法学部「地球平和共生ワークショップ」の授業においてICAN/国際NGOピースボートの渡辺里香氏が講演!
10月22日(水)、法学部「地球平和共生コース」の「地球平和共生ワークショップ」の授業において、ICAN/国際NGOピースボートの渡辺里香氏が「ヒバクシャの声をどう受け止め、引き継ぐか〜核問題と人間の安全保障〜」と題し講演を行いました。
渡辺氏は最初にご自身とピースボートとの出会いを話されました。英語を活用すべく大手IT外資企業に就職したものの人対人の交流を希望してピースボートへと転職、当初は一つの議題に何時間もかけて話し合う方法に戸惑いながらも、人と人が直接話すことから生まれる泥臭さこそが重要であると実感したご経験を語ってくださいました。
ピースボートが行なっている世界の港に寄港して被爆者の話を聞いてもらう活動については、北欧を訪れた際、日本をほとんど知らず興味もなさそうだった高校生が被爆者の体験を聞き、最後は質問が止まらなくなった様子などを紹介されました。また、世界中にいる被爆者についても言及、タヒチではフランスとアメリカの核実験により、突然住んでいた場所を追われ隣の島へ移動させられたまま何十年も戻れない被爆者がいること。オーストラリアのアボリジニの人々は土地とのつながりを重要視する文化を持っているがその土地を核実験により汚染された上、ウラン採掘の仕事で今も被曝していること。アメリカ本土の核実験で幼少期に被爆し甲状腺ガンなどを患う人々がいることを紹介され、こうしたグローバル被爆者の存在を忘れてはならないと強調されました。
さらに、昨年日本被団協がノーベル平和賞を受賞した理由が、草の根の証言活動によって核兵器は絶対に許されないという国際規範の形成に貢献したことであった点は注目すべきと述べられ、実際ロシアが核兵器使用を匂わせた時に世界が言語道断の発言という空気になった背景には、被爆体験の証言によって核兵器使用を思いとどまらせてきた被団協の並々ならぬ努力があったからこそであると語られました。最後に、学生へ「チェンジメーカーになろう、事実を知るだけではなくアクションを起こそう、一緒ならできる」と呼びかけられました。
受講した学生からは、「アメリカ本土のユタ州やタヒチ、アボリジニの土地など、これまで自分が原爆と結びつけて考えてこなかった場所にもヒバクシャが存在するという事実に衝撃を受けました。」といった声や「草の根の運動によって、核兵器の使用は絶対に許されないという国際規範の形成に貢献することができたということを知り、政治家などにならなくても一民間人として世界を変えることができるのだと実感することができ、とても大きな希望になった。」といった感想がありました。