法学部「地球平和共生チュートリアル」の授業で国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所の葛西伶氏が講演!

UNHCR駐日事務所の葛西伶氏が5月13日に行われた法学部「地球平和共生チュートリアル」の授業でコース生に講義を行ってくださいました。

「難民問題と国連」と題した講演で葛西氏はまず、難民条約にもとづく定義に触れられた上で、「難民」という人はいません。「難民をバックグラウンドに持つ人」がいるだけです」とのお話をされました。それぞれ元いた国では会社員であったり、弁護士であったり、医者であったり、学生であったり、一人ひとりに人生の歩みと暮らしがあったことを強調されました。そうした難民が現在世界で日本の人口と同等の約1億1,730万人にのぼることをふまえ、UNHCRを中心とした3段階の難民支援、すなわち、①命を守るための活動、②基本的人権の擁護、③生活再建・よりよい将来に向けた活動という支援の内容と具体的事例を示されました。また、日本の難民受け入れについて、本学も参加するUNHCRと日本の大学が連携した高等教育支援(RHEP)プログラムに触れられ、実際に支援を受けた難民の様子などが動画も交えて紹介されました。

さらに、今後の社会としての難民支援のあり方として、国際社会、政府、自治体、市民社会、企業や大学などが連携した社会全体としてのアプローチ(Whole-of-Society Approach)の必要性を訴えられました。また、私たちが学校や職場でできる難民支援として、難民映画祭や写真展、「難民のものがたり展」、演劇ワークショップ『Play, Empathy』などの具体例が示されました。そして、ご自身のこれまでの大学や大学院での学びや経験にも触れられ、キャリアパスで得られた知識や経験が難民支援にどのように活かされているのか、またUNHCRでの活動に取り組む中で学んだことなどを紹介されました。

受講した学生からは、「今回の講義を通して、「難民問題」と呼ばれているものは、単なる国際問題でも人道問題でもなく、人間・国家とは何かといった問いを含んでいるということでした。印象に残ったのは、「難民という人がいるのではなく、難民をバックグラウンドに持つ人がいる」という言葉です。私たちが普段、他者をどれほど属性で見てしまっているのだろうかと痛感しました。難民、外国人、移民、クルド人など、私たちはカテゴリーで他者を理解した気になっているけれど、本来人間はカテゴリー化できないほど複雑な存在であるはずです。にもかかわらず、国家や制度は人を分類しないと管理できないとし、近代国家は人間を整理可能な存在へ変換するシステムとして作用しています。その意味で、「難民認定がその人を難民にするのではなく、その人が難民であるから認定される」というUNHCRの考え方は、人間の苦しみは国家より先に存在するとするもので、重要であると感じました。」などの声がありました。

 

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