6月28日（月）午後10時からのBS-TBS「にっぽん！歴史鑑定」の「源頼朝暗殺！？曽我兄弟・敵討ちの真相」の放送回において、本学文学部の坂井孝一教授が出演します。

今回の取材について、坂井教授は次のようにコメントしています。
「曽我兄弟の敵討ち事件は、源頼朝が征夷大将軍に任命された翌年の富士の裾野の巻狩の場で起きた重大事件です。ところが、事件に関する史料が、語り物芸能から発展した文学作品の『曽我物語』と、事件後百年ほど経ってから編纂された『吾妻鏡』の断片的な叙述以外にないという不審な残り方をしています。そこで、これまで様々な憶測や、仮説が示されてきました。ただし、史料の少なさ・偏りから、研究は歴史学ではなく、主に文学の分野で進められてきました。そうした中、私は二十年ほど前、歴史学の立場からこの重大事件の真相に迫ろうと試みました。その成果が初めての著書『曽我物語の史実と虚構』（吉川弘文館、２０００年）です。以後も、文化史や政治史の研究と並行して、曽我物語の研究も続けてきました。本年３月の「曽我物」の能をテーマとした能楽学会大会シンポジウムや、『曽我物語』を多角的に扱った４月の説話文学会のシンポジウムでもパネリストを務めました。今回、出演のご依頼が来たのも、こうした二十年にわたる私の研究に着目していただけたからだと思います。しかも、頼朝の時代の事件ですから、来年のＮＨＫ大河ドラマ『鎌倉殿の１３人』とも重なります。三谷幸喜氏がこの事件をどのような形で脚本化されるのか、時代考証担当として楽しみにしています。来年の予習も兼ねて、ご覧いただければ幸いです。」

■「にっぽん！歴史鑑定」
放送日：2021年6月28日（月）午後10時00分～ 午後10時54分
放送局：BS-TBS
タイトル：「源頼朝暗殺！？曽我兄弟・敵討ちの真相」