2022年10月19日 09時20分

留学日記(イギリス・バッキンガム大学英語DD9期 2022年10月11日) 

みなさんこんにちは!

第26回DD日記です!今回は先月崩御されたエリザベス2世の国葬についてです。

 

2022年9月8日、イギリスと英連邦に70年に渡り君臨したエリザベス2世が逝去されました。当日の午前中、女王の容体が好ましくないとBBC等で速報がありました。正午過ぎには、王室メンバーが女王の静養先であるバルモラル城に向かっているとの報道があり、多くのメディアがバルモラル城とバッキンガム宮殿の門前から中継を開始していました。

そして、午後3時10分に女王が崩御されたと王室から発表がありました。発表は、君主の公式な住まいであるバッキンガム宮殿のフェンスに女王の死を知らせる書状が掲示される形で行われました。発表から間も無く、街中や大学に弔旗が掲揚され、各町の教会では亡くなった年齢にちなみ96回追悼の鐘が鳴らされました。

僕のいた町では発表の5分後には弔旗が掲げられ、ほとんど全ての店がその日の営業を取りやめており、女王の死去がどれだけ国民に大きなインパクトを与えたかを肌で実感することができました。

女王の死去から葬儀までの約10日間は息子のチャールズ3世に王位を移行し、女王を送り出すための様々な伝統行事が国内外で行われました。女王が亡くなった瞬間に王位は自動的に当時のチャールズ皇太子に引き継がれたのですが、9月10日にはそのことを示すための宣誓式がロンドンで行われ、王室評議会の議長が新国王の即位を宣言する文言を読み上げ新しく歌詞の変わった国歌が斉唱されました。これに伴い同様の儀式がそれぞれの町で行われ、バッキンガムでも町の中心で国王の即位が宣言されました。

また、イギリスだけでなく、カナダやアフリカ諸国、オーストラリアなどの英連邦でも同様の宣言が国会などで読み上げられました。それ以降は国王がスコットランドや北アイルランドなどの英国を構成する4つの国(地域)に赴き、それぞれの議会で演説する様子などが広く報道されていました。

女王の棺は一連の行事に備え、スコットランドでの一般公開を終えた後バッキンガム宮殿に戻り、葬儀までの4日間ビッグベンの隣にあるウェストミンンスターホールに安置され一般に公開されました。葬儀は19日に安置されているホールから数100メートルの距離にあるウェストミンンスター寺院で執り行われました。

 

僕たちは葬列を見るため前日にロンドンに到着したのですが、会場の近くは本当に多くの報道陣や弔問客で溢れかえっており、どれだけ歴史的な行事であるかを体感しました。あらかじめ発表されていた葬列のルート沿いにはテントや椅子を用意し、女王と最後のお別れをするために大勢の人が前日から待機をしていました。

僕たちも空いていたスペースに毛布を敷き翌日まで待っていたのですが、9月のロンドンは寒く、ダウンジャケットがあっても足りないくらいでした。周りにも家族や友人と夜通し葬列を待つ人たちがおり、それぞれの女王への想いを語りながら夜を過ごしていました。

葬儀当日は早朝からより多くの人が集まり葬列がくるのを待っていました。葬儀は街中に設置されたスクリーンやスピーカーを通して中継され、街全体が厳粛な雰囲気に包まれていました。葬儀開始直後から軍の様々な部隊が通りに並び始め、葬列の開始に備えていました。式典の終了後棺はウェストミンスター寺院から運び出され、葬列を組みバッキンガム宮殿の近くまで向かいます。葬列では、一定の間隔で配置されていたそれぞれの軍楽隊が後ろから順に葬送行進曲の演奏を開始し、前にいた部隊もそれに合わせ行進を開始していきます。列全体が通過するまで約30分を要する葬列で、英連邦各国から3,000人近くの兵士や国のために働く人々が参加したと言われています。列の中心では女王の棺に続き、新国王、王族が軍服等に身を包み行進していました。棺が目の前を通り過ぎる時には、頭を下げる人やお礼の言葉を口にする人、あるいは女王との最後の別れに涙を浮かべる人が見られ、女王がどれだけ国民から愛されていたかを改めて痛感しました。

全体として非常に威厳のある式典で、貴重な経験をすることができました。イギリスでは現在喪に服す期間は終了し、人々の関心は来年5月の新国王の戴冠式へと移ろいつつあります。The United Kingdom (連合王国) の国名を感じることができた一連の行事でした。

 

悲しい出来事ではありましたが、イギリスならではの新たな経験ができたことに感謝し、日々の学業にもより一層尽力してまいります。

 

 

N.S.

ページ公開日:2022年10月19日 09時20分
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