本学教員・学生が参画 統計学の力で社会課題を可視化 ― 国勢調査活用プロジェクトの成果を報告

本学教員と学生が参画した「国勢調査活用プロジェクト」の最終成果報告が、8月30日(金)・31日(土)に大妻女子大学で開催された「基礎教育保障学会第10回研究大会」にて行われました。本プロジェクトは、2020年の国勢調査で「小学校卒」の選択肢が初めて導入されたことを機に、全国の義務教育未修了者の現状と課題を統計学的に分析し、社会的な基盤づくりに貢献することを目指したものです。

本学からは、経済学部の碓井健寛教授が関東エリアの責任者として、レポートの執筆・統括を担い、さらに福島県、群馬県、愛知県のレポート作成にも携わりました。碓井教授は公開学習会でも研究成果を発表し、全国的に注目されている夜間中学開設の動向をデータに基づき可視化しました。

また、経済学部生の河野千栄さん、北村悠翔さん、中川美桜さん、中島凜さん、室晴美さん、山田瑞喜さんの6名が、約4か月にわたって、経済学部で培った統計学やデータサイエンスの知識を駆使し、『基礎教育保障学研究 別冊』に掲載された47都道府県のレポートに用いられる、ほぼすべての図表を作成しました。2020年国勢調査から抽出された膨大なデータを整理・分析し、全国の夜間中学の設置に向けた研究を推進しました。

今回の研究成果は、『基礎教育保障学研究 別冊』第2号にまとめられ、特設ウェブサイト「夜間中学はまだまだ足りません~2020年国勢調査にみる義務教育未修了者~」で公開されています。碓井教授は、「統計学とデータサイエンスを手がかりに、国勢調査という社会の基盤情報を読み解き、教育機会の保障にかかわる課題を可視化してきました。データを扱う営みは同時に、人の暮らしや声に向き合う営みでもあります。これからも教員と学生が力を合わせ、研究を積み重ねながら、社会にひらかれた学びの場を育てていきたいと思います」と述べました。

発表スライド
発表スライド
発表スライド

教授

碓井 健寛

ウスイ タケヒロ

専門分野

環境経済学

研究テーマ
  1. 家庭ごみ減量化および資源ごみ分別促進の自治体での取組に関する計量経済分析
  2. 居場所作りに関する実証的な取組
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