本学理工学研究科博士後期課程の小平友大さんが2024年度笹川科学研究助成金に採択されました!
創価大学理工学研究科・博士後期課程2年(申請時:博士前期課程2年)小平友大さんが、公益財団法人 日本科学協会 笹川科学研究助成の研究助成金を獲得しました。
[研究題目:メタン発酵消化液とバイオ炭の共施用による環境負荷低減型営農技術の確立 助成金額:900,000円 助成期間:2023年4月~2024年2月]
本研究は、異なる窒素源(尿素肥料、メタン発酵消化液)と異なる熱分解温度で作成したバイオ炭(400、600、800℃)を土壌共施用した際の土壌中における窒素の硝化プロセス変化の評価と数理モデルを構築することを目的とした研究です。
小平さんの実験結果より、バイオ炭の土壌施用によって尿素施肥下では窒素のアンモニウム化成速度および硝化速度に大きな変化が見られなかった一方、メタン発酵消化液施肥下ではどちらも大幅な速度の増加が見られ、消化液中に含有される有機物および有機態窒素と土壌硝化細菌の親和性が向上することが示唆されました。 その結果を基にした硝酸態窒素の動態モデリング結果では、低温バイオ炭よりも高温バイオ炭施用によって尿素施肥下で硝酸の土壌上方での滞留時間の増加が見られ、消化液施肥下では滞留時間の増加に加えて総硝酸量が増加することが明らかとなりました。
以上より、バイオ炭による硝酸の溶脱防止効果および作物生育促進効果は窒素画分移動速度に深く関係していることが示され、具体的なバイオ炭の窒素保持機能の解明に繋がりました。