伊与田准教授が「ベストポスター賞シルバー」を受賞
2024年8月29日(木)30日(金)に行なわれた第26回 組込みシステム技術に関するサマーワークショップ(SWEST26)において、伊与田健敏准教授がポスターセッションで発表を行い、「ベストポスター賞 シルバー」 を受賞しました。 伊与田准教授は、この度の発表内容などについて、以下のとおり述べております。
一般に、家電品などの機器に組み込まれたマイコンでは、その性能を最大限引き出すためにリアルタイムOSという基本ソフトウェアが使われています。特に正確な時間の制御を行なうためには不可欠です(これができる特性を「リアルタイム性」といいます)。
Arduino UNO (アルデュイーノ ウノ)は、電子工作の分野など世界中で最も幅広く利用されているマイコンボードの一つです。このボードに載っているATmega328Pは8ビットマイコンで、プログラムメモリー(ROM)は32Kバイト、データメモリー(RAM)は僅か2Kバイトしかありません。
今までは、ATmega328Pはメモリーが少なすぎてリアルタイムOSを載せることができませんでした。しかし、日本のTOPPERSプロジェクトは、メモリーが少なくても動作させることができるμITRON仕様のリアルタイムOS TOPPERS/SSP を開発しました。
今回、私は、すでに世界中で利用されている Arduino UNO で、その性能を十分に活かしたリアルタイム性を持つプログラムを容易に動かせるように、TOPPERS/SSPを Arduino UNO で動作するようにしました。
このTOPPERS/SSPによって、モーターのコントロールなど正確な時間の制御を行うプログラムが作りやすくなり、さらに Arduino UNO が幅広く利用されるようになると、社会に貢献できると考えております。
これと同時に、様々な機器の中で頑張っているマイコンがリアルタイムOSで動作していることをより多くの人が知り興味を持つようになればと思います。そして、現在のIoTを支える技術者が増えていくことが重要だと考えておりますので、このような分野に興味のある方が理工学部に入学していただけることを願っております。
准教授
伊与田 健敏
イヨタ タケトシ
- 専門分野
ソフトウエア、計算機システム・ネットワーク、計測工学
- 研究テーマ
スペクトル拡散超音波を用いた屋内測位