『手描き地図分析から見た知覚環境の発達プロセス』風間書房2018年刊(吉田和義)

2020年03月05日

本学教育学部の吉田和義教授が書籍を出版しました。

    『手描き地図分析から見た知覚環境の発達プロセス』風間書房2018年刊(吉田和義)
    本書は、教育学部の吉田和義教授が博士論文を基にまとめたものです。手描き地図とは、子どもが白い紙に自由に描いた身近な地域の地図で、これを基に子どもが周囲の環境をどのように知覚しているかについて研究しました。延べ1390枚の手描き地図を収集し、発達との関連を分析しました。
    その結果、小学校第1・2学年では、道路をたどるように描く線的なルートマップの段階にある子どもが多く、第3・4学年では、面的な広がりがあるサーベイマップの段階へ移行する子どもが見られることが分かりました。しかし、第5・6学年では、サーベイマップの割合が高くなりますが、ルートマップの段階に留まる子どもも見られます。知覚環境の発達を促すためには、野外における子どもの空間行動を保障し、学習にも位置付けることが重要であることが明らかになりました。子どもの地図の世界を探査しながら、地理教育・社会科教育の基礎理論の構築を目指す興味深い研究書です。
    ページ公開日:2020年03月05日
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