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2017年10月28日

本学で「第79回仏教学懇話会」が開催されました

本学の国際仏教学高等研究所(所長:辛嶋静志教授)が主催する「第79回仏教学懇話会」が、10月21日(土)に本学中央教育棟で開催されました。
日本学士院の招待で来日したエンス・ブロールヴィック博士(オスロ大学教授・ノルウェー学士院会員)、シムス=ウィリアムズ博士(ロンドン大学名誉教授・英国学士院会員)ならびに同夫人(大英図書館キュレーター)が、文献学研究の最新の成果を発表しました。また、本研究所に滞在中のオスカー・フォン・ヒニューバー博士(フライブルク大学名誉教授、マインツ学士院会員、オーストリア学士院およびフランス学士院客員、国際仏教学会前会長)、同夫人の胡=フォン・ヒニューバー・海燕博士(フライブルク大学孔子学院元院長)博士ご夫妻も出席し、ヨーロッパの著名なインド学・イラン学・仏教学者が一堂に会しました。

はじめに、イラン語派の諸言語を長く研究され、特にソグド語のキリスト教文献研究ならびにバクトリア語文献の解読で有名な、ニコラス・シムス=ウィリアムズ博士は「文献学から歴史へ:古代アフガニスタンの言語の解読」というテーマで講演。古代アフガニスタンで長く使われていたバクトリア語の草書体文献の解読にいたる歴史と経緯を説明しました。近年、バクトリア語の仏教文献や碑文が見つかっており、仏教研究にとっても重要な講演になりました。
続いて、大英図書館で東洋語写本のキュレーターをしている、ウルスラ・シムス=ウィリアムズ博士が「南シルクロード(西域南道)からの写本収集品と収集者たち」と題して、大英図書館をはじめヨーロッパの各所に保管されている中央アジア出土写本などを紹介しました。
また、「スコイエン・コレクション中の『アマラコーシャ』に関連する類義語辞典の八世紀の写本断簡について」と題して講演したブロールヴィック博士は、アフガニスタンから出土し、ノルウェーでスコイエン・コレクションとして保管されている大量の古代仏教梵語写本の研究を紹介するとともに、『アマラコーシャ』に類した類義語辞典の写本断簡について発表しました。
講演後、活発な質疑応答が展開され、有意義な懇話会となりました。
ページ公開日:2017年10月28日