山崎智美さん

<いま、どんなお仕事をされていますか?>
 

平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業「プライマリー・コース」の海外派遣を通じて、世界的な人の移動(移住)の問題を専門に扱う国連機関である、国際移住機関(International Organization for Migration:IOM)のナイジェリア事務所で勤務しています。

IOMは、「正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらす」 という基本理念に基づき、移住に関する様々な課題の解決に努めています。現場主義の機関であることから、2020年末時点で、世界165ヵ国に450ヵ所の現地事務所があります。


 

<現在の仕事のやりがいを教えて下さい>
 

IOMはナイジェリア国内で活動する最大規模の国連機関で、国内避難民支援や人身売買の防止・被害者支援、国境管理支援など、様々なプログラムを展開しています。こうした多岐にわたるプログラムの事業形成やモニタリング評価、報告書の作成等をサポートすることが、私の所属するプログラム・サポート部の重要な役割です。

ナイジェリアの地方行政政府との面談
異なるプログラムの担当者と、ナイジェリアの平和と安定という共通の目的の下で協力しながら、新規事業やモニタリング評価計画・ツール、報告書を作成していく業務には、大変にやりがいを感じています。


 

<現在の仕事を目指したきっかけはありますか?>
 

私がIOMの専門とする「人の移動」に関心を持つようになったきっかけは、大学院在学中にインターンシップを行ったウガンダの難民居住地区での経験です。留学やインターンシップ、旅行などで「自発的」に移動している自分がいるのに対し、ここで生活する難民の人々は、自国での紛争等から逃れるために「強制的」に移動させられ、厳しい生活を強いられていることに胸が痛みました。


 

<学生時代、文学部での授業やゼミで印象深い思い出はありますか?>
 

玉井秀樹先生のゼミ合宿で沖縄を訪問したことです。沖縄戦や米軍基地の課題について現地で様々な人の意見を聞き、「人間の安全保障」についてゼミの仲間と議論した経験はとても印象的深い思い出です。

<大学時代の学びが生きていると感じることはありますか?>
 

平和や安全保障上の課題について幅広い知識を身に付けられたことが、現在の実務家としてのキャリアに繋がっていると感じます。

文学部の平和・紛争解決学メジャーでの学びに加え、国際連合研究会の仲間と世界の抱える課題について議論し、フィリピン留学を通じて貧困と開発について学んだことにより、視野が広がり、平和な世界の実現のためには紛争や貧困など様々な課題の克服が必要であると気づくことができました。

フィリピンのインターン先でのワークショップ

<創価大学文学部の魅力はなんだと思いますか?>
 

専攻分野の幅が広く、多彩な点です。

私自身、入学当時は英語科の高校教師を進路として考えていたため、「異文化コミュニケーション(英語)メジャー」を専攻するつもりで文学部に入ったのですが、2年次後期に履修した「平和構築概論」の授業に刺激を受け、結果的に3・4年次には「平和・紛争解決学メジャー」(当時)を専攻しました。

創価大学文学部のおかげで自分の興味の分野が見つかり、入学時には想像もしていなかったキャリアを切り開くことができたと思います。


 

<これからの目標を教えてください!>
 

2022年1月末より、Junior Professional Officer(JPO)派遣制度を通じて、IOMギリシャ事務所で勤務する予定です。今後も引き続き避難民支援に尽力していきたいと思います。



<文学部生へ一言>
ゼミや履修した授業の先生、同期や先輩、後輩等との出会いを大切に、自分力を発見し向上させる努力を続けて行ってください。応援しています。



<未来の文学部生(受験生)へ一言>
1・2年次に多様な科目を履修して視野を広げ、3・4年次に興味関心のある専攻分野について学びを深めることのできる点は、創価大学文学部の魅力であると感じます。皆さんの合格をお祈りしています。

ナイジェリアの除隊兵士リハビリテーション・センターにて
  • キャンパスガイド2023文学部
  • 英語DD
  • 中国語DD
  • 【留学日記】イギリス・バッキンガム大学 夏期語学研修
  • 【留学日記】インド・セントスティーブンカレッジ 春季語学研修