文学部教員・文学部生より:この夏、学生の皆さんに読んでもらいたい、触れてもらいたいもの(2021) 12

「今だからこそ大学生に読んで欲しい、触れて欲しい作品」というテーマのもと、文学部教員・文学部生からおすすめの作品を紹介していただきました。『おうち時間』を活用して、是非、作品に触れてみてください。
12.蝶名林亮 准教授推薦:『パラドックス』 中村秀吉 講談社学術文庫
哲学的な問いを本格的に考えたい人に手に取って頂きたい本です。順を追ってじっくり考えながら読むことが求められる一書です。この本の著者は、「哲学的な問いはパラドックスの形に昇華されて論じられるべきである」という考えを持っていますが、私もこの意見に賛成です。哲学は、われわれが日常的に信じていることから導かれるパラドックスに気がつき、それに対してどう答えるか探究する営みだと思います。