【法学部】地球平和共生チュートリアルにてUNICEF宇原英美氏による講演「教育分野における国際協力専門家としてのキャリア展開」を開催
2026年6月17日(水)、法学部の「地球平和共生チュートリアル」において、現役の国際協力専門家として最前線で活躍されている宇原英美氏(UNICEFスリランカ事務所 教育と社会的結合専門家)をお招きし、「教育分野における国際協力専門家としてのキャリア展開」と題した特別講義が開催されました。
本講義は、学生たちが自身の進路を検討する材料として、国際教育協力の現状や主要機関の役割、そして「前の経験が次の仕事にどのように活きるか」という具体的なキャリアパスについて理解を深めることを目的として行われました。
■ 国際教育協力の構造と「掛け算」で築くキャリア
講義の前半、宇原氏は国際教育協力の本質を解説し、UNICEF やUNESCOなどの国際機関、JICA、NGO、開発コンサルタントなどが、どのように役割分担し、協調しているかを分かりやすく示されました。
後半では、宇原氏ご自身の豊富なキャリアを例に具体的なキャリアステップを紹介。大学院での研究、外資系コンサルティング会社でのビジネススキルの確立、国際NGOでの緊急人道支援、JICA専門家としての教育事業、そして現在のUNICEFでの多様な事業管理に至るまでのプロセスが語られました。 宇原氏は、「一見異なる分野の経験であっても、前の職場での知識・スキル・マインドが確実に次のキャリアで活きており、すべてが繋がって現在の専門性を形作っている」と力強く語り、学生たちへエールを送りました。
■ 活発な質疑応答:国際協力の本質に迫る
講義終了後には、受講生から非常に多くの、かつ鋭い質問が寄せられました。 「コンサル会社と国際機関の強みと限界」といった組織論から、「現地の価値観をどう把握し、押し付けにならないようアプローチすべきか」といった現場のリアルな葛藤に関する質問が飛び交いました。さらに、JICA専門家時代の赴任地であるパキスタンの事例や動画を交え、労働と学業を両立させる不就学児への教育支援のリアルな実態、そして「これからの時代に求められる教育のマインドセット」に迫る問いに対しても、宇原氏は一つひとつ丁寧に、ご自身の思いを交えて回答してくださいました。
■ 受講生からのフィードバック
真摯に事前の質問にご回答いただいた宇原氏に対する、学生からのフィードバックを以下に抜粋・共有いたします。
「教育は即効性のある支援ではないかもしれないが、長期的に社会を安定させ、人々が自ら課題を解決できる力を育てる『開発の根幹』であり『平和構築』に深く関わる分野だと感じました。また、外部からの価値観の押し付けにならないよう、圧倒的マジョリティである現地の方々の声をよく聞くことで、その国の文化や歴史、社会構造を踏まえた教育協力プロセスが可能になると改めて認識しました」と、多角的な視点から教育協力の意義や奥深さを整理しました。
また、「『課題を指摘するだけの批判者になってはいけない。あなたたちと一緒に課題解決をしていく伴走者であると理解してもらえるようなコミュニケーションをとっていく』という宇原さんの言葉が最も印象に残っています。まずは相手へのリスペクトと謙虚な姿勢を持つこと。支援する側・される側という関係ではなく、共に戦う伴走者としての対応の大切さを学びました」と、国際協力の現場における姿勢や在り方の本質を捉えた感想を寄せました。
学生たちにとって、地球的課題の解決に向き合う各機関の取り組みを深く知ると同時に、世界を舞台に活躍するためのキャリアを具体的に描き出す、大変貴重な刺激に満ちた時間となりました。