。「ポリシー・スタディーズ」(3セメスター)では、現代社会が抱えるさまざまな課題を発見し、学生自らがテーマ設定をし、共同研究を進めていきます。課題を複合的・構造的に把握しながら、体系的な分析を行い、リサーチペーパーを作成します。プログラムゼミの到達点となる「グローバル・イシュー」(4セメスター)では、地球環境問題や、資源・エネルギー問題、貧困・食糧問題、さらには民族紛争やテロといったグローバル・プロブレマティーク(地球的問題群)について、多角的・学際的にアプローチを進め、問題の解決策を広く社会へと提案することに挑戦していきます。
このプログラムゼミは、教員と学生との知的交流や学生相互の啓発を通して、学問的に考察することの楽しさを覚えるとともに、高い学びの成果を得ることができます。
5.4年間にわたる少人数制によるきめ細かい指導と「建学の精神」の深化
学生一人ひとりの学問分野や進路に合わせて、専任教員が、4年間きめ細かく個別指導を行います。まず入学してから2年次が終わるまでは、「進路を模索し、歩む道を見つける2年間」です。この時期はプログラムが提供するハイレベルな科目群を集中的に学び、基礎能力を徹底的に鍛え上げます。きちんとした自己管理能力も試されることになります。そうした学びの成果を最大限に引き出せるように、教員1人あたり5〜10名の少人数体制を組んで、週に一度の集まり(チュートリアル)や個別相談・指導などを通して、学生生活を全力でサポートしていきます。
そしてこの2年間で身につけたスキルを携えて、いよいよ3年次以降は、学生一人ひとりが具体的な進路を勝ち取り、社会に貢献する創大生に成長する時、すなわち「進路を決定して、夢を実現する2年間」を迎えます。ここでは、就職や公務員試験、あるいは海外大学院への進学など、多様な進路に最も適切な経験を有した教員のもと、進路を勝ち取る準備を重ねていくことになります。例えば海外大学院に進学するために、時には教員と学生が一対一で向き合い、真剣勝負の個人指導を行うこともあります。
このようにプログラムの学生はみな、入学から卒業に至るまで、熱意あふれる教員からきめ細かい個別指導を受けます。そしてこのチュートリアルシステムを通して築いた教職員との信頼関係、そして何よりも同じ志を持った仲間と育んだ友情と絆は、生涯変わらぬ大切な財産となることでしょう。
さらに創立者の海外諸大学での講演などを学び合い、建学の精神を深めると共に、地球市民の意義を探究します。
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入学から卒業まで
GCPは、6学部の学生を対象としています。学部の単位を修得しながら、プログラム科目を並行履修、修了時に学士号と認定証を授与します。
入学から卒業まで
GCPは、6学部の学生を対象としています。学部の単位を修得しながら、プログラム科目を並行履修、修了時に学士号と認定証を授与します。
1.GCPで開講される科目
GCPでは、下表の授業を開講しています。これらの授業は、放課後(5・6時限目※)を中心に開講しており、通常の授業と並行して本プログラムの科目を履修していきます。GCPを修了するためには、プログラム修了に必要な単位を全て修得する必要があります。
プログラム修了に必要な単位数には含まれていませんが、GCPではこれらの科目のほかに、長期休業期間を利用しての海外短期研修などのプログラムを開設しています。なお、今後の社会システム・ソリューションの履修形態については変更の可能性があります。
Global Citizenship Program の履修科目(2年間)
科目名 | 各セメスターで修得すべき単位数 | 開講期 | 履修合計単位 |
---|---|---|---|
チュートリアル | 1単位 | 1~2年 | 4単位 |
プログラムゼミ | 2単位 | 1~2年 | 8単位 |
社会システム・ソリューション | 2単位 | 1年後期 2年前期 | 4単位 |
GCP英語 | 4単位(2単位×2科目) | 1~2年 | 16単位 |
2年間の履修単位数の合計 | 32単位 |
2.入学から卒業までの流れ
GCPは、6学部(経済・経営・法・文・教育・理工)に所属する学生を対象としています。したがって、GCPを受講する場合は、所属する学部が定める卒業に必要な単位を修得しながら、並行して本プログラムの科目を履修することになります。プログラム修了に必要な単位を全て修得すると、卒業時に、所属学部の学士号のほか、プログラム修了認定証が授与されます。
3.履修上の注意事項等
【教育職員免許状等の取得について】
GCPは、各学部に所属しながら参加するプログラムです。したがって、それぞれの学部を卒業することで与えられる資格(教育職員免許状等)を得るためには、各学部所定の科目を履修する必要があります。よって、卒業に必要な単位と並行して修得していくため、場合によっては、教育職員免許状取得に必要な単位修得に、5年以上かかることがあります。
【日常の学習について】
所属する学部・学科によっては1年次より専門科目が配置され、それらの授業での課題も多く出されます。従って全体としての課題量が多くなる場合があります。
【在学中の留学について】
在学中に、1年間ないしは半年間、海外大学に留学する場合は、時期としては4セメスター(3年生)以降を推奨しています。
また、卒業後の進路が企業就職の場合、3年後期(6セメスター)より、就職活動が本格的に始まります。近年は、これまでの就職活動スケジュールより前倒しで、会社説明会や就職試験などを実施する企業が増加傾向にあります。そのため、3年次に留学する場合は、留学後に就職活動を行えるようにこれらのことを十分に考慮し、留学時期や期間などをご相談ください。
学長あいさつ
学長あいさつ
創価大学のGCP(グローバルシティズンシッププログラム)は、2010年にスタートをしました。このプログラムは、創価大学に入学してくる学生の多くが、将来国際社会で活躍したいという思いを抱いていますが、その夢の実現を支援するために考え出されたものです。こうしたプログラムの設置を提案し、実現するまでに、約2年を要しました。国際社会で活躍するためには、ただ語学ができるだけではなく、必要とされる資質を身につけることが求められます。そうした資質をどのように教育プログラムの中で実現するかを、考え抜きました。
GCPの卒業生は、外務省専門職、海外・国内大学院、外資系企業をはじめとする多様な進路を歩んでいます。このプログラムを実施して痛感していることは、プログラムの理念・内容も大事ですが、それ以上に、担当する教員の情熱と参加する学生の積極的なコミットメントが、成功のカギを握るということです。最初に参加をしてくれた学生たちが、GCPの意義・目的を良く理解してくれ、相互に励ましあいながら、競って高みを目指してくれたおかげで、本プログラムは、とても良い方向へ発展することができたと思っています。これから入学してくる学生たちにも、是非このGCPに参加をし、自身の高い理想・夢の実現に挑戦してもらいたいと思います。