文学部教員・文学部生より:この夏、学生の皆さんに読んでもらいたい、触れてもらいたいもの(2024) 16
2020年度から行ってきました文学部HPの夏企画「この夏、学生の皆さんに読んでもらいたい、触れてもらいたいもの」を今年も実施いたします。高校生やHP閲覧者の皆さんの夏休みが充実するような作品を紹介していきたいと思います。
16.文学部4年生 推薦:「なるほどそうだったのか!ハマスとガザ戦争」 高橋和夫 幻冬舎
ハマスとイスラエルの戦争という時事問題について解説する本です。出版当時の最新の情勢を扱っています。著者の高橋さんの文章は個人的に分かりやすく読みやすいと感じます。その理由は一文に2つ以上の情報がないことが多いので分かりやすく読めます。また、堅苦しい単語やフレーズも少ないです。私は以前に「非常に困難な」のような抽象的な表現ではなく「届かないと思われていた」のような自分の言葉で簡単に言い換えるという文章の書き方を学んだことがあります。高橋さんの文章にも似たようなものを感じます。漢字熟語が多くて難しい論文のような文章ではなく、高橋さんが自分の言葉で分かりやすく言い換えて書いているように感じます。また、問題を分かりやすくするために例えがよく出てきます。イスラエルとハマスの軍事的な力関係をイスラエルがメジャーリーグでハマスがリトルリーグと例えているのが一例です。まるで酒場で解説して貰っているかのようにすらすらと読むことができます。