ショーペンハウアー哲学に関する講演会を開催しました

2025年7月5日、創価大学中央教育棟にてヤン・ツォンウェイ氏(湖北大学准教授)を講師に迎え、講演会「ショーペンハウアーの学位論文の2つの版における身体の異なる役割」が開催されました(主催:文学部伊藤貴雄ゼミ)。
ヤン氏はドイツ・マインツ大学にて博士号を取得し、現在は中国・湖北大学において19世紀ドイツ哲学、とりわけショーペンハウアー哲学の研究を牽引されています。
講演では、ショーペンハウアーの初期著作である学位論文『根拠律の四重の根について』の1813年初版と1847年改訂版を比較し、両者における「身体」の哲学的役割の変化に焦点が当てられました。初版において身体は「表象」の観点を中心に捉えられていたのに対し、改訂版では「意志」との一体性がより強調されるなど、ショーペンハウアー哲学の展開過程が明らかにされた内容でした。
講演会には学内外から計30名の研究者や学生が参加しました。質疑応答も活発に行われ、ショーペンハウアーの身体論とその意義をめぐって議論が交わされました。参加者からは、「初版と改訂版との比較に興味を持った」「身体と意志の関係について深く考えるきっかけになった」などの声が寄せられ、哲学的思索の刺激となる有意義な時間となりました。
