経済経営学部の碓井健寛教授による論文が国際学術誌『Childhood in the Past』に掲載されました
経済経営学部(※)の碓井健寛教授による論文 “Child Labour and Long-Term Absence in Japanese Fishing Villages during the 1950s Post-War Recovery” が、国際学術誌『Childhood in the Past』に掲載されました。
本論文は、1950年代の日本の漁村で記録された子ども労働と長期欠席の問題に着目し、当時の地域研究や歴史資料の系統的な検討と、2020年国勢調査の分析とを組み合わせることで、義務教育未修了の地域的な偏りを明らかにしたものです。
論文要旨では、1950年代の漁村で記録された労働関連の教育中断と、2020年国勢調査にみられる義務教育未修了の分布との対応を検討し、広島県や沖縄県などで全国平均を上回る値が観察されたことが示されています。
歴史資料と現代の統計データを接続し、戦後日本において義務教育が一様に実現していたわけではないことを実証的に示した点に、本研究の特徴があります。また、査読では、本研究が重要かつ独創的な貢献であり、歴史資料と現代の国勢調査を結びつけた方法論が高く評価されました。
今回の論文掲載にあたり碓井教授は、「日本の漁村に暮らす人々のなかで、義務教育を終えることのできなかった人々が存在したことは、決して本人の責任として片づけられるものではありません。戦後の制度のもとでも、家計を支える労働や地域の慣行が、子どもたちから学ぶ機会を奪っていた現実がありました。本研究では、地域の漁村研究や当時の資料を丁寧に確認しながら、その事実を現在の統計データによって検討しました。掲載にあたり、研究を支えてくださったEdwin Aloiau先生、本学経済学部ならびに経済経営学部でともに研究・教育に取り組む学生・教職員のみなさまに感謝申し上げます。また、本研究の意義を認め、建設的な助言を寄せてくださったジャーナルのエディターと査読者のみなさまにも、深く感謝しています」と述べました。
(※)論文掲載時は本学経済学部に所属。2026年4月より経済経営学部に所属。
教授
碓井 健寛
ウスイ タケヒロ
- 専門分野
環境経済学
- 研究テーマ
- 家庭ごみ減量化および資源ごみ分別促進の自治体での取組に関する計量経済分析
- 居場所作りに関する実証的な取組