哲学・思想文化メジャー

混迷の時代を生き抜くために。表面にとらわれず、本質を見極める力を身につけよう。
人類の歴史は、哲学・宗教とともにあったと言って過言ではありません。変転する世界にあって、不変の真理を知りたいという思いが哲学を生み、宗教を生みました。哲学と宗教は、数千年にわたる人類知の集積回路であり、人間が迷ったときに立ち帰るべき精神の原点です。混迷の時代を生き抜くための必須教養と言えます。哲学・思想文化メジャーでは、西洋哲学、仏教思想、キリスト教、イスラームなど世界のさまざまな哲学・宗教の歴史から、倫理・科学・社会・心理・アートといった現代的トピックに至るまでの幅広い分野を学びます。すべて英語で学び議論する授業や、古代ギリシア語、ラテン語、サンスクリット語、ドイツ語、フランス語、中国語等の原典をじっくり読み解く授業もあります。古今の知の巨人たちを友としながら、多角的な視点や、論理的な思考、そして自由でユニークな発想に触れ、ものごとの本質を見極める力を養ってみませんか。

主な開講科目

イントロダクトリー
  • 哲学・宗教学への招待
ベーシック
  • 哲学概論
  • 仏教思想概論
  • Philosophy I: Metaphysics, Epistemology and Ethics
  • 倫理学概論
  • 西洋哲学史Ⅰ
  • 宗教社会学
  • 心の哲学
アドヴァンスト
  • 論理学
  • 東洋思想史
  • Metaethics
  • 日本思想史Ⅱ
  • 科学哲学
  • 宗教学 
  • 美学美術史
  • 人間学外書講読(英語・ドイツ語・フランス語・ ロシア語・西洋古典語・サンスクリット語)

開講ゼミ一覧

《西洋哲学》 伊藤 貴雄 教授

ヨーロッパ哲学史上最大の巨人であり、現代哲学の基礎を作ったカントの著作などを学びながら、グローバル化する現代の思想的・社会的課題への示唆を読み取り、問題解決への方途を探ります。たとえば、自由とは、正義とは、世界市民とは、等々の問いを皆で議論しながら、多角的な視点で世界秩序を捉え直していきます。さらに、哲学は、私たち自身の人生観・価値観を大きく広げ、深めてくれます。人類的古典(グレートブックス)に触れ、自分で考える勇気や、他人と討議する力を養い、未来を生き抜く「創造的精神」を身につける演習にしていきたいと思っています。

《西洋哲学》 福谷 茂 教授

西洋哲学の歴史にはいくつかのピークの時代がありますが、17世紀がそのうちの一つであることに異論を唱える人はいないでしょう。デカルト(1596-1650)、スピノザ(1632-1677)、ライプニッツ(1646-1716)の時代は短期間に哲学が大変貌を遂げたエクサイティングな時期です。眼には見えませんが、この時代の哲学者たちはいわば一つのコミュニティに属していて、書簡を交換したり、ときには実際に面会に出かけて共に最前線に立ち、情勢判断とアイディアとを共有していました。彼らに遅れて、そして遠くから、そのメリットを生かしながら彼らの思考を総括していたのがカント(1724-1804)です。沸騰するこの知的世界をのぞきこみ、そのうえで今度は自分なりの土俵において彼らを対話させてみるのが哲学史研究の醍醐味です。こうしたことを目的にして演習を行いたいと思います。

《倫理学》 成田 和信 教授

この演習は、倫理学を学びたい学生のための演習です。3年生では、アリストテレスの『二コマコス倫理学』の日本語訳を丁寧に読みながら、幸福、徳、意志の自由、責任、勇気、正義、友情などといった倫理学の様ざまな問題について考察します。4年生では、履修者それぞれの卒論のテーマに関する文献を全員で読みながら、それをもとにした議論を通じて、履修者それぞれが卒論のテーマに関する考察を深めていくことをめざします。

《現代哲学》 蝶名林 亮 准教授

本演習では、物事を哲学的に考察・議論する力を鍛え、私たちが抱える諸問題を適切に考えるための対話力・創造力を培います。これらの力は、どのような場面、分野においても、良き価値創造を実践する上で必須であると考えます。演習では、参加者とも相談の上で、担当教員の専門である現代分析哲学関連の文献を参考にして学習を進める予定です(トピック例:善悪、正義・不正、慈悲などの徳、哲学と科学・宗教、存在、知識、信仰、自殺・自死、など)。また、教員と学生によるチュートリアルを数多く実施し、参加者が「わかった」「明確になった」と思えるまで徹底して会話・議論を重ねていくプロセスを重視します。

《仏教思想》 松森 秀幸 教授

この演習は、仏教を研究対象とする「仏教学」という学問を専門とし、特に「諸経の王」として東アジアにおいて思想的、文化的に大きな影響を与えた鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』を学びます。『法華経』は紀元前一、二世紀頃にインドで成立したと考えられる大乗仏教経典です。東アジアでは三世紀(286年)に竺法護が『正法華経』としてはじめて翻訳しますが、五世紀始め(408年)に鳩摩羅什が『妙法蓮華経』として翻訳して以降、広く受容され、特に日本では思想的にも文化的にも大きな影響を与えました。演習では 鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』の講読を通して、仏教や『法華経』の基本的な知識を学びながら、仏教学の研究方法についても学習していく予定です。また、『妙法蓮華経』の思想が中国から日本、古代から近代に至るまで、どのように受容されてきたのかについても概観したいと思います。

《宗教社会学》 大西 克明 准教授

宗教は人々に価値の根拠を与え、社会的行動の指針を導きだします。ゼミでは宗教現象や価値意識の社会学的分析を通して、グローバルな世界や近現代社会を理解します。また、様々な宗教思想・宗教文化を探究することで多様な見方を学びます。文献読解のみならず、フィールドから学ぶことを重視し、文化的背景の異なる人々との対話を可能とする能力を培います。

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