推薦図書紹介企画!Part.1大場先生

経営学部教員より推薦図書を紹介します!Part.1

『経営を学ぶ現役学生、経営を学びたい受験生に読んでもらいたい書籍』とのテーマで、経営学部教員からの推薦図書紹介企画をスタートします!
第1弾は大場 隆広先生より、推薦図書と推薦コメントです。

1.坂本光司『日本でいちばん大切にしたい会社』あさ出版 2008
 企業の訪問調査を6000社以上行ってきた著者が、「会社は誰のためにあるのか」を問う。著者は欧米の株主優先主義とは異なり、「従業員とその家族」を第一に挙げる。そして、著者が見出した優れた経営を行う企業を5つ紹介する。この紹介ストーリーに思わず泣けてしまい、電車の中で読むと恥ずかしい思いをする。ビジネス書で泣かせる本を、私は他に知らない。

2.渋沢栄一『現代語訳 論語と算盤』筑摩書房 2010
 明治時代に約500社もの企業・団体の経営にかかわり、後に「日本資本主義の父」と呼ばれる著者が講演会で語った内容を一冊にまとめた本。新1万円札に描かれることが決定し、大河ドラマ『青天を衝け』でも話題の著者が考えた「ビジネスで大切なこと」とは何か。1916年に出版され、100年読み継がれる、ビジネスパーソン必読の古典。

3.クレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』翔泳社 2012
 ハーバード・ビジネススクール教授である著者は、「優秀な卒業生の中に、職業人として輝かしい功績を収めながらも明らかに不幸せな人たちがいるのはなぜか」と疑問を抱く。濾胞性リンパ腫というガンに似た病気と診断され、自身の死を意識した著者が経営理論に基づいて人生を語る。果たして、クリステンセン教授は最終講義で何を語るのか。

4.アダム・グラント『GIVE&TAKE』三笠書房 2014
全米トップのビジネススクールのウォートン校で史上最年少の終身教授となった著者は、人間を(「ギバー(与える人)」、「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」、「マッチャ―(損得のバランスを考える人)」)に分類し、ビジネスで一番成功するのは誰かを考察する。豊富な事例とデータにもとづく発見にワクワクすること請け合い。

5.井上達彦『ブラックスワンの経営学』日経BP社 2014
 ヨーロッパ人がオーストラリア大陸でブラックスワンを発見するまで、黒い白鳥は「ありえない」存在だった。ここから、「ありえないこと」を「ブラックスワン」に例える表現が生まれる。本書では、経営学の通説では「ありえない」、経営学の通説を覆した事例研究が一般向けに紹介されている。世界をひっくり返した研究を気軽に味わえる本。

6.マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』日経BP社 2010
 言わずと知れたマックス・ウェーバーの著作で、宗教と経済発展の関連に注目した古典的名著。カトリックよりもプロテスタントが多く住む地域で、ビジネスが盛んで経済が発展しているのはなぜか?この謎に、マックス・ウェーバーが挑む。中山訳で読みやすくはなっているが、それでも読み切るのは大変。知的チャレンジをしたい人におススメ。

 

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