経済学部の蝶名林ゼミがニュープリンス食堂にてAIを活用したフードロス削減施策を実施しました
本学経済学部・蝶名林俊ゼミ(環境経済学・開発経済学)は、学生が開発したAIシステム(アプリ)を活用し、学内の「ニュープリンス食堂」において、フードロス削減を目的としたポイント付与施策を導入しました。
本施策は、食堂利用者のフードロス削減意識の向上と行動変容を促すことを目指すとともに、その成功事例を地域社会や他大学へのモデルケースとして展開し、社会全体の課題解決に貢献することを目的としています。食堂業者の株式会社LEOCとの協力のもと、11月5日(水)から11月25日(火)までの期間で実施されました。
現在、フードロスは世界的な課題であり、農林水産省および環境省の調査によると2023年度の日本の食品ロス量は年間464万トン(前年度472万トン)に達しています(※1)。蝶名林ゼミは、この課題に対し、AI技術とインセンティブ設計を融合させ、学生生活の日常的な場所から解決を目指す実践的なアプローチを展開しています。
施策の概要
1. 利用者が食べ終わった食器をゼミ学生が開発したAIシステムでスキャン
2. AIが食器に残された食べ物を判定し、「食べ残しゼロ」と判断されると自動的にポイントを付与
3. 付与されたポイントが規定数に達すると、特典として「小鉢一品」または「ご飯・麺の大盛り」が無料に
実施期間・場所
・期間: 2025年11月5日(水)~11月25日(火)
・時間:上記期間の平日11時〜13時
・場所: 創価大学 ニュープリンス食堂(八王子市丹木町1-236)
・対象: 本学の学生および教職員
初期効果(11月5日~11月13日)
11月5日から13日までのアプリ延べ利用者数は153名となり、導入直後としては多くの学生・教職員が活用していることが分かります。アプリ利用者を対象とした事前アンケートでは、約8割が「食べ残しをしないように意識が高まった」と回答しました。これらの結果は、AIによる即時フィードバックと特典によるインセンティブが、食べ残し削減に向けた行動変容を促す有望な手法であることを示唆しています。
本施策の責任者を務める片岡伸二さん(経済学部3年)のコメント
食べ残しを減らすことを「意識の問題」で終わらせず、実際の行動につなげたいという思いから、この施策を実行しています。日々の食事の中で環境への貢献を実感できるようにするため、食堂の方々と何度も話し合いを重ね、アプリやクーポンといった仕組みを自分たちの手で作り上げました。
食堂という身近な場所から、行動の変化を起こすことができるのは、大学ならではの取り組みだと思っています。今後も一人でも多くの学生が、このプロジェクトをきっかけに環境への一歩を踏み出し、持続可能な社会づくりに貢献できるようにしていきたいです。