教育学部・富岡比呂子教授と経済学部・掛川三千代教授の論文が書籍『Education for Sustainable Futures: Global Citizenship and the Earth Charter』で紹介されました
10月8日、英国のエメラルド出版社より、「Education for Sustainable Futures: Global Citizenship and the Earth Charter(邦題:持続可能な未来のための教育――世界市民と地球憲章)」という書籍が出版されました。
本書は、持続可能な未来を構築する教育の役割を、「地球憲章」の視点を通じて探究しており、ラテンアメリカ、東アジアおよび南アジア、サハラ以南アフリカなど、世界の多様な文脈において、「地球憲章」が、いかに教育実践や政策の策定に影響を与えているかを示す、実践的な事例、研究成果、理論的議論が収められており、教育学部の富岡教授と経済学部の掛川教授が、それぞれ1章ずつ執筆寄稿しました。
この書籍に寄稿することになった経緯として、2023年6月、富岡比呂子教授と掛川三千代教授は、ユネスコ本部で開催されたグローバル教育と学びの為の学術ネットワーク(Academic Network for Global Education and Learning: ANGEL)総会に参加したことがあげられます。「世界市民教育と持続可能性:地球憲章と価値創造の視点」のセッションで、両教授は、創価教育を通じた世界市民教育の実践事例や成果を発表し、その場に、地球憲章事務局 ミリアン・ヴィエヤ(Mirian Vilela)事務局長が参加し、その事例に強い関心を抱いたことなどが契機となっています。
なお、富岡教授、掛川教授が執筆した章の邦訳及び原文のタイトルは、以下のとおりです。
- 富岡「第11章:地球憲章と創価教育:世界市民教育の視点から」(The Earth Charter and Value-Creating Education: From the Perspective of Global Citizenship Education)
 - 掛川「第13章:気候非常事態時代の環境正義と行動:地球憲章と創価教育」(Education for Environmental Justice and Actions for the Era of Climate Emergency: Through the Earth Charter and Value-Creating Education)
 
出版にあたり、富岡教授は「今回は、価値創造教育の思想的特徴を考察し、地球憲章との共通点を世界市民教育の視点から検討しました。本書は、本学の学生にもぜひ読んでいただきたいものとなっています」と語りました。掛川教授は「授業を通じて、『持続可能な開発のための教育』(ESD)を実践してきていますが、知識から人の行動変容に、いかに結びつけて行けるかが大きな課題です。この章では、創価教育の実践や、倫理を重視する「地球憲章」の原則、環境正義の視点などを通じた学生の学びと成長、研究の社会実装化についての事例を紹介しています。他の大学や教育現場での参考事例になっていけば、大変に嬉しいです。また、自分自身も更なる研究に励んでまいります」と語りました。
なお、本書は、ナムラタ・シャルマ(Dr.Namrata Sharma)さん(本学教育学部大学院修士課程の卒業生、現在、ニューヨーク州立大学 Faculty)が編者の一人となっています。また、本学経済学部博士課程の卒業生Tamy Kobashikawaさんも、執筆者の一人になっています。同書の電子版は、以下よりアクセスできます。
教員情報
				教授
富岡 比呂子
トミオカ ヒロコ
- 専門分野
 教育心理学、教育学
- 研究テーマ
 自己概念・自尊感情の発達、児童期・青年期の自己形成、初等教育の日米比較
				教授
掛川 三千代
カケガワ ミチヨ
- 専門分野
 環境政策、環境管理、環境経済学、政治的エコロジー
- 研究テーマ
 メコン地域諸国における環境政策と遵守強化の為の手段、気候変動対策