理念と目標

学部の理念・目的

 教育学部は、創価教育の父、牧口常三郎先生の遺志を受け継ぎ、教育学科、児童教育学科ともに、建学の精神にある人間主義に基づいた学問研究と教育実践を行うことを目指しています。
 創価大学の建学の精神およびグランドデザインが示す「創造的人間」という指標を踏まえ、教育学部は「人間教育とは何か」について探究し、その精神を基盤にして、将来のさまざまな場面における問題を、教育学的・心理学的視点から、高度な知識と技術をもって解決できる人間の育成を目的としています。

教育学部の教育目標

教育学部は、以下の4項目を教育目標に掲げています。
 
1.教育学、心理学に関連する諸学問の学修を通して、それを、教育を考えるための糧としていくことができる人間を育成する。
2.さまざまな教育の場において、現在どのような問題が起こっているのか、その問題の解決のために何が求められているかを理解し、それを実際に解決できる問題解決能力を身につけた人間を育成する。
3.教育問題を自明のものと受け止めるのではなく、それらをつねに学問的な検証の対象にしていく態度を身につけた人間を育成する。
4.教育問題を、地域・国・世界というさまざまなレベルで考え、その結果を自分の言葉で語るとともに、社会の様々な領域における活動において活用することができる人間を育成する。
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
 教育学部は、全学、および本学部の教育目標に基づき、さまざまな地域・社会や組織・集団における事象や課題に対し、以下のラーニング・アウトカムズを身につけ、所定の期間在学し、所定の単位を修得し、GPA基準を満たした学生に学士(教育学)を授与します。
 
1.教育学および心理学に関する知識を身につける。
2.自らの考えを適切に表現し、伝えられる。
3.論理的あるいは実践的に課題を考察できる。
4.課題解決に向けて協働して取り組む。
5.課題解決に際し、多様な意見や視点を踏まえ新たな価値創造ができる。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
 教育学部は、全学、および本学部のディプロマ・ポリシーに基づき、教育学および心理学に関する知識を身につけ、論理的あるいは実践的に課題を考察し、課題解決に向けて新たな価値創造ができる学生を以下のカリキュラムを通して育成しています。
 教育学部では、学士課程教育機構が提供する共通科目を活用することで、大学が求める学位授与要件の充足に努めています。まず、1年次春学期に開講の教育学部用の「初年次セミナー」を通じ、大学生活への適応を促し、教育学部生としての帰属意識を高めます。並行して受講が課される「データサイエンス入門」で、来るべきSociety5.0時代に備えた数理処理感覚を養います。これを受け、2年次には教育学科では「心理学実験」、児童教育学科では「授業改善のためのデータ活用」を設け、継続的な数理能力向上を図ります。また、文章力向上にも力を入れ、1年秋学期に履修する「学術文章作法I」で身につけた作文技能を、アセスメント科目[1]におけるレポート課題で鍛錬し、3年次の卒業研究Iの課題「ジュニアペーパー」で点検します。加えて、異文化理解の促進を視野に、1,2年次では英語および第二外国語の履修を課し、交換留学をはじめ種々の海外研修を奨励します。
 さらに、本学部では1年次の基幹科目を中心に多くの科目でアクティブラーニングの形式を取り入れることで、能動的・主体的に学習に向かう姿勢や課題解決に向けて仲間と協働して取り組む技能やスキルを養います。2年次以降の専門科目では、理論を学ぶとともに、実践的な課題を考察したり分析する能力を育成します。加えて3,4年次の「演習」では、担当教員の専門領域ごとに小集団での学びを深め、仲間との学び合いを通して、多様な意見や視点を踏まえ、新たな価値創造を目指します。

教育学科

 教育学科では、教育学的に、あるいは心理学的に教育の諸問題を考え、社会の様々な領域で活躍できる人材の育成を目指します。4年間の学びを通して、教育に関する諸問題の解決に向けた活動を支える知識・技能・態度を育成していきます。本学科では、全員に履修することが期待される基幹科目[1]と、個々の学生がニーズや興味・関心に応じて履修する選択科目があります。
 1年次の基幹科目は「教育原論」・「心理学概論」・「教職概論」・「教育・学校心理学」です。2年次は「学校研究」・「教育社会学」・「教育哲学」・「発達心理学」です。3・4年次は「専門演習」と「卒業研究」になります。これらの科目を通じて、教育に関する諸問題を多面的・多角的に考える基盤を作ります。
 基幹科目の学修と並行して、学校教育、国際教育、及び心理学の分野を広く・深く学ぶための複数の科目が、学年進行と内容の深化・発展の度合い[2]に応じて用意されています。これらは便宜的に学校教育コース、国際教育コース、心理学コースに大別[3]され、学生が履修する際の目安になっています。
・学校教育コースの主な科目
「教育方法学」・「教育行財政学」・「インクルーシブ教育論」など
・国際教育コースの主な科目
「平和と教育」・「国際理解教育論」・「国際開発教育論」など
・心理学コースの主な科目
「教育カウンセリング」・「臨床心理学概論」・「心理学研究法」など
なお、教育学科には公認心理師養成課程があり、「公認心理師の職責」「心理学的支援法」「精神疾患とその治療」などの座学と、「心理演習」「心理実習 I・II」などの実習科目を通して心理の専門職を目指すことができます[4]。教職課程については、中学校教諭「社会」・高等学校教諭「公民」免許課程が置かれています。加えて、他学科科目履修制度を活用し、児童教育学科に開設されている小学校・幼稚園、特別支援学校教諭免許状及び文学部人間学科に開設されている中学校・高等学校教諭「英語」免許状が取得できる道を開いています。


[1] 基幹科目には、それが履修できないと卒業できない必修科目と、強く履修が望まれるものの、他の重要な(基幹科目に準ずる)科目で代替えの利く選択必修科目があります。
[2] 各科目には科目コードがついています。その中で下3桁の数字が履修適正年次や科目の深度(難易度)を表します。これをナンバリングと呼びます。
[3] コースは3つに分かれますが、科目の履修条件さえ満たせばどのコースの科目でも履修できます。
[4] 心理専門職を目指す場合、公認心理師・臨床心理士の資格取得が前提になりますが、そのためには大学院(修士課程)での更なる研鑽が必要です。創価大学大学院教育学研究科にはどちらの資格認定のための課程がありますが、公認心理師課程は大学在籍中(学士課程)から所定の科目を履修せねばなりません。
 

児童教育学科

 児童教育学科では、児童教育の分野における学識豊かな人材の育成、特に小学校・幼稚園・特別支援学校の教員の養成を目指しています。そのため、学年進行に応じ、教職に必要な専門性を高め、伸ばす科目を配置しています。
 まず1年次には必修科目の「教育原論」「心理学概論」により、教育学と心理学の基本的な知識や考え方を修得できるようにしています。以降、選択必修科目の「教育・学校心理学」「学校研究」「教育行財政学」「特別支援教育概論」「カリキュラム論」「教育の方法と技術」「授業改善のためのデータ活用」等により、小学校・幼稚園・特別支援学校の教員としての問題発見・解決能力を養い、幼児・児童・生徒の心理を理解するとともに、学校を取り巻く諸問題を、教育学的・心理学的観点から反省的・分析的に思考し、解決に取り組む力や態度を養います。また「教職概論」では、教員としての倫理性や子どもの成長のために尽くす責任感を身につけます。
 児童教育学科には①小学校教諭免許 ②幼稚園教諭 ③特別支援学校教諭免許 の3つの教職課程が設置されています。それぞれの免許取得に必要な科目が必修・選択科目として開講されています。学生は、各自が目指す教職に必要な科目を学年進行で履修していきます。加えて、教職課程を目指す学生のためには、「学校インターンシップ」等教育実習に先立って学校現場を経験する科目が用意され、子どもたちや教員との交流を通して、自らが教員として絶えず成長しようとする態度を身につけることができます。
 なお、小学校・幼稚園教諭の教員免許状に加え、他学科科目履修制度を利用し、児童教育学科に在籍しながら中学校教諭教員免許状(英語・社会)、高等学校教諭教員免許状(英語・公民)を取得できる道を開いています。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)
 教育学部は、学部の理念・目的に示した能力を持つ人間を育成するため、人間主義に基づいた教育の探究と実践を志し、基礎的な知識・技能および的確な読解力・表現力を土台として、柔軟な思考をもって他者と協力できる学生を求め、創価大学のアドミッション・ポリシーに基づき、以下の基準で選考を行います。

1.本学部の理念・目的への理解を基礎とした志望動機、人間主義に基づいた教育を探求しようとする修学意欲については、総合型選抜(PASCAL入試、小論文方式)や学校推薦型選抜(公募・指定校推薦入試)、外国人入試において行う書類審査及び面接を通して評価します。
2.大学での学修活動において要求される基礎的な知識・技能については、学校推薦型選抜(公募推薦入試)、一般選抜の大学共通テスト利用入試、全学統一入試、一般入試⦅以下一般選抜⦆、外国人入試で行われる書類審査及び学力試験の結果を通して評価します。これらの入試での評価にあたっては、英語力を相対的に重視し、総合型選抜(PASCAL入試、小論文方式)や学校推薦型選抜(公募推薦入試)の書類選考においては、実用英語能力テストの結果に応じて優遇措置を取ります。また公募推薦入試での学力試験においては、英語のほか国語や数学も選択可能とし、幅広い能力を評価できるようにします。
3.教育の理論・実践の探求を目指す上で必要不可欠となる読解力・表現力、柔軟な思考力については、学校推薦型選抜(公募推薦入試)、一般選抜で行われる学力試験、さらに総合型選抜(PASCAL入試)のグループ・ディスカッション、総合型選抜(小論文方式)の小論文、外国人入試で行われる小論文審査を通して評価します。
4.他者と協力できる協働性については、総合型選抜(PASCAL入試)において行うグループ学習を通して評価します。
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