SATREPS-EARTHプロジェクトメンバーの論文が国際的な学術誌『Biochemical Engineering Journal』に掲載されました

SATREPS-EARTHプロジェクトメンバーである滋賀県立大学博士後期課程Most Fahima Ahmed Annyさんの筆頭論文「Enhancement of β-glucan production in two Arthrospira species cultivating in anaerobic digestion effluent of water hyacinth」が国際的な学術誌『Biochemical Engineering Journal』(注)に掲載されました。

スピルリナと呼ばれる微細藻類Arthrospiraは、タンパク質やオーツ麦、キノコ類に含まれる食物繊維の一種であるβ-グルカン等の栄養素を含みます。Annyさんの論文では、世界中で過剰繁茂が問題となっている水草ホテイアオイの嫌気処理排水を用いて培養した2種のArthrospiraの生化学組成を分析しました。その結果、一般的な培地で培養した場合よりも、β-グルカンの含有量が1.5~7倍大きくなることが明らかになりました。
この研究結果は、ホテイアオイの処理排水を利用してArthrospira生産を行うことで、持続可能な栄養塩リサイクルを促進しつつ、迷惑な水草からβ-グルカンなどの貴重な生体分子を含む藻類バイオマスを生産できる大きな可能性を示しています。

本研究は、SATREPS-EARTHプロジェクトの一環として実施されました。

(注)『Biochemical Engineering Journal』は化学工学会生化学工学部会が後援し、医療/ヘルスケア、産業用バイオテクノロジー、環境バイオテクノロジーなどの多様な産業に関連する様々な論文が掲載されています。

共著者:Taiabur Rahman Tuhin(滋賀県立大学)、 Xin Liu(滋賀県立大学・広西科学院)、Kohei Yoshiyama(滋賀県立大学)、Shin-ichi Akizuki(創価大学プランクトン工学研究所 講師)、Tatsuki Toda(創価大学理工学部 教授)、Syuhei Ban(滋賀県立大学 教授)

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