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2019年05月24日

文学部の授業「人間学」で茂木健一郎氏が講演しました

文学部人間学科の共通専門科目「人間学」の授業が5月23日(木)大教室棟で行われ、脳科学者の茂木健一郎氏が「人工知能の時代に思い描く人間の未来」と題して講演しました。

講演で茂木氏は、海外IT企業が無人航空機ドローンを活用した配送サービスや自動車の無人運転の実用化などに取り組む様子を動画で紹介しながら、人工知能の発達によってイノベーションが急速に進んでいる点に触れ、「誰もやったことのないことを成し遂げるのがイノベーションです。先ほど紹介したIT企業には、失敗を成功に繋げる社風があります。人生も同じで、失敗を恐れず、良いと思ったことは挑戦する姿勢が大事です。失敗したときに振り返って修正することが成長に繋がります。今、世界で何が起きているのか、今後どのような未来が描かれるのか、動画共有サイトのYouTubeで自由に見ることができます。最新の情報を取り入れながら、自分には無理かなと思うことにも果敢にチャレンジしてもらいたいと思います」と語りました。また、AI時代においては記憶力や計算能力といった知識蓄積型の学習の必要性が低下し、脳の前頭葉を使って感情をコントロールする能力が大事になると述べました。
最後に学生との質疑応答が設けられ、「茂木さんにとって学ぶとは何でしょうか?」との学生の質問に対し、「学ぶとは自分が変わることです。自分がより良き人に成長することです。中国の思想家の孔子は論語の中で、『七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず』と述べています。70歳になったら自分の心のままに行動しても人道を踏み外すことが無くなったとの意味です。私はこれが人間の目指すべき姿であり、究極の学びの結果だと思います。ぜひ、皆さんも自分の目標や夢の実現に向けて、学び続けてください」と励ましを送りました。

人間学の授業では「人間とは何か」との総合的視座の探求を目指し、様々な分野で活躍されている著名人をお招きし、講演を行っています。これまでに、作家の宮本輝氏や佐藤優氏、大相撲の元大関琴風の尾車親方、歌手で教育学博士のアグネス・チャン氏、NHK連続テレビ小説『あさが来た』の原案『小説 土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯』の作者である、作家の古川智映子氏等も授業を担当しています。
ページ公開日:2019年05月24日