生命理学専攻

カリキュラム

生命理学専攻 カリキュラムポリシー

真理を探究する営みそのものを文化として位置づけるために、最先端の生命科学とその進歩が現代社会に及ぼす影響を理解し、生命科学系の分野で知識基盤社会を支える高度で知的な素養のある人材を養成することを目的としています。

博士前期課程

前期課程は、次の4つの分野から構成されます。
「生命分子科学分野」
生体分子構築や動作原理を分子論的に理解し、さらに新規の構造や動作機序を研究する方法を修得します。
「細胞生命科学分野」
細胞内で起こる遺伝子発現から細胞運命決定に至るまでの過程を分子レベルで理解し、研究する方法を修得します。
「生命情報科学分野」
問題解決に導くために必要な情報を収集・形式化し、解決する方法を生み出す能力、新規の生命情報を取得する方法を開発する能力を修得します。
「生命機能科学分野」
外部情報の認識やそれに対する応答などの生物の機能について分子レベルで理解し、研究する方法を修得します。

博士後期課程

後期課程は、能力養成科目および研究指導科目から構成されています。これらのカリキュラムにより、次の能力を養成します。

  1. 狭い研究分野に限らず、生命科学全般に関して俯瞰的にものを見る目を養います。
  2. 独創性を養成するため、学生の研究分野とは異なる生命科学分野の手法や考え方を修得します。
  3. 深く考え、追求する能力を養成します。
  4. 英語論文作成、英語でのプレゼンテーションの能力など、高度で専門的な知識のみならず、英語でのコミュニケーション能力の開発に力を入れ、国際的な場で活躍できる人材を養成します。
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履修モデル

博士前期課程の履修モデルを紹介します。

博士前期課程履修モデル(4月入学者用)

履修モデル①
  必修科目 選択科目
2年 秋学期 生命理学特別演習Ⅳ 生命理学特別研究Ⅳ  
春学期 生命理学特別演習Ⅲ 生命理学特別研究Ⅲ  
1年 秋学期 生命理学特別演習Ⅱ 生命理学特別研究Ⅱ バイオナノテクノロジー
蛋白質機能科学
機器分析特論Ⅲ
春学期 生命理学特別演習Ⅰ 生命理学特別研究Ⅰ 生命分子科学総論
動的構造生物学
生命理学総論 研究倫理 バイオミメティクス
履修モデル②
  必修科目 選択科目
2年 秋学期 生命理学特別演習Ⅳ 生命理学特別研究Ⅳ  
春学期 生命理学特別演習Ⅲ 生命理学特別研究Ⅲ  
1年 秋学期 生命理学特別演習Ⅱ 生命理学特別研究Ⅱ 分子生物学特論
細胞生物学特論
免疫学特論
春学期 生命理学特別演習Ⅰ 生命理学特別研究Ⅰ 神経生理学
糖鎖生物学特論
ウイルス学
生命理学総論 研究倫理
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開講科目一覧

博士前期課程、後期課程それぞれの科目一覧を、入学後に配布される大学院要覧から抜粋して紹介します。

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卒業後の進路・データ

生命理学専攻のさまざまな業界で活躍する卒業生たちの卒業データを紹介します。

生命情報工学専攻 博士前期課程

これまでの主な就職先

(株)システナ、日本製薬(株)、日本電気(株)、神戸理化学研究所、鳥居薬品(株)、山九(株)、(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン、(株)NTTデータ・アイ、(株)ドン・キホーテ、(株)モスフードサービス、(株)山田養蜂場、(株)紀伊國屋書店、シミック(株)、WDBエウレカ(株)、東京大学(技術補佐員)、中学校教員(東京都・埼玉県)、高校教員(山口県)

これまでの主な大学院進学先

東京大学大学院、東海大学医学研究科

生命情報工学専攻 博士後期課程

これまでの主な就職先・進学先

インペリアル・カレッジ・ロンドン 博士研究員、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 研究職、理化学研究所 研究員

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教員一覧

生命理学専攻の教員一覧を紹介します。

生命分子科学分野

教授

池口 雅道

イケグチ マサミチ

専門分野

蛋白質設計、構造情報生物学

研究テーマ

タンパク質の立体構造はそのアミノ酸配列によって決められていることが知られています。したがって、アミノ酸配列から立体構造を予測したり、人工タンパク質を設計したりすることは可能なはずですが、現在ところその技術は確立されていません。私達はタンパク質の立体構造が形成される(フォールディング)反応をストップト・フロー法やNMRなどの物理化学的方法で調べ、遺伝子組換え技術によってタンパク質のアミノ酸配列を変えた時に、フォールディング反応がどのように変化するのかを探ることで、タンパク質の立体構造構築の原理を学び、アミノ酸配列から立体構造を予測したり、人工タンパク質を設計したりする技術を開発することを目指しています。

教授

郷田 秀一郎

ゴウダ シュウイチロウ

専門分野

生化学、生物物理学、蛋白質科学、酵素学

研究テーマ

超好熱アーキア由来酵素の構造と機能
孔形成タンパク質の立体構造変化

准教授

藤原 和夫

フジワラ カズオ

専門分野

蛋白質設計学、生物物理学

研究テーマ

  • タンパク質のアミノ酸配列と立体構造に関する統計的解析
  • タンパク質の立体構造形成機構に関する実験的解析

教授

丸田 晋策

マルタ シンサク

専門分野

生化学、生物物理学、バイオナノテクノロジー

研究テーマ

(1) 筋収縮機構の分子レベルでの研究: ATPの化学的エネルギーがどのようにして機械的な収縮運動に変換されるか、分子レベルで解析を行っている。
(2) ATPの化学的エネルギーを利用して動く生体内の分子モーター・キネシンのエネルギー変換機構の研究
(3) フォトクロミック分子を利用した光駆動型・光制御型生体分子機械の開発
(4) 高等植物イネに存在する分子モーターの構造と機能の研究
(5) 光応答チャンネル機構をもつリポソームのドラッグデリバリーシステムへの応用

細胞生命科学分野

専攻長・教授

高瀬 明

タカセ サヤカ

専門分野

ウイルス学

研究テーマ

ウイルスの感染開始機構および遺伝子発現機構の分子基盤

  1. マウス白血病ウイルスおよびインフルエンザウイルスと細胞表面分子との相互作用の解析
  2. マウス白血病ウイルス遺伝子発現の転写後調節機構の解明
  3. マウス白血病ウイルスの神経病原性に関わる遺伝子領域とその役割の解明

教授

栂谷内 晶

トガヤチ アキラ

専門分野

糖鎖生物学、細胞生物学、生化学

研究テーマ

本研究室では「糖鎖関連遺伝子を基礎とした糖鎖・複合糖質の生物学的機能の解明とその産業応用」を目標としています。大枠としては、下記の研究テーマを予定しています。

(1) 糖鎖遺伝子(糖転移酵素遺伝子)の解析:複合糖質(糖タンパク質・糖脂質など)における糖鎖の生合成制御機構の解明および糖鎖関連遺伝子の解析(機能解析)を行います。

(2) 糖鎖遺伝子改変による糖鎖の生物機能解析:糖鎖遺伝子改変細胞および糖鎖遺伝子ノックアウトマウス個体等を用いた糖鎖の生物学的機能の解析を行います。

(3) 疾患糖鎖標的分子の探索と診断技術開発(疾患糖鎖バイオマーカー開発:がん[癌]など):ヒト疾患における糖鎖変化あるいは糖鎖機能変化を解析し、診断に利用するためのバイオマーカー探索や関連技術開発を行います。

教授

西原 祥子

ニシハラ ショウコ

生命情報科学分野

教授

関 篤志

セキ アツシ

専門分野

化学センサ、バイオセンサ

研究テーマ

(1) 半導体素子を用いる化学センサー及びバイオセンサーの研究。
(2) ヘテロコア型光ファイバを用いる化学センサの研究。
(3) 化学および生物における非平衡・非線形現象とセンシングへの応用。

生命機能科学分野

副学部長・教授

川井 秀樹

カワイ ヒデキ

専門分野

神経科学一般、神経機能学、神経形態学

研究テーマ

大脳生理と可塑性 
人や動物の大脳皮質は、五官からの感覚情報を処理し、感覚以外の神経情報と統合して、学習、知覚や認識を行います。そのような高次機能を担う大脳皮質の神経回路は、はじめ遺伝子情報をもとに形成されていきますが、発達過程に生じる出来事(病気など)や環境変化などの経験によってその機能や構造が変化します。
当研究室では、大脳新皮質、主に聴覚皮質の形成と経験による神経回路の可塑的変化、つまり神経回路の構築と再構築のメカニズムとともに、聴覚皮質における神経情報伝達の構造と機能を、分子・細胞・システムレベルで解明しています。また、疾患モデルにおいて、ニューロンの保護や傷害のある神経回路の再生方法の開発を行なっています。これらの基礎研究を通じて、発達障害や認知症、精神病などの神経疾患の治療に貢献したいと考えています。
当研究室では、マウスの生体(in vivo)や脳スライス(in vitro)を活用しながら、さまざまな基礎的および先端的手法を用いて研究しています。電気生理学的記録法を用いたニューロン間のシナプス電流や膜特性の計測、複数電極や高速ライブ蛍光イメージング法を用いた神経回路活動の解析、電気穿孔法やウィルス感染を用いた遺伝子導入による細胞内分子制御、共焦点レーザー顕微鏡を用いた3次元的構造解析などの先端的手法に加え、様々な組織化学・解剖学的手法、定量リアルタイムPCR、ウェスタンブロット法などの基本的な実験方法を駆使して研究しています。
主な研究テーマ

  1. 聴覚皮質の形成、ニューロンの形態変化、および神経回路形成のメカニズム
  2. 聴覚皮質におけるシナプス可塑性と神経ネットワークのニコチン性アセチルコリン受容体による制御機構
  3. 視覚喪失による聴覚皮質神経回路の再編成メカニズム
  4. 視覚皮質における神経回路再編成の神経系幹細胞の役割
  5. 自閉スペクトラム症モデルにおける聴覚皮質の発達異常とその修復方法
  6. 脳梗塞モデルにおけるニューロンの保護方法と神経回路損傷の修復方法
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