文学部の伊藤貴雄教授の著書『哲学するベートーヴェン カント宇宙論から《第九》へ』が刊行されました

本学文学部の伊藤貴雄教授の著書『哲学するベートーヴェン カント宇宙論から《第九》へ』が講談社より、本年5月15日に刊行されました(講談社選書メチエ)。
本書は、若き日にボン大学で哲学を聴講していたベートーヴェンと、彼を取り巻く文化的・社会的文脈の中から《第九》が生まれるに至ったドイツの時代精神を描き出しています。天文学・神学・音楽がかろうじてつながりを保っていた18世紀後半、カントの哲学はベートーヴェンの音楽に深い影響を与えました。哲学と音楽、それぞれの領域を代表する二人の巨人の知られざる接点を手がかりに、有名無名を問わず多彩な人物たちの知的・人的ネットワークを丁寧にたどりながら、「知の歴史」のダイナミズムに迫る挑戦的な試みです。
出版にあたって伊藤教授は、「本書は、本学文学部科目『哲学思想特講』で、カント生誕300周年と《第九》初演200周年を記念して行った講義『ベートーヴェンとカント』(2023/24年)を書籍化したものです。一般読者の方に、大学の講義や哲学研究のおもしろさが少しでも伝わるものになっていれば嬉しいです」と述べました。
教授
伊藤 貴雄
イトウ タカオ
- 専門分野
哲学・倫理学、思想史
- 研究テーマ
ドイツ近現代思想・社会契約論・精神文化史