2023年03月01日 17時00分

里上講師の共著論文が「Journal for Labour Market Research」に掲載されました。

    この度、経営学部里上講師の共著論文が、「Journal for Labour Market Research」に掲載されました。
    一橋大学経済研究所の岩﨑一郎教授と共同で「欧州新興市場の男女賃金格差ーメタ分析による接近」を執筆しました。

    本論文では、53の先行研究から抽出された670の推定値をメタ分析し、欧州新興市場の男女賃金格差を推定した結果を報告しています。その結果は、この地域においては性差が賃金水準に統計的に有意で経済的に意味のある影響を与えることを示しています。また、EU 加盟国における男女の賃金格差が非 EU 加盟国のそれよりも低く、そのような地域間格差にもかかわらず男性と女性の賃金格差は地域全体で時間の経過とともに縮小する傾向があることも明らかにした論文となっています。つまり、本論文のメタ分析結果は、社会主義時代の賃金面での男女格差は、計画経済体制の強い経路依存性により体制移行期もある程度維持されたものの、一部の中東欧・旧ソ連諸国のEUへの加盟や、市場経済化・民主化の進展によって暫時解消されてきたことを示唆しています。これは体制転換プロセスの注目すべき経済成果であるといえます。


     
    ページ公開日:2023年03月01日 17時00分
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