文学部の山岡政紀教授の共編著書『世界の配慮表現』が刊行されました

本学文学部の山岡政紀教授の共編著書『世界の配慮表現』がひつじ書房より、本年5月3日に刊行されました。
本書では、コミュニケーションにおいて対人関係をなるべく良好に保とうとする働きが言語表現として表れて慣習化した配慮表現を、日本語だけではない普遍的現象と捉え、グローバルな視点から世界の諸言語の配慮表現について考察します。
出版にあたって山岡教授は、「本書は、現在進行中の科研費(基盤研究(B))研究課題「多言語配慮表現データベースの構築と配慮表現辞典の編纂」の研究成果の一環として刊行したものです。長年にわたる配慮表現研究の中で結んだ、海外の諸言語に詳しい研究者たちとの交流を生かして、今回は日本語のみならず、英語、中国語、韓国語、タイ語、アラビア語に詳しい専門家のご助力を得て出版することができました。例えば、人に《依頼》をする際に、日本語でも「お塩を取ってもらえますか?」のように可能疑問文を用いますが、英語でも “Can you pass me the salt?”, 中国語でも「能不能把盐递给我?」と可能疑問文を用いるのは、相手にかかる負担に配慮した共通の配慮表現です。このような現象への本質的考察を通じて配慮表現への関心が高まり、言語研究、語用論研究の発展に寄与できればとの願いを込め、本書を刊行しました。」と述べました。

教授
山岡 政紀
ヤマオカ マサキ
- 専門分野
日本語学、言語学、語用論、哲学的人間学
- 研究テーマ
日本語コミュニケーション、配慮表現研究、発話機能論