本学糖鎖生命システム融合研究所教員の論文が、科学誌『Journal of Biological Chemistry』に掲載
本学糖鎖生命システム融合研究所副所長木下聖子教授が、2023年秋に公表した「GlyComb」という複合糖質データレポジトリの論文「GlyComb: A novel glycoconjugate data repository that bridges glycomics and proteomics」が、『Journal of Biological Chemistry』に掲載されました(2024年2月2日)
糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、グリコシドなどが結合してできる複合糖質は、生体分子の構造や機能に重要な影響を与え、ウイルス感染症やがんなどの疾患において重要な役割を果たします。しかし、これらの研究には多くの種類の糖鎖が存在し、統一された識別子がないために障壁がありました。
「GlyComb」は、糖ペプチドや糖タンパク質のデータに固有のIDを割り当て、それらの糖鎖に関する情報を結びつけ、セマンティックウェブ技術を使用して関連情報を収集しやすくすることで、複合糖質の研究を促進します。これにより、疾患メカニズムの解明や新規創薬ターゲットの発見に貢献することが期待されます。
木下聖子教授は、「Journal of Biological ChemistryのようなトップジャーナルにGlyCombが認められ、生物化学の分野に広く通知できたことが嬉しいです。今後も本学の本研究所からさらなる発展に挑戦して参ります。」と力強く抱負を述べていました。
教授
木下 フローラ聖子
キノシタ フローラキヨコ
- 専門分野
計算機システム・ネットワーク、生体生命情報学、応用ゲノム科学、生物分子科学
- 研究テーマ
糖鎖の機能解明のための糖鎖インフォマティクスリソースの開発