• NEWS
  • SATREPS-EARTHプロジェクトのキックオフミーティングが開催されました

2021年07月08日

SATREPS-EARTHプロジェクトのキックオフミーティングが開催されました

7月1日、本学が推進するアフリカ諸国との国際共同研究の一環である「SATREPS-EARTHプロジェクト」のキックオフミーティングが、92名(日本側参加人数61名・エチオピア側参加人数31名)の参加者のもとオンラインにて開催されました。本プロジェクトは昨年(2020年)6月に採択され、2021年7月から2026年6月までの5年間実施されます。SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)とは、科学技術振興機構(JST)および国際協力機構(JICA)出資による国際共同研究プロジェクトです。

本プロジェクトの対象国であるエチオピア最大のタナ湖では、船を出せないほど密集して湖面を覆う外来水草「ホテイアオイ」が湖面の1/6を覆うほど過剰に繁茂し、様々な環境・経済問題を引き起こしています。青ナイル川の源流でもある広大なタナ湖は、本来自然環境豊かな風光明媚な場所として知られています。本プロジェクトでは、これらの問題を解決するために、健全な湖沼生態系への修復を目指し、ホテイアオイの刈取り手法と収穫されたバイオマスの有効活用方法を研究開発していくものです。得られたバイオマスは栄養価の高いスーパーフードと呼ばれる「スピルリナ」や現地野菜・農作物を生産するための肥料や土壌改良材に変換され、「見えない飢餓」が蔓延するエチオピアで人々の栄養改善を目指します。

キックオフミーティング冒頭では、本学馬場善久学長が、「SATREPS-EARTHプロジェクトが本学創立50周年の重要な節目に開始されたことに意義を感じております。創価大学グランドデザイン2021-2030を実現する上でEARTHプロジェクトが重要な役割を果たすことは間違いなく、プロジェクトの大成功を確信しております」と、大きな期待を寄せました。

プロジェクトリーダーの理工学部佐藤伸二郎教授およびプロジェクトマネージャーのSolomon Addisuバハルダール大学准教授によるプロジェクト内容および参画研究者の紹介に続き、Afework Kassuエチオピア科学高等教育省副大臣は日本との研究交流について、「日本の大学や研究機関に留学したエチオピア人の多くが、留学中培った専門性を活かしてその後エチオピアや世界で貢献しています。EARTHプロジェクトでも多くのエチオピア人研究者や学生が携わります。本プロジェクトで得た経験や知見を活かし、将来エチオピアや日本、引いては世界で活躍することを期待しています」と述べられました。

続いて、在エチオピア日本大使館の伊藤恭子特命全権大使は研究活動を通じた創価大学のエチオピアへの貢献に期待を寄せられ、「EARTHプロジェクトを通じ、日本の専門知識や技術がエチオピアに移転され、両国間の科学技術交流がさらに活発になることを願っております。創価大学がエチオピアと日本の科学技術交流の懸け橋として尽力されることに感謝するとともに、創価大学とエチオピアとの関係性の更なる発展を期待しております」と挨拶されました。

続いて、JICAエチオピア事務所森原克樹所長はEARTHプロジェクトへの想いと期待を寄せつつ、「(以前勤務していた)ウガンダにあるビクトリア湖でもホテイアオイは深刻な問題となっています。ナイル川のもう一つの源流であるタナ湖を舞台に、ホテイアオイの問題に取り組む本プロジェクトに関われることは光栄です。EARTHプロジェクトは、近年のエチオピア国家開発計画と解決課題のビジョンと一致しており、エチオピア国内でも注目を集めています。EARTHプロジェクトの研究成果がエチオピア社会で実装化され、同国が抱える食糧問題や栄養失調の改善に貢献されることを強く期待しています」と語られました。

JST増田美砂研究主幹はEARTHプロジェクトの特徴について、「EARTHプロジェクトは、廃棄物を有価物に変換する独創的な技術の開発を掲げています。本プロジェクトによりホテイアオイの管理・処理技術が確立され、将来的には本プロジェクトが同様にホテイアオイの過剰繁茂に苦しむ近隣地域のモデルケースとなることを信じております」と述べられました。

Firew Tegegneバハルダール大学学長はEARTHプロジェクトを進める意義について、「タナ湖はユネスコから生物圏保存地域として認定されています。タナ湖を取り巻く社会的・環境的課題に挑戦することはバハルダール大学にとって重要なミッションです。バハルダール大学はこれまで研究者間の国際的な交流を積極的に行い、タナ湖が抱える問題解決に取り組んできました。創価大学とはこれまでPLANE3Tプロジェクト(2017-2021年度)で協働してきましたが、EARTHプロジェクトでは創価大学をはじめとする日本側研究機関の皆さんと共に取り組めることに感謝申し上げます」とクロージングで語られました。

最後に、ZOOM画面による参加者の記念撮影を行いました。撮影後には、両国の参加者からEARTHプロジェクトの開始を喜ぶ多くのメッセージが寄せられ、両国でプロジェクト大成功への想いを共有しつつ、キックオフミーティングを終了しました。
ページ公開日:2021年07月08日