「住みやすい社会」を支える地域のサポーター!夢の「社会福祉士」への道のり

世界一高齢化が進む日本。高齢福祉の他、障害福祉、児童・家庭福祉などを支えるのが「社会福祉士」です。国家試験の合格者は、毎年1万人いますが、そのニーズは益々高まっています。創価大学文学部には、社会福祉専修という「社会福祉士」を養成するコースがあります。
「目の前の人にとって、一番良い支援を考え続けたいんです」と語るのは、2020年3月、「第32回社会福祉士国家試験」を見事に合格し、4月から都内の社会福祉事業団に勤務する山里彩佳さん。
高校時代、身近な人たちが社会福祉サービスを受けたことがきっかけで、この道を志した山里さんに、大学時代の学び、今後の抱負、高校生へのメッセージを語っていただきました。
創価大学文学部を受験しようと思ったきっかけは何でしたか?

社会福祉専修の仲間と
私は、高校時代、特に部活などには入っていませんでした。なぜかというと、私は沖縄県出身で、実家から通っていた高校が少し離れた場所にあり、家族にいつも車で送ってもらっていたからです。また、国立大学進学を目指していたので、一生懸命勉強していました。勉強についていくのがやっとで、授業で解からないことは、先生にたくさん質問していました。課題も多かったので放課後も友人と一緒に勉強をしていました。ほとんど勉強しかしていなかったので、大学に入学できれば、勉強から解放されると思っていたのですが、大学に来てもたくさん課題があり、びっくりしました。
大学で何を学ぼうかと悩んでいた頃、生きていく上では法律を知る必要があると感じ法学部への進学を考えていました。両親には国立大学を目指すと話していたのですが、「創価大学もいいところだよ」と紹介され、高校2年生の時に創価大学のオープンキャンパスに参加しました。オープンキャンパスでは、多くの在学生の先輩の話を聞き、希望していた法学部以外の学部も見学しました。文学部のブースを訪れた時に、初めて「社会福祉士」という社会の役に立つ仕事があり、資格を取得するためには、専門のコースで学ぶ必要があることを知りました。他の大学とも迷いましたが、寮や学ぶ環境の良さに惹かれ、創価大学に進学してみたいと思うようになりました。法学部と文学部のどちらも合格し迷いましたが、最後は社会福祉士になろうと決め、文学部に入学しました。
社会福祉士になろうと思った決め手は何でしたか?
私の身近な人が精神的な疾患を抱えていたことがきっかけで、初めは精神科に関われる仕事に就きたいと思っていました。また、祖母も介護施設に入っていることもあり、介護に関われる仕事にも関心がありました。自然と社会福祉と触れる機会が多く、自分が学べば、身近で見てきたようなことで困っている人を助けられると感じていました。また、社会福祉の現場で感じたことの一つに、障害などを抱えている本人も勿論大変ですが、その方を支える家族や周囲の皆さんもかなり大変な思いをしているケースが多いことを知り、そのような方も支える「社会福祉士」は、とても素晴らしい仕事だと思いました。
社会福祉士になるための勉強について教えてください!
1年生は、学部で学問の基本的なことを学びます。夏休み前に社会福祉専修の募集が行われ、その後面接を経て、社会福祉専修に入ることができました。2年生になって専門的な学びが始まります。そこで同じ志を持つ仲間がたくさんできます。カリキュラムの中では、友人と社会福祉士になりきって、傾聴など学んだ事を実際に授業で実践することもありますが、ほとんど座学です。この座学が現場に出る際に非常に重要になるんです。4年生になるといよいよ一番大変な実習です。
実習では、当然、相手の生命に関わる可能性もあるので、きちんと学んでいることが求められます。実習は自分自身が興味のある領域を希望します。地域包括や児童施設、介護施設などの分野から選ぶことができます。私は地域包括を選びました。地域包括は主に高齢者が対象ですが、ご家族の方とも関わります。
地域包括の現場では自転車で高齢者のいるお宅を訪ねることが多く、施設の利用者と関わるという感覚ではなく、地域にいる高齢者など気がかりな人を「この人は元気かな」、「何か心配なことはないかな」と訪ねていきます。また、地域の方からも心配な方の情報が入ってきて、訪問することもあります。実習でも「自分たちが見守りに行かなければ、この高齢者の方は倒れていたかもしれない」ということも体感しました。また、高齢者が高齢者を介護するいわゆる「老老介護」の世帯も多く、ご夫婦で互いに想いあってケアしているはずなのですが、すれ違うこともあり、各家庭の状況に応じて支えることの難しさを肌で感じました。
実習では様々な地域の施設を訪問します。支援サービスや活動しているボランティア団体は自治体ごとによって違うので、必死で勉強しました。授業で学んだことが基本ですが、実習を通して、もっと実践をイメージして授業を受けておけば良かったなと反省しました。私は、社会福祉専修の学びが始まった当初、精神介護や高齢者介護について興味があったのですが、幅広く学ぶ中で子どもから高齢者まで幅広く関わりたいと思いを深めていく中で、様々な事業に展開している社会福祉法人へ就職することを決め、東京都内の社会福祉事業団より内定をいただきました。

西川ゼミの仲間と
大変な実習でしたね。実習を通じた学びで大きなことは何でしたか?
実践の経験が少ない中での実習は、毎日学びの連続でした。その中でも一番大変だったのが、実際にケアプランを立てることです。地域包括センターを利用されている方のお宅に行き、話を聞きながら、病気の症状や通っている病院の情報を入手し、その上でプランを立てるのですが、これが思いの外、難しいんです。時間の制限がある中でこんなにも相手の方の話を引き出すことができないのかと痛感しました。「決められた時間の中で必要なこと、聞きたいことを聞き出す」という会話の技術、また、家の中の状態も重要な情報なので、実際に話を聞きながら「周りを見て有益な情報を得る」といった技術を磨く必要性を感じました。そして、ケアプランを作ってみたのですが、納得いくものができませんでした。病気や地域のサービスも、調べていたはずなのに全然わからない、知識を活用することができない。「この人のために自分は何ができるのだろうか」と、力不足を感じました。ケアプランをセンターの職員の方にプレゼンテーションし、たくさんのフィードバックをいただき、とても勉強になりました。
社会福祉士を目指すにあたってのターニングポイントについて教えてください!

3年生になりゼミの学びが始まってから「社会福祉」を学んでいる実感が湧いてきました。私は西川ハンナ先生のゼミに所属しました。「まがりプロジェクト」という「若者の居場所」をつくる活動を行っていました(※)。一言で「居場所」といっても、人それぞれ違うので、どういう若者が「居場所」がないと感じるかといったことを勉強しながら、実際に調査をしました。八王子市役所の方とも協議したりすることや様々な活動を通じて、社会福祉士への心が固まっていきました。社会福祉士が行政と密着していることも学べ、西川先生がいつも私たちの視野を広げてくださいました。
(※)https://www.soka.ac.jp/news/2018/06/3053/
在学中にその他、取り組んだことがあれば教えてください!
S.U.Entertainmentという K-POPのカバーダンスサークルに所属していました。寮の友人の誘いで見学に行ったのですが、私もハマってしまいそのまま入ることを決めました。入学当初、運動音痴でリズム感もない私が K-POPを踊るなんて想像もしていなかったのですが、先輩や仲間に支えてもらい、2年生では副部長になり、たくさんの後輩を迎えることができました。S.U.Entertainmentには韓国や中国の留学生も所属していて、たくさんの留学生の友人も作ることができました。創価大学ならではだと思います。世界中に友人ができます。

今後の抱負と「社会福祉士」を志す高校生へメッセージをお願いします!

どんなところに行っても「固定観念」というものがあると思うのですが、私は柔軟な発想ができる人間になりたいと思っています。地域や社会には決まったルールや暗黙的な慣習がよくあると思いますが、それらは受け入れつつ、試行錯誤することを止めてしまうと良い方向に進まない。考え続ける人でありたいと私は思っています。考えることをやめてしまえば、ただの機械と同じですよね。社会福祉の現場で、「目の前の人に合った支援とは何なのか」と日々考え続けたいと思います。
創価大学の社会福祉専修では専門学校と違い、専門のコースだけではなく文学部、他学部の友人などを通じて、広い視野を持つことができるようになります。福祉だけを学ぶよりも良いことがたくさんあります。また創価大学の社会福祉専修の特長は少人数制です。1学年最大20人ですので、皆と仲良くなりますし、励まし合い、助け合えます。先生方とも仲良くなれますし、手厚い学習サポートもあります。「社会福祉」を学ぶには、最高の環境です。何を勉強したいかにもよりますが、社会福祉を学ぶのであれば、是非、創価大学の文学部を一度見学してみてください。

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『江戸川乱歩傑作選』江戸川乱歩