国際教養学部の杉本一郎教授の共著『The Economic History of Singapore』がNUS Pressより刊行されました
国際教養学部の杉本一郎教授が、シンガポールの研究者である Choy Keen Meng博士との共著で、研究書 『The Economic History of Singapore』 をシンガポール国立大学出版社(NUS Press)から刊行しました。
本書は、シンガポールの経済発展を長期的視野のもとに総合的に分析したものであり、14世紀における地域交易拠点としての段階から、植民地港湾都市としての形成を経て、現代のグローバルな貿易・金融・イノベーション拠点へと至る歴史的展開を体系的に明らかにしています。全485ページにわたり、実証的分析と歴史的叙述を高い水準で融合させた学術研究書として出版しました。
また、本書はシンガポール経済研究の第一人者であるミシガン大学のLinda Lim教授からも高い評価を受けており、同教授は本書を「データ、経済分析、歴史的叙述を見事に統合した、包括的かつ厳密な研究」であると称賛しています。とりわけ本書が、東南アジア研究の卓越性において国際的な評価を得ているシンガポール国立大学出版社(NUS Press)から出版されたという事実は、本研究の学術的品質と国際的な重要性を裏付けています。
本書は、当該分野の専門家だけでなく、より広範な国際的な学術コミュニティにとっても重要な参考資料となることが期待されています。平易な文体で書かれているため、学生や一般読者にも親しみやすい内容となっています。
本書の特徴は、長年にわたる国際共同研究の成果として結実した点にあります。杉本教授とChoy博士は、2007年にシンガポールで開催された国際会議で出会って以来、それぞれの専門性に立脚しつつ、科研費プロジェクトを通じて継続的に共同研究を積み重ねてきました。互いに多忙な研究・教育・実務活動のなかにあっても時間を見出し、3本の論文を国際的な経済史分野のジャーナルに掲載。着実に研究を深化させてきた協働の積み重ねが、本書の完成を支えました。なかでも、2020年および2022年に、Choy博士が創価大学経済学部の客員教授として滞在した期間は、本著作成のための共同研究を大きく前進させる重要な契機となりました。
刊行にあたり杉本教授は、「長年にわたり共同研究を継続してくださったChoy博士の揺るぎない誠意と忍耐に、深く感謝しております。今後の目標は、本書の日本語訳の出版、そしてさらにその先には、新たな研究書『英領マラヤの経済史』の執筆です。たとえカタツムリの歩みのような速度であっても、着実に前進していけることを願っています」と述べました。
教授
杉本 一郎
スギモト イチロウ
- 専門分野
数量経済史(歴史経済統計推計と実証分析)、東南アジア経済史(英領期 シンガポール、マラヤ、ビルマ)
- 研究テーマ
東南アジア諸国における長期歴史経済統計推計と実証分析