留学日記(中国・北京語言大学 中国語DD15期)

2023年9月7日

こんにちは!
前回に引き続きみなさんにチベットの魅力を紹介していきたいと思います!
 
8月16日、この日は朝7時にバスに乗り、チベット三大湖の一つであるヤムドゥク湖を一望できるカンパラ峠へ向かいました。ヤムドゥク湖は標高が約4500mの地域にできた湖で、カンパラ峠は標高が約4750mあります。ホテルを出発した時は雲が多かったのですが、到着した頃には青空が広がり、美しい景色をカメラに収めることができてよかったです。

カンパラ峠の碑石
ヤムドゥク湖一望
ベランダのところ / 自撮り

ちなみに、家族用に自分と背景が映った写真をとっているときに中国人の旅行客が「そのポーズいいねえ!」と気さくに声をかけてくれました。彼女は雪さんといい、湖南省からやってきたそう。とても綺麗な方で、一緒に写真を撮りました(*´∀`*)
 
その後昼食の場所へ向かいました。と言ってもラサ市に戻ったわけではなく、カンパラ峠近くのレストランへ(近いと言っても渋滞なしのバスで80分かかりました。広いですね〜)。

食後は永久氷河であるカロー・ラ氷河へ移動し、ノジンカンサン山(標高約7650m)とカロー・ラ氷河を眺望しました。ここでガイドさんが事前に私たちに「カロー・ラ氷河周辺にいるヤクなどの動物の写真を撮らないこと!お金を取られます!」と教えてくださいました。
なるほど…と思いながらも、実際に着けば現地の人たちの商魂逞しさに苦笑い(^^;)
ものすごい勢いであれを買わないかこれを買わないかと迫ってきたので、中国語も英語もわからないフリです…。一度買ってしまうと他の商売人にも「あいつは押せば買ってくれるヤツだ」と電波してしまうので、さっさと写真を撮ってバスへ逃げ込みました。

移動中撮影の山脈
氷山

実はここで体調に変化が…。連日の睡眠不足と、標高が高い山道を長時間バスで移動、また日差しが強い道で2時間ほど寝てしまい、軽く水分不足になりながらカロー・ラ氷河の近くで雨風に吹かれ、さすがの私もパルスオキシメーターの数値が63まで下がってしまいました(T ^ T)
その後酸素ボンベを利用し、無事92まで戻りました!

パルスオキシメータービフォーアフター

ラサへ戻る途中にチベット民家を訪問、バター茶やツンバを経験しました。
チベットの民家は主に二階建てです。一階は住居ではなくお店などに使われるそうです。二階の客間には駄菓子屋などで見かける冷凍ショーケースが冷蔵庫代わりとして使われていました。ポタラ宮のポスターのようなものが丁寧に飾られていたりなど、彼らの生活に仏教が深く根付き、密接な関係があるのだと改めて実感しました。
チベットのバター茶というのは、お茶と言いつつ本当にバターです。バターをお湯で溶かし、少量の塩を加えた飲み物(?)。ガイドの方も週に2、3回ほど朝に飲むそうです。ツンバというのは、大麦という植物の粉を、ヤクかヤギの牛乳から作ったチーズの粉、砂糖、バター(個体と液体どちらも)を混ぜ合わせた食べ物です。食べてみるとびっくり!駄菓子のきな粉棒のような味がしました。チベットの方はこれを毎朝食べるそうです。このツンバから砂糖を抜いたものが、昔は糖尿病の薬として食されていたようです。治るのでしょうか…?
ちなみに、民家でお手洗いをお借りしたのですが、なんとも開放的な構造でした…(^-^;
チベット式ブレックファーストや素朴で色鮮やかな生活は、私に異文化の魅力を感じさせてくれました。歓迎してくださったチベット民家の皆さま、心温かく迎えてくださりありがとうございました!

チベット民家正面写真
お手洗い

ラサへ戻り、チベット仏教サギャ派の寺院の一つであるグガルチュテン寺へ移動。多くの寺院にある壁画は修復されたものになりますが、ここグガルチュテンは現物をそのまま見ることができます。

グガルチュテン寺壁画

夕食はチベット料理です。
旅行最後の夜ご飯、すっかり友人となった旅行客の皆さんとも明日でお別れになるのかと思うと、とても寂しい気持ちになります。これほど時間が過ぎるのを早く感じたことはありません( ; ; )
美しい景色や歴史ある仏教文化、芸術や建築物など、さまざまな経験をしましたが、こんなにも旅行が楽しく、大成功に終わったのは、ガイドさん含め素敵な旅行仲間に巡り会えたからだと思います。

チベット料理のお店

8月17日、旅行最終日です。今日は午前に夏の離宮ノルブリンカを見学、観光しました。ここはポタラ宮と同じく、ダライ・ラマが政治を行った場所であり、浴室や待合室などもあります。ガイドさん曰く、ここは寺院でありながら敷地内に動物園などがあるそうです。朝10時の(実質朝の8時ぐらい)のノルブリンカは、空気が澄み渡り、建造物を彩る噴水や花々が輝いて見えました。まるで一幅の名画のようです。またこの日の午前はノルブリンカでイベントがあるそうで、多くのチベットの方がレジャーシートを敷いて祭りの始まりを待っていました。

ノルブリンカ
お祭り

飛行機で約3時間ほどで北京首都空港に到着。旅行客の皆さんともさよならです。
改めて、6日間本当にありがとうございました。
みなさんのご健勝とご活躍を心からお祈りしています!
 
タクシー乗り場に到着すると、ここでまた奇跡が!タクシーの運転手さんがやけに肌が焼けていて数珠のブレスレットのようなものをつけているではありませんか...!実はこのタクシーの運転手さんは、お父さんがチベットの方だそう。ちょうどチベットから帰ってきたことを伝えると、話に華が咲きました。
 
無事に大学へ着き、最後の出会いにも別れを告げます。
帰ってきた北京は雨が降った後なのか、すごく蒸し暑かったです。もうこの時点で、チベットのカラリとした気候が恋しくなりました笑。
 
お読みいただきありがとうございました。


M.K.

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2023年9月6日

こんにちは!
前回に引き続きチベット旅行についてご紹介していこうと思います。
 
西寧駅から青蔵鉄道という寝台列車で約22時間ほどかけてラサへ向かいます。
3人の中国人の旅行客と同じ部屋になり、和気あいあいとお互い自己紹介や出身地を話し合い、夜の旅が始まりました。
どんどん標高が高くなるにつれ、体調が悪くなる旅行客の方もいましたが、私は基本的にピンピンしていて、列車内を散歩したり乗務員さんと写真を撮るなど悠々自適に過ごしました╰(*´︶`*)╯
風景を眺めていると、突然乗務員さんが廊下でメガホンを持ち、寝台列車旅の見どころを紹介し始めました。興味深かったのが、生命限界地帯のタングラ峠・タングラトンネルについての紹介です。「このトンネルは、中国人が命をかけてつくったものであり、中国だけでなく全世界の功績、財産といえるでしょう!」と力強く熱弁する姿に、自分の国に対する誇りを感じました。一通り説明が終わると、乗務員さんが何やら物販を始めました!すでに発行停止となった青蔵鉄道の各駅チケットや見どころ解説がセットになった本を思わず購入(98元、約2000円)。那曲駅や唐古拉駅の紹介を読みながら実際の駅や広大な自然を楽しむという優雅なひと時を過ごしました。

青蔵鉄道
ヤギの群れ
那曲駅

夜の8時ごろにラサ駅に到着!夜といっても、ラサは北京と比べると実際は二時間ほど時差があるため、とても明るかったです(ちなみにラサ駅構内は一部撮影禁止になっています)。チベットは2000年代始めに中国政府による開発が進み、ラサ駅周辺は北京とも変わらぬほど明るく、漢族が多いです。伝統的なチベット民家は周辺にはありませんでした。

ホテル
食堂

8月14日、朝9時のバスに乗り、ついにポタラ宮へやってきました!
7世紀には中央の赤い建物しかありませんでしたが、その後5世ダライ・ラマが増築させたポタラ宮。標高は約3700m、すでに富士山とどっこいどっこいです。

ポタラ宮

8月16日からチベット族にとって一年で一番大事な祭り「ショトン祭り」というものがあるらしく、街一体となって周辺は華やかなムードでした。ちなみに、チベットの建造物に使われている色にはそれぞれ意味があります。白は「慈悲」を表し、赤は「知性」を表します。窓枠に使われている黒は「魔除け」の意味合いがあります。また、黄色は「権力」を象徴しているそうです。ダライ・ラマ14世が亡命した後は、中国政府がポタラ宮を管理しており、年に一度は外装などをきれいにするそうです(ここ数年はコロナの影響で塗装修理はされていないようでした)。ポタラ宮は約3000室以上の部屋があるそうですが、ほとんどは開放されていないそうです。
また、ポタラ宮は、1983年に中国政府により電気が導入されたらしいですが、その翌年1984年に火災が発生、弥勒菩薩の仏像の頭部が焼失し、その後修復されました。
外壁に沿って階段を15分ほどジグザグに進み、ようやくお城に入りました。チベット仏教の建物の特徴なのですが、ここでは一度進んだ道を戻ることはなく、左側通行で寺院をぐるっと巡ります。なので最初に入った場所と最後に出る場所が違い、また寺院の構造が上下左右に移動も激しいため、一本道ではありますがちょっとした迷路に迷い込んだようでとても面白く飽きませんでした(о´∀`о)
 
お昼はネパール料理のレストランへ行きました!カレーとナンがすごく美味しかったです!
 
午後はチベット仏教の総本山と言われるジョカン寺(大昭寺)と世界最古の門前町と言われているパルコル(八角街)を見学・散策しました。

ジョカン寺
パルコル

門前町の中にはバターをバケツで売っているお店がありました。

バケツバターの店

夜ごはんは四川料理でした!ラサビールを飲みながら辛い料理(特にジャガイモ)を食べると無限に箸が進むという永久機関を発見してしまいました…!
 
8月15日、この日はチベット仏教ゲルク派最大規模の寺院であるデプン寺、チベット人達巡礼路終点にある寺(チャクポリン)、仏教学者・河口慧海も学んだセラ寺を見学・観光しました。

デプン寺は岩山の傾斜に沿って建てられており、標高は約3600mもあります。このころから標高のスケール基準がバグってきました(^^)
寺院の手前ではサンという儀式?を10元(約200円)で体験しました。ヒノキの粉をお線香代わりに焚き、サンバ(白い粉)とお水を3回ずつ入れ、最後に祈るという行程です。ガイドさん曰く、仏教徒の中にはお布施のバターを買えないほど裕福ではない方もおり、その人たちのためにサンがあるそうです。ラサ市内でもデプン寺周辺はチベット族が多いです。

デプン寺

セラ寺ではチベット僧が広場で問答を行っていました。この問答というのは立っている僧が座っている僧に質問をするというものです。座ってぼーっと見ていると、後ろから中国語で声をかけられました。振り返ると若いチベット僧が「どこから来たの?」と気さくに話しかけてきたので、そのままおしゃべり開始です。彼は川蔵というチベットの別の地域から修行に来ているそうです。チベットと日本の交流に会話を弾ませていると、向こうが「この後予定はあるの?」などなど聞いてくるではありませんか!思わず「煩悩...!」と心の中で思いました。

セラ寺正面
問答の様子

その後夕食はチベットの鍋料理のお店に行きました。
チベットの楽器演奏や歌などが披露されていました。周りはチベットの方々というより中国人などの観光客が多い印象でした。

鍋料理

夜はポタラ宮のライトアップを楽しみました。
水面に反射したポタラ宮をカメラに収めるため、6人であれやこれや試行錯誤をしながら写真を撮り続けたのはいい思い出です。

ポタラ宮ライトアップ

明日は標高4500m以上の場所に行くため、この日は早めに寝ました(_ _).。o○
 
To be continued…


M.K.

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2023年9月5日

DD15期、記念すべき初投稿です!
 
みなさんこんにちは、初めまして。
今年の4月5日に中国の地に降り立ち、約5ヶ月が過ぎました。
 
本来ならば2年間の留学期間であるダブルディグリーですが、すでに1年の留学期間をオンラインで終えてしまったDD15期は、来年2025年の1月末には日本に帰国予定となります。
残り短い留学期間ですが、少しでもみなさんに中国という国の面白さ、奥深さをお伝えできればと思います(*´꒳`*)
 
今回私は、北京に住んでいる日本人を対象としたチベット6日間のツアー旅行に1人で参加してきました。場所は西寧と拉薩になります。チベット?!と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。私も4月に北京に来たばかりの頃は、まさか自分がチベットに1人で行くなんて思ってもいませんでした笑。
ちなみに、現在チベットに入るには入蔵許可証というものが必要で、ツアーを通してのみ入手できます。

8月12日、北京首都空港から西寧空港へ、朝7時半発の飛行機に乗り空の旅です!ちなみに今回の旅行で1番大変だったことは初日の飛行機に間に合うために朝4時に起きたことです(-。-;
現地に着くとガイドさんが旅行客を出待ちで迎えてくださいました。今回のツアーには私以外にも参加された方々が5名ほどいらっしゃいました。みなさん北京で働く駐在員ですが、全員社会経験豊富な壮年ということで、私はお会いする前、実はかなり緊張していました笑。

西寧空港

バスに乗ってまず向かったのがお昼ご飯!旅行最初の食事は回族料理でした。
チベットの食事は全体的に香辛料がよく効いていて、風味豊かで、とても美味しいです!そして何よりもジャガイモがとても美味しいんです!!チベットは基本的に標高が3000メートル以上の土地になります。高緯度を好むジャガイモが美味しく育つのもそのためでしょうか…?

お腹いっぱい!元気いっぱい!ということで午後は西寧の青海蔵文化博物館を見学しました。この博物館は、古代のチベット薬医学、仏教建築物など多くのチベット文化を紹介しており、とても面白いです。例えば、チベット医学では人の唾液や尿などの排出物からその人の症状を判断していたそうです。また薬の種類は2000を超え、数多く文献として残っています。展示品の解説欄は基本的にチベット語と中国語でした。中国語の解説から得た情報で、知り合ったばかりの旅行客の方とお話しすると、あっという間に打ち解けました。世代を超えた友情を結ぶきっかけになり、「しっかり中国語を勉強してよかったな」なんて思います。

青海蔵文化博物院

この博物館で何より興味深かったのが《中国蔵族文化芸術彩絵大観》という約600メートルもある絵巻物です。青海、チベット、甘粛、四川、雲南の5省区からチベット族、モンゴル族、漢族、トゥー族400名余りの美術工芸家が集まり、4年もの歳月をかけて完成させたこの絵巻物は、チベット族の歴史やチベット仏教の各宗派の源流などを表した壮大な芸術作品です。チベットの悠久の歴史を、色鮮やかかつ迫力ある絵巻として後世に残そうとする試みに、圧倒されました。ですがとにかく長いもので、端からじっくり見ていると半分ほどで飽きてしまいました…(ー ー;)

博物館のあとはチベット寺院です!ツアーでは合計八つの寺院を見学しました。最初の寺院はチベット仏教ゲルク派六大寺院タール寺です。タール寺は大小100以上の建築群がある壮大な寺院です。バスからバギーに乗り換え、タール寺付近まで移動しました。寺院ではとにかくバターが活用されており、ろうそくの蝋の代わりにバター!お布施にもバター(固形)!仏像や寺院の壁・床にもバター!などなど、バターが幅広く活用されていました(チベットの寺院では基本的にこんなかんじでバターがたくさん使用されています)。

タール寺周辺の寺院
バターでできた仏像

タール寺自体は、アンテナのような装飾がついた八つの建造物であり、ガイドの方曰く釈迦が生前行った八つの善行為を表しているそうです。また、ガイドの方が教えてくださったのですが、文化大革命の際、チベットでは何体かの仏像が破壊されたそうです。その中で一体、毛沢東や共産党に賛同する文言が書かれた仏像だけは破壊を免れたそうです。チベットという地域の複雑性を改めて感じた瞬間でした。

タール寺

見学も一通り終わり、夕食へ向かうためバスに戻ろうと歩いていると、屋台のようなお店で現地の特産品のようなアイスが売られていました。天気も暑く、歩き疲れて甘いものが欲しかったので購入、観光地なので破格の高値かと思いきやたったの5元(約100円)というお手頃価格!まろやかなミルク味で疲れが癒されました〜(写真を撮るのをすっかり忘れていました…食べ終わってからやっと気づきました( ノД`)…)。
その後は夕食を済ませ、さあ次は待ちに待った寝台列車です!
 
To be continued…


M.K.

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