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2022年02月01日

法学部・前田幸男教授の査読付き論文と編著の書籍が出版されました

本学法学部の前田幸男教授の①査読付き論文と、②編著の書籍が出版されました。

①『年報政治学2021-Ⅱ新興デモクラシー諸国の変貌』(筑摩書房,2021年12月22日発行)

1948年設立の由緒ある学会の1つである日本政治学会が刊行している学会誌『年報政治学2021-Ⅱ』に、前田教授の査読付き論文『ノン・ヒューマンとのデモクラシー序説―ヒトの声だけを拾えば済む時代の終焉へ』が掲載されました。出版にあたって前田教授は、「この10年ほど世界の人文・社会科学諸分野を席巻する「人新世」や「マルチスピーシーズ」の議論を、日本の政治理論(なかんずくデモクラシー論)の文脈に位置づけることができ、やっとスタートラインに立つことができたという思いです。今後、この分野が、発展していくことを切に願います。」と語りました。

②『批判的安全保障論』(法律文化社,2022年1月)

[図 新しい安全保障の発想(第6章より抜粋)]
[図 新しい安全保障の発想(第6章より抜粋)]
同書で前田教授は、「(1)はしがき、(2)序章、(3)あとがき(以上、南山淳と共同執筆);(4)ポスト構造主義と国際政治社会学(第2章); (5)環境と批判的安全保障(第6章)(蓮井誠一郎と共同執筆); (6)保健と批判的安全保障 (第7章)」の執筆を担当しました。
 出版にあたって前田教授は、「本書の企画はおよそ10年弱も前から始まっておりました。何度も座礁して諦めかけた時期もありましたが、共同執筆者の先生方の尽力もあり、何とか刊行することができました。
 安全保障と言えば伝統的には軍事・国家を専らのテーマとする分野と理解されてきました。しかし、2000年代半ばより、アベリストウィス学派(英国)、コペンハーゲン学派(デンマーク)、パリ学派(フランス)のそれぞれで、非国家・非軍事的かつ独創的な安全保障論が展開しておりました。こちらもやっと日本で体系的なテキストとして紹介できるようになったと同時に、単にヨーロッパの議論の受け売りではない、日本的文脈に落とし込むことのできた著作になりました。
 すでに図にもあるように安全保障概念は日々深化をとげつつあり、人間の安全保障やSDGsの議論も今後、多面的かつ批判的に検証される時代に入りつつありますが、本書各章の議論はこうした文脈も意識した新しい地平を切り開く端緒になったのではないでしょうか。」と語りました。

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ページ公開日:2022年02月01日