• NEWS
  • 文学部の菅野博史教授が『法華玄義Ⅲ・観音玄義・法華経安楽行義』・『現代語訳 法華玄義』(上)を出版しました

2018年11月16日

文学部の菅野博史教授が『法華玄義Ⅲ・観音玄義・法華経安楽行義』・『現代語訳 法華玄義』(上)を出版しました

本学文学部の菅野博史教授が、中国天台宗の事実上の開祖である天台大師智顗(538-597)の『法華玄義』に関する二種類の訳注研究を出版しました。

『法華玄義』は天台三大部(他に『法華文句』、『摩訶止観』)の一つとして、『法華経』の注釈書のなかで、古来もっとも多く読み継がれてきたものです。『法華経』の題目である「妙法蓮華経」(名)の意味とは何か、『法華経』の教えの根拠としての真理(体)とは何か、『法華経』の教主釈尊の修行の因と修行によって得られた仏としての果(宗)とは何か、衆生に疑いを断ち信を生じさせる『法華経』の力由、つまり仏の智慧(用)とは何か、『法華経』は釈尊一代の説法教化のなかでどのような位置を占めるのか(教)という五つの問題に答える内容となっています。

中国法華思想の研究に従事する菅野教授は、『法華玄義』の研究に力を注いできました。『法華玄義Ⅲ・観音玄義・法華経安楽行義』は、Ⅰ(2011年)、Ⅱ(2013年)に続いて大蔵出版から刊行されました。『観音玄義』は智顗の『観音経』(『法華経』の観世音菩薩普門品)に対する注釈であり、『法華経安楽行義』は智顗の師である南岳大師慧思の『法華経』安楽行品に対する注釈です。

また、公益財団法人東洋哲学研究所の研究プロジェクト、仏典(法華思想仏教文献)現代語訳シリーズの嚆矢として、『現代語訳 法華玄義』(上)が刊行されました。大蔵出版の訳注研究は、伝統的な訓読訳でありましたが、現代人にもより容易に理解できるように、新たに現代語訳に取り組んだものです。(下)は来年2019年7月に刊行を予定しています。

教員情報

ページ公開日:2018年11月16日